2011年11月12日(土)

Tue 1101018 アテネをいったん離れる U字型バスタブの恐怖のこと(ギリシャ紀行10)

テーマ:ブログ
 8月25日夕刻、香港オバチャンをやっとのことでやり過ごしたが、オバチャンのあまりに強烈な勢いの余韻に、また汗が噴き出してくる。モナスティラキ周辺を歩き回って何とか汗を鎮め、小さな遺跡でショックを和らげながら、どこまでも青いアテネの空に短い別れを告げた。
風の塔
(ローマン・アゴラ「風の神の塔」。空の青さを見よ)

 明日はミコノス島に飛び、ミコノスからサントリーニを回って、1週間後にここに戻ってくる。その1週間の間に、アテネで暴動なり大規模ストライキなりが発生すれば、もちろん飛行機も船もストップして、もうビクとも動かなくなる。クマ蔵がギリシャの離れ島に閉じ込められ、ニッチもサッチもいかなくなることは必定だ。
 「ど、ど、ど、どうしよう?」ではあるが、まあそこは運を天に任せるしかない。2005年のマルセイユで、ストライキが暴動化したような騒ぎに巻き込まれたが、まあ何とか切り抜けてパリに避難できた。パリの地下鉄も全部止まっていたが、それも切り抜けて宿泊先のノヴォテルにたどり着いた。
風の塔遠景
(ローマン・アゴラ「風の神の塔」遠景)

 2010年5月にはアイスランドの火山の噴火のせいで、ロンドンからリスボンへの飛行機が全てキャンセルになり、深夜のロンドンで立ち往生。しかしあのピンチだって「攻めの姿勢」で切り抜けた。ニースのホテル「WESTEND」では、おそらく激しい雷雨の連続のせいで、深夜に火災を知らせる非常ベルが作動。寝間着姿のヒトビトがフロントに集合したが、結局何事も起こらなかった。
 要するに「なせば、なる」「やれば、できる」であって、オデュッセウスみたいに「故郷に帰還するのに10年」などというのは、実はオデュッセウス自身が帰りたくなかっただけの話。帰りたくない人間には、目の前にいくらでも障害が立ちふさがり、帰りたくない深層心理の欲求を、都合良く手助けするものなのである。
マズいビア
(夕暮れにカフェで飲んだマズいビア。何だか酸っぱかった)

 この日の夕食はホテル近くの「VOUGA VARVARA」。昨夜と同じ店である。昨日と同じオネーサンが、一晩中メニューを掲げて客を待っているのを眺めながら、ギリシャ危機のことをいろいろ考えた。
 今日は昨日よりも少しだけお客が多く、家族連れも加わって賑わっている。クマ蔵の隣のテーブルでは、アジア系のママに小さな男の子が甘えて、何度叱られても言うことを聞かない。しかし昨日の閑散ぶりを知っているから、こういう騒々しさも決して不快ではない。
スイカ
(VOUGA VARVARAのスイカ)

 勘定を済ませて帰ろうとすると、昨日と同じウェイターが「まあ、ちょっと待て」と引き止める。「昨日も今日も来てくれたから、これは店のオゴリ」と、皿にスイカを盛って運んできて、「ギリシャ人の感謝の示し方だ」と笑う。
 諸君、今井君ほどスイカの好きなクマは珍しい。すでにイカとヒツジの肉でお腹はパンパンだったけれども、スイカなら丸々1個でも食べられる。ありがたく頂戴して、高速で飲み干したワインの酔いを冷ました。読売新聞に「ギリシャ、昔はデモクラシー、今はデモ暮らし」とあったが、ギリシャの人間たちは決してギスギスしてなんかいないのである。
夜景
(VOUGA VARVARA、テーブルからの夜の風景)

 深夜、閑散と静まり返ったホテルDIVANI CARAVELに戻って、冷蔵庫からビールAMSTELを1本出して、雑用を片付けた。AMSTELは、味が濃すぎて今井君の好みに合わないが、冷蔵庫にこれしかなければやむを得ない。この味の濃さは、20年も前の日本にあった「ほろにが」「焙煎」とソックリだ。
 雑用の1つ目は、ホテルの予約と解約である。解約したのは、日本で予約してきたDIVANI CARAVELの来週5泊分。広々としたジュニアスイートは悪くなかったが、最寄りがエヴァンゲリスモス駅ではやっぱり観光に不便である。国会議事堂前のシンタグマ広場周辺にホテルを予約し直すことにした。
リビング
(ホテル側のサービスでアップグレードしてくれたジュニアスイートは、驚異的に広々としていたが...)

 解約に踏み切った理由は、観光の不便さ以上に、「バスタブの狭さ」があった。諸君、下に示す写真では分かりにくいが、この広い部屋にこの狭いバスタブは異常である。狭いと言っても、面積は小さいのではない。長さは十分、でかいクマ蔵が寝そべっても、まだ20cmも足許に余裕がある。
 狭いのは、幅である。何と、両足を横に広げて立つことが出来ない。今井君はテレビをあまり見ないので、U字工事というお笑い芸人を最近見かけないが、このバスタブはまさにU字型なのである。「U字溝をそのままバスタブにした」と言っても過言ではない。U字の底の部分は平らではなく、Uの文字そのままの丸みを帯びている。
 経験したヒトでなければ理解できないかもしれないが、このバスタブを使いこなすのは至難のワザである。両足を横に広げて立てなければ、もちろん縦に広げて立つしかない。右足が前、左足が後ろ。その逆でもいいが、まるでエジプト彫刻みたいな姿勢で、バスタブの丸く湾曲した底に足を踏ん張る。
 その姿勢の自分を鏡に映してみると、こりゃなかなか滑稽である。しかし笑って事が済むわけではない。この極めて不自然かつ不安定な姿勢で、「せっけん」という厄介なものを使用しなければ、入浴の本来の目的を果たすことができない。
 「せっけん」は、その悲しいサガとして「ツルツルすべる」という厄介なシロモノであって、足を前後に広げて踏ん張った姿勢には「油断大敵♨火がボウボウ」である。スッテン&コロリの危機はすぐそこにあるのだ。
バスタブ
(写真では分からない、U字溝型のバスタブの恐怖)

 「シャンプー」という、さらにワンランク難易度の高い仕事も待ち受けている。諸君、想像上でいいから、一度トライしてみたまえ。もともと滑りやすい丸底のU字溝。足はエジプト彫刻風に前後に開き、右足が前、左足が後ろ。シャンプーを手に取って、頭に塗りたくると、もちろんアブクが目に入るから、目を固く閉じる。その状態でお湯を流して、ツルンとひっくり返らないかどうか、想像してみたまえ。
 あら不思議、アブクまみれのクマ蔵は、モノの見事にスッテン&コロリ。たった3晩の滞在で3回もスッテン&コロリをやらかせば、こんな奇妙奇天烈なバスタブは、これ以上真っ平御免と心底から叫びたい。万が一頭を打って瀕死の重傷を負うとか、足なり腕なりをポキリと折るようなことになったら、みっともなくて予備校講師なんか続けられなくなる。
バルコニー
(部屋のバルコニーは、眺めも素晴らしかった)

 その他の点では大好きだったDIVANI CARAVELだが、以上の理由で来週5泊分をキャンセルした。新しく予約したのは、シンタグマ広場傍の「KING GEORGE Ⅱ」。7月の大暴動の時、同じシンタグマの超高級ホテルGRANDE BRETAGNEは、デモ隊に襲撃され、1階が破壊の憂き目にあった。KING GEORGE Ⅱは、そのお隣の「まあ高級ホテル」である。
 暴動はコワいし、また暴動になれば襲撃と破壊の対象になりかねないが、U字型バスタブの恐怖に比較すれば、それも大したことはない。「フルヤノモリ」がどれほどコワいか。それと同じことである。
洗いざらし
(アテネで断捨離したワイシャツ。「ザ・洗いざらし」とある。点々と見えるのがワインのシミ)

 この夜もう1つの雑用は、シャツ1枚の「断捨離」。15年前に購入したピンクの半袖ワイシャツである。Made in Koreaとある。15年前の韓国はまだ新興国であり、「成長著しい中進国」の扱い。安い衣料品の生産は、今では中国から東南アジアに拠点が移ったが、ほんの15年前の韓国は、まだこういう製品の輸出を経済の中心に据えていた。
 今回このシャツの断捨離に踏み切ったのは、往路の飛行機で赤ワインのシミをたくさん作ってしまったから。赤ワインのシミは滅多なことでは抜けないし、さすがに15年の風雪に耐えた韓国製シャツには、いろいろとホコロビも目立ってきたのである。今年、節電の夏の講演会にクールビズ用シャツとして大活躍だったが、もうこの辺が潮時と判断した。

1E(Cd) George Benson:THAT’S RIGHT
2E(Cd) George Benson:LIVIN’ INSIDE YOUR LOVE
3E(Cd) George Benson:LOVE REMEMBERS
4E(Cd) George Benson:STANDING TOGETHER
5E(Cd) Chicago:CHICAGO
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