2011年10月29日(土)

Tue 111004 パルテノン神殿は工事中 アゴラで熱中症になりかける(ギリシャ紀行4)

テーマ:ブログ
 8月25日、強烈な直射日光を浴びながら、気温50℃近いアクロポリスの丘を登りきって、すでにクマ蔵は汗まみれである。やっとパルテノン神殿にたどり着いたワケだが、北国育ちの毛むくじゃらグマは、さすがに息も絶え絶えのアリサマだ。
パルテノン1
(パルテノン神殿)

 最初の「ストライキわんこ」に遭遇したのは、パルテノン神殿の入り口であった。彼とは10日後にまた巡り会うのだが、強烈な直射日光の中、ピクリとも動かず熟睡する姿が印象的。「キミは、焼け死んじゃったの?」と尋ねたくなる静けさで、延々とストライキ敢行中である。もう1度、彼の姿を掲載する。
ストライキ犬1
(直射日光の中のストライキ犬、再び)

 この日のパルテノン神殿は、たいへんな強風の真っただ中であった。身体の大きな欧米人男性でも、吹き飛ばされそうになっては大きな歓声をあげている。
 この風は、タダゴトではない。丘の上の蒼穹に、巨大な神の力が漲っては吹きつけ、漲っては吹きつける。巨大な戸板で正面からブチのめされるような衝撃があって、そのたびごとに神殿のあちこちから明るい悲鳴が上がる。
パルテノン2
(パルテノン神殿、エレクティオン像)

 風に巻き上げられた砂嵐も、クマ蔵を脅かす。何しろ昨年11月に網膜剥離の大手術を受けたばかりだ。万が一デカイ砂粒でも右眼に入ったら、それこそタダゴトではない。「失明の危機」がすぐにやってくる。黒いサングラスをかけてはいても、心配なことはやはり心配。そうなったら、パルテノン神殿どころの話ではない。
パルテノン3
(パルテノン神殿は、相変わらず工事現場みたいである)

 今から4半世紀以上前に、今井君はここを訪れたことがある。当時のアテネは、おそらく世界で最も安全な観光地。通貨はドラクマ、ユーロは影も形もなくて、マルクとフランとリラがヨーロッパの主要通貨だった。
 ましてギリシャは、北の国境をアルバニアとユーゴスラビアに隔てられ、地中海の対岸は、トルコとシリアとイスラエルとエジプト。その向こうはカダフィ大佐全盛期のリビア。ギリシャがヨーロッパだなどと実感することはほとんどない。パルテノン神殿では古代ギリシャの眩い光だけを感じればよかった。
 1980年代、ニューヨークでもロサンゼルスでも拳銃の絡む犯罪が多発したころだ。映画でも「ブロンクス」「ロサンゼルス」というタイトルで、暴力犯罪の多発するアメリカの惨状を訴えたものが多かった。おお「ロサンゼルス」、チャールズ・ブロンソン主演。今井君は池袋文芸座の2本立て=300円で観た記憶がある。
 4半世紀前はアメリカこそ最も危険、ギリシャだって、ポルトガルだって、シチリアやサルデーニャだって、ノホホンと無防備にほっつき歩いても、せいぜい財布をスリに狙われる程度で済んだはずだ。
パルテノン4
(パルテノン神殿、遠景)

 パルテノン神殿は、4半世紀前と変わらぬ修復工事中。錯覚かもしれないが、工事は30年経過してもサッパリ進行していないように見える。いや、むしろ工事は後戻りして、鉄骨や重機が目立つようになり、神殿というより工事現場のおもむきを深めたようである。強烈な砂嵐ばかり気になるのも、そのせいかもしれない。
 暴風と砂嵐を避けて、今井君は神殿南側の展望台に出た。修復工事事務所の裏である。ここでも犬がストライキ中。さすがに日陰を選んではいるが、両足を抱え込んでこれもまた熟睡中である。首に巻いた青いリボンがオシャレ、寝顔が余りに可愛かったので、これもまたもう1度写真を掲載する。
ストライキ犬2
(修復工事事務所前でストライキ中の犬君、これも再び)

 この事務所には、3~4匹の野良猫も居着いている。エサや水をねだって、みんなでウニャウニャ唸っていると、事務所のヒトが出てきて水を撒いてやる。水の撒き方(Mac君は「水野真紀肩」と来た)がちょっと乱暴で気になるが、ネコに対しては少し荒っぽいのがギリシャ流らしい。ネコたちも喜んで、ますます大きな声でウニャウニャ歓声をあげる。
パルテノン猫
(パルテノン神殿裏、工事事務所のネコたち)

 30分ほどそこいらを散歩して、強風と砂嵐が耐えられないほどコワくなった。「パルテノン神殿で砂が入って(ここでもMac君は「須永は言って」)失明」はどうしてもシャレにならないから、最後にリカヴィトスの丘を眺めて、アクロポリスを撤退することに決めた。
 リカヴィトスの丘は、シンタグマ周辺の市街地を挟んでアクロポリスと向かい合っている。アテネのもう1つのランドマークである。中腹まで頑張って徒歩で登れば、最後の断崖絶壁はケーブルカーで一気にテッペンまで運んでくれる。
リカヴィトスの丘1
(リカヴィトスの丘、遠景)

 まだ2週間も残っているのだから、この旅行中に1度はリカヴィトス登頂をやってみるチャンスもあるだろう。今日ほど風の強くない日に、夕暮れから夜にかけて登れば、アテネの夜景もさぞかし美しいと思われる。頂上には高級タベルナもある。悪くない計画である。
リカヴィトスの丘2
(リカヴィトスの丘、拡大図)

 しかし、今日はとにかく焼け死にそうだし、何よりも砂がコワい。ちょっと慌ててアクロポリスを降り、丘の麓に広がる広大な「古代アゴラ」に入った。アクロポリスは神殿だから古代アテネの宗教的中心。アゴラは市場であって、文化と生活と政治の中心。今井君は下世話な人間だから、こっちのほうが好きである。
 ただし諸君、北国のクマが熱中症のただならぬ危機を感じたのは、アゴラの「古代博物館」に入場した瞬間であった。頭がクラクラして、軽い吐き気を感じ、どうしても水が飲みたくなった。熱中症というより、日射病に近いものだったのかもしれない。
 普段あまり好きではない博物館に入ったのも、クーラーを求めてのことである。足許もちょっとフラついたが、「クーラーさえあれば!!」という心の叫びに応え、無料の博物館の細長い建物に駆け込んだ。
 しかしこういう時は、急激に身体を冷やすのも、どうも危険なようである。博物館のクーラーを心底ありがたく思うと同時に、激しい吐き気がクマどんを襲った。「水、水…」とウワゴトを言うような息苦しさである。
アゴラ博物館
(熱中症の危機に陥ったアゴラ古代博物館)

 幼い頃、「まぼろしの王国をもとめて」という本が大好きだった。タクラマカン砂漠の横断を試みた探検家一行の、苦難の旅の物語である。探検家の部下が激しい渇きに苦しみ、お互いにキツい裏切りを繰り返しながら、次々と息絶えていく。タクラマカンとは「入ったら出られない」を意味するのだ。部下たちの「水、水..」という最後のうめきは、いまだにクマどんの心を離れない。
 あの日クマ蔵は、アテネ・アゴラの直射日光を浴びながら、人生最大の危機を迎えていたのかもしれない。こういう時、最も重要なのは冷静沈着を保つこと。慌てては、全てを仕損じる。吐き気をこらえ、ぐっと腰を落として、自問自答する。

「瀕死のクマにとって、何が不可欠か?」
「むろん、それは冷えたビールである」

諸君、危機には、この泰然自若としたクマに頼りたまえ。簡潔な問いと、簡潔な解答。ビール。よく冷えたビール。これ以上の神の声が、この世の中に存在するだろうか。
 午後2時、博物館の水飲み場のヌルい水で軽くクチビルを湿らせたクマ蔵は、一路ビールを求め、アテネの裏町に飛び出していった。クマの行方については、明日の記事で詳細をお伝えする。
アルファビア
(「命の水=ビール」のイメージ。サントリーニ島・イアの店で。古代メソポタミアの粘土板にだって、楔形文字でビール讃歌がある。ただし少年少女諸君、「飲酒は20歳を過ぎてから」を忘れないように)


1E(Rc) Muti & Philadelphia:PROKOFIEV/ROMEO AND JULIET
2E(Rc) Walter & Columbia:HAYDN/SYMPHONY No.88 & 100
3E(Rc) Solti & Chicago:R.STRAUSS/DON JUAN ・ ALSO SPRACH ZARATHUSTRA・TILL EULENSPIEGEL’S MERRY PRANKS
4E(Rc) Collegium Aureum:HAYDN/SYMPHONY No.94 & 103 
5E(Cd) Madredeus:ANTILOGIA
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