2011年10月17日(月)

Fri 110923 秋の虫の会話 船橋で講演会 ホントのファドを聴く(リシュボア紀行31)

テーマ:ブログ
 10月16日、千葉県船橋で保護者向け講演会があった。秋はすっかり深まり、鳴く虫たちの声にもそろそろ疲労の色が見え始める季節なのに、気温は30℃近くまで上がって、まるで真夏の陽気である。
 代々木上原の自宅には、3年前ほどからカネタタキの一家が住んでいて、9月中旬からずっともう1ヶ月、チンチンチンチンみんなで信心深く鉦をたたき続けてきた。しかしさすがに、季節はずれの暑さに今日は驚いてしまったようで、一家で声をひそめている。
ぜいたくねこ
(ぜいたくなタオルの上の、ごく控えめなネコ)

「何ですかねえ、この暑さは?」
「やっぱり、地震のせいかねえ」
「いや、やっぱり温暖化じゃん」
「ここは、いったんセミさんたちに舞台を譲りますか」
「しかし、名月に焼きイモに、栗とオダンゴに枯れススキ。セミさんたちの舞台には、どうですかね? 哀れなキリギリスさんならともかくとして」
「温暖化時代のニューウェーブなら、晩秋のセミも悪くないよ」
「そうですね。お屋敷のクマ蔵さんも、扇風機どころかクーラーをつけたようです」
「でも、うちのお屋敷の、あのクマ蔵さんでしょ。あのヒトは変わり者で有名。昨夜も、一昨日の晩も、ずっと柳ジョージとか桑名正博とかツイストとか、遠い昔の曲を聴いて夜更かししてました」
「第一、『お屋敷』と呼べるかどうかだ。アバラヤと呼んだらクマのダンナが可哀想だが、まあ『庵』とでも呼べば十分じゃないか」
「あのう、『アン』て何ですか?」
「アホか。『庵』と書いて『いおり』と読むんじゃ。諸君、我々カネタタキ一家としても、無理して代々木上原に住むんだから、少しは教養を磨きたまえ」
「教養って言ってもねえ。だってダンナはあのクマ蔵どんでしょ?でかいクシャミでそこいら中のネコをビックリさせているような人の住処じゃ、教養といってもね」
「ま、そう言いなさんな。あれで、決して悪い人じゃないんだから。ま、また鉦でもたたきますか。それがワタシらの仕事でしょ。チンチンチン、チチンのチン」
「良いこと言いました。たたきましょ、たたきましょ。チンチンチン、チチンのチン」
「ソレ、チンチンチン、チチンのチン」
「ハ、チンチンチン、チチンのチン」
以上、禅問答のようなことをやって、やがて裏庭は信心深い虫たちが暑さに負けずにたたく鉦の音でいっぱいになった。
どっちのて
(ニャゴロワの手か、ナデシコの手か)

 クマ蔵は生まれながらに暑さに弱く、25℃を超えると脳と肉体の溶解が始まる。今日の講演会は、久しぶりにクールビズ。ワイシャツにノーネクタイで出かけ、講演会場にたどり着いてから、やおらネクタイを締めた。船橋校の教室が模擬試験の最中で使用できなかったので、会場は京成船橋駅の向こう側の、キレイで立派な外部会場になった。
 15時開始、17時終了、出席者60名弱。高1高2の保護者に限定しているから、この出席者数はやむを得ないが、驚いたことにわざわざ静岡県から駆けつけてくれた保護者や、埼玉県草加市からはるばる電車を乗り継いで参加というヒトもいらっしゃる。
 「外部会場」というビルが余り目立たない場所にあったのが心配だったが、遅刻は1組だけ。パパたちもママたちも今井とほぼ同世代だからこそ、延々と2時間、共通の話題で異様に盛り上がることが可能。一昨日のYouTube三昧のせいで、どうも柳ジョージやパック・イン・ミュージックやセイヤングのほうに流れていきそうなのを、今井君は必死の努力で大学受験の話題につなぎ止めた。
 予定を10分延長してしまったけれども、本日もまた大成功。30日の今井・津田沼公開授業も宣伝できたし、ついでに28日船橋校での志田先生公開授業まで保護者にオススメして、クマ蔵はまさに満点講師である。
船橋
(船橋、保護者対象の講演会)

 問題なのは、「満点講師であっても満点ブロガーにはなりきれない」である。そりゃ、アクセス数は予備校講師ブログの中でトップクラス♡かもしれない♨ しかし、またまた悪いクセで、旅行記の真っ最中に旅行記がピッタリ途絶え、「あれれ、リスボン紀行はどうなったの?」と読者にツッコミを入れられる。
 フランクフルト(ライン河大紀行)の時と同じような失敗を繰り返してはならない。今年5月に書いていたライン河大紀行は、2週間の旅行の紀行文をほぼ書き終えて「いよいよ最後の1日」まで来ていたのに、最後の1日だけ残して1ヶ月が過ぎてしまった。あれはなかなか苦い思い出である。
うまそうな
(ポルトで発見した看板。ワインがホントに旨そうだ)

 ポルトガル・リシュボア紀行は、すでに30回を数え、15日間の旅行は残り36時間にまで迫ってきた。紀行文中の今井クマ蔵は、5月21日夕刻「リシュボア滞在あと36時間」という号泣しそうな気分で、ロカ岬&シントラ小旅行からリシュボアに帰ってきた。
「さて、最後から2番目の夜が更けていく」
「もうヒト暴れするには、ちょうどいい時間帯であるね」
とニヤニヤ笑いながら、お得意中のお得意、異国の夜の街に繰り出していった。
 入ったのは、いよいよホンモノのファド・レストラン。アルファマの「クルベ・デ・ファド」にはもう2回お世話になったけれども、あそこはいかにも「観光客向け」の明るくガヤガヤ賑やかな店であって、「哀愁のポルトガル」「哀愁のリシュボア」という枕詞には相応しくない。
ルッソ
(リシュボア、バイロアルト地区。有名店「ルッソ」周辺)

 この夜、クマ蔵が哀愁に浸った店は、ガイドブックには影も形も掲載されていない、寂しい裏町の店である。地域名で言えば「バイロ・アルト」地区。南からビカ線、東からグロリア線、2つのケーブルカーに挟まれた、険しい坂道を登りきったあたり。途中のレストランで安ワインをタップリ飲んでいったから、正直もうフラフラだ。
 幕末の土佐藩主・山内容堂は、坂本龍馬や後藤象二郎や武市半平太に突き上げられながら、連日の深酒にひたってフラフラ。司馬遼太郎「酔って候」の主人公であるが、泥酔していたからこそ大政奉還を達成できたじゃないか。自ら「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」と称したほど、鯨のように酒を飲み、酔った鯨のように暴れつづけた。
 この夜のクマ蔵は、哀愁のリシュボアの裏町を泥酔した勢いで闊歩し、お客のほとんどいないホンモノのファド・レストランに座り込んだ。後の世に「鯨飲酔熊」と呼ばれたい。げいいんすいくま。おお、それも悪くない。
ホンモノ
(お客5~6人。ホンモノのファド・レストラン)

 狭い店内に、お客は5~6人か。演じる側はおそらく家族であって、娘とママが歌い、パパとおじいちゃんがギターを担当する。演奏が始まってから客が若干増えたように思うが、それでも、演ずる者と聴きいる者がほぼ同数であれば、そこには真剣勝負の緊張感が横溢する。
 クルベ・デ・ファドに求めても得られなかったのは、まさにこの緊張感である。おじいちゃんが演奏し、その息子のお嫁さんが熱唱する。パパがギターを抱え、娘が熱唱し、ママが踊り、おじいちゃんが唸る。客はわずか5~6人。その他は、ここでは言えないような事情も全て知り尽くして、少し怖い笑顔で笑っている店のヒトだけである。
 クマ蔵は、午前1時までこの店の薄闇に呆然と座っていた。帰り道、少し酔いから醒めて坂道を下っていくと、さっき安ワインを鯨飲した坂道のレストランはまだ絶好調で営業中。何だ、破綻寸前とか言われながら、この国も、この街も、なかなか元気でやってるじゃないか。その坂の上から、歩いて帰ったのか、タクシーを拾ったのか、残念ながらクマどんには記憶が一切残っていない。
天国にも地獄にも
(リシュボア深夜1時の店の賑わい。天国にも地獄にも見える)


1E(Cd) Madredeus:ANTOLOGIA
2E(Cd) Madredeus:ANTOLOGIA
3E(Cd) 柳ジョージ&レイニーウッド ゴールデンベスト
4E(Cd) Bernstein & New York:BIZET/SYMPHONY No.1 & OFFENBACH/GAÎTÉ PARISIENNE
5E(Cd) Prunyi & Falvai:SCRIABIN/SYMPHONY No.3 “LE DIVIN POÈME”
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