2011年09月30日(金)

Mon 10905 滝口順平の死去と「ひょうたん島」 コインブラへの旅(リシュボア紀行20)

テーマ:昭和の人々の記憶
 滝口順平が亡くなったのは、1ヶ月前の8月29日。今井君はデモや暴動の連続で騒然とするギリシャ・アテネに滞在中だったが、彼の死去については翌日のYahooニュースで知った。
 滝口順平の死とは、我々の世代にとって「ひょっこりひょうたん島」の消滅に等しい。「ぶらり途中下車の旅」がとうとう終点にたどり着いてしまった、という寂しさもないことはないが、「ひょっこりひょうたん島」はやはり別格なのである。
 幼い頃の夕暮れ、6時前の15分間。夕食の準備が整い始める時間帯である。夏ならばまだ明るくて「もうひと遊びできるけどな」、冬ならばもう真っ暗で「ミカン、もう1個食べたら叱られるかな」、そう自問自答しながら夕食を待つ。放送は1964年から69年4月だから、たった5年のことだったのが信じられないほどだ。
 だから、今井君にとって滝口順平とは「ライオン君」以外のものではない。ひょうたん島5年間の冒険のうち、最初に出会う「ライオン王国」の王様だったのが、サーカス入団を希望してひょうたん島に参加。その気の弱さは、子供心にも愛すべきものがあった。
ライオン君の親戚
(ライオン君の親戚、ニャゴロワ君)

 その後、ひょうたん島には、海賊4人組(ガラクータ、ドタバータ、トーヘンボク、ヤッホー)、熊倉一雄のハグレ海賊トラヒゲ、魔女リカ、後の保安官マシンガン・ダンディさんなどが訪れては姿を消し、その冒険は波をチャプチャプかきわけながら、どこまでもスイスイ続いていく。しかし滝口順平の臆病なライオン君だけは、最後の最後まで島と行動をともにするのだ。
 「クレタモラッタ島」シリーズもあった。もちろん、ギリシャのクレタ島をもじった井上ひさしのギャグである。登場人物には、デタラメデスだの、オソレイリヤスだの、走れメロメロスだの、「そんなにフザケて叱られませんか?」と心配になるほどだった。
 他のシリーズにも、ムッツリーニだの、借金取りのシャッキンバードだの、巡査部長パット・ロール。アラビアンナイトの国では、ハッサン、ケッサン、タクサン、オッサン。野沢那智が声を担当したアルセーヌ・コッペパンは、もちろんアルセーヌ・ルパンのパロディ。諸君、クマ蔵世代のオヤジギャグ感覚は、実はひょうたん島で育てられたのである。
ポルトガル地図
(JTBによるポルトガル地図。ダンディさんの横顔にソックリだ)

 「滝口順平死す」のニュースを聞いた時、今井君はクレタ島から至近の首都アテネにおり、さらに至近距離のミコノス島に向かっていた。しかも、ちょうど旅行記を執筆し始めていたポルトガルという国は、マシンガン・ダンディさんの横顔とソックリ。感慨が深くなかったはずはない。
 そして今、ひょうたん島の思い出を書く時、その制作に加わったヒトビトのどれほど多くがこの世を去ってしまったか、愕然とせざるをえない。その死去の多くは21世紀に入った後の10年。彼ら彼女らの溢れる豊かなギャグ感覚とともに、1つの時代が終焉を迎えたのである。彼らについては、「終焉」はむしろ「終演」と書く方が好ましいかもしれない。
モンデーゴ河と街
(コインブラ大学からモンデーゴ河と市街を望む)

 さて、5月18日、ポルトガルのクマ蔵は、リシュボアを朝早くバスで出発して、大学町コインブラに向かった。リシュボアからバスで2時間半、電車で2時間。いつものクマ蔵なら迷わず電車を使うが、何しろ昨日エボラに行くために、あんなに苦労して長距離バスターミナルを発見したのだ。ここは連日のバス旅を選んだ。
モンデーゴ河
(コインブラ大学からモンデーゴ河を望む)

 コインブラは、ポルトガルきっての大学町である。今井君は大学が大好き。そこに大学があれば、何故か引きつけられてしまう。おそらく東京大学に2度も拒絶された10歳代終盤のコンプレックスが、いまだに強烈に残っているせいなのだろうが、ヨーロッパ旅行中でも有名な大学町があれば、必ず丸1日かけて訪問する。
 ロンドンの旅で、オックスフォードに1日、ケンブリッジに1日。ライン河の旅なら、もちろんハイデルベルグに1日。ダブリンでも8月の寒さに震えながらトリニティ・カレッジで半日過ごした。
コインブラ大学
(コインブラ大学)

 ボローニャなら、もちろんヨーロッパ最古のボローニャ大学。昨日のエボラも、実はやっぱり大学町だったし、7年前、ヨーロッパを40日かけて回ったときだって、最初に出掛けたのはベルリンのフンボルト大学だった。
 2008年11月、マドリードに10日も滞在したのに「スペインの京都大学」という格のサラマンカ大学になぜ行かなかったのか、今も残念でならない。2011年12月の予定は、サンチャゴ・デ・コンポステラへの略式巡礼だから、是非サラマンカに立ち寄って、3年前のカタキをとってきたい。
鉄の門 無情の門
(コインブラ大学、「鉄の門」または「無情の門」)

 受験生諸君、こんなふうにならないように、是非とも今年の第1志望校に合格したまえ。さもないと、こんなふうに数百歳の老グマになってから、大学の香りを求めて世界中を放浪するハメになる。ま、今のクマ蔵にとっては、それもまた悪くない。
バスターミナル
(コインブラのバスターミナル。何だか、おっかない)

 コインブラのバスターミナルは市街地のハズレにあって、そこから市の中心部まで徒歩で20分ほど。移民労働者の姿が目立つ地域で、看板も中国語やアラビア語やロシア語が少なくない。リシュボアには移民が少なかったが、おそらく地方都市に分散したのだろう。暢気な観光客としては、貧しい町の感じにちょっと圧迫される。
 しかし諸君、ここはポルトガル第3の都市。「日本で第3の都市」なら、大阪である。治安なんかそんなに気にしてビクビクしているようでは、正直言って街の人に失礼だ。よく観察すれば、人々のファッションだってなかなかのもの。時代モノのトロリーバスが走っているが、昔のものを大事に使うのは大切なことである。
Tシャツ屋
(Tシャツ屋、コインブラ市街で)

 さて、マコトに残念であるが、今日の記事はここでいったん終わりにさせていただく。とにかく、最近記事が長すぎる。反省に反省を重ねているが、書くことがいくらでも湧いてくるというのは、自分でもどうにもならない。「ボクのせいじゃないもん」である。
 ところが、「ケータイで読んでるよ」という人物が、「何とかなりませんか、目だけじゃなくて、スクロールする手まで痛くなっちゃう」と、一種の苦情を言ってきた。どうだろう、「読者の迷惑を顧みずに書きまくるブログ」などというものが存在していいだろうか。「A4で2ページが限度」、何度も繰り返してきたこの限度を、どうしても今日からは守ろうと決意した。

1E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 1/2
2E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2
3E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
4E(Cd) Indjic:SCHUMANN/FANTAISIESTÜCKE CARNAVAL
5E(Cd) Argerich:SCHUMANN/KINDERSZENEN
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