2011年09月27日(火)

Fri 1101902 何でも甘い、コピーキャラ エボラへのバスターミナル(リシュボア紀行17)

テーマ:ブログ
 今井君はすでに年齢も数百歳の驚くべき古老であるから、日本語の乱れが気になって仕方がない。おお、「日本語の乱れ」。その響きだけでもうオジーチャン臭いが、まあクマ蔵が言うのだ、普通のオジーチャンとは一味違うはずだから、我慢してよく聞きたまえ。
 一番気になるのは、日本語の乱れより、メディアに出てくるヒトの態度の乱れ。いま今井君が一番見たくないのは、某・準国営放送の平日、朝9時過ぎに登場する異様にチャラい青年である。軽いキャラを作られすぎて、かわいそう。痛々しくて見ていられない。
 若い諸君は高校や大学や職場で全力を尽くしている時間帯だから、なかなか悲劇のチャラ男くんを目撃できないだろうが、文化祭や体育祭の代休とか、この季節は平日の朝に自宅にいることもあるはず。9時過ぎたらテレビのスイッチを入れて、オトナが不快に感じるチャラさとはいったいどんなものか、ぜひ見届けてくれたまえ。
 彼の役柄は、朝日放送・土曜日朝の「旅サラダ」にレポーターで出ているラッシャー板前を、ほぼ何の批判もなくコピーしたものである。諸君はまず土曜日朝、ANB系列でラッシャーを見てみたまえ。そのあと、平日朝にチャラ男くんを観察すると、ほぼ相似形。批判なしのコピーぶりに唖然とするはずだ。
 ラッシャーも悲劇のチャラ男くんも、全国各地に出かけ、その土地のご自慢の食材を、この上なく旨そうに食べてみせる。
「うわ、うわうわ、うわー」
「ん! うん!! うんうん」
「ごはんに載せて… うわ、熱い♨ ハフハフ、ハー」
「ケッコ、しっかりしてますね」
「うん、意外にサッパリしてますね」
など、定番の褒め言葉を連発。大袈裟な身振りと表情を画面一杯にさらすのである。
 この場合、ラッシャー板前ならまあ許せると思うのは、このチャラいキャラ、略してチャラキャラと食材の組み合わせが、おそらく彼の発明であるからだ。何しろ「朝だ! 生です!! 旅サラダ」は、もう20年の長寿番組である。
 一方、批判も躊躇もないコピーのほうは、今井君はかわいそうでならない。自分のコトバで話し、自分の身振りで伝えるべきであって、別に吉野先生にゴマをするわけだが、「オマエだけのコトバで話してみろよ」である。青年はおそらく、それを局に許可してもらえないのだ。
エボラローマ神殿
(ポルトガル、エボラのローマ神殿)

 で、「うわ、うわうわ、うわー」の締めくくりは、「サラダ」も「準国営放送」も、「甘いですね!!」「うわー、甘い!!」である。何でもかんでも褒め言葉が「甘い!!」「甘いですぅ」になってしまったことについて、このブログで書くのはすでに3回目。クマ蔵は、ホントは甘いと感じていないくせに、甘い甘いと連発するヒトが大嫌いである。
 ワサビも甘い。サンマもシャケも、みな甘い。味噌も甘けりゃ、醤油も甘い。ナスもキャベツもモヤシも甘い。お茶もミネラルウォーターも甘いが、日本酒だけは意地でも甘口はイヤ。こういう妙竹林な国は、今井君にはアリスの不思議の国より、もっとフシギである。
 かわいそうなチャラ男くんは、何でも生で食べてみせる。キャベツも生のまま丸かじりをして、最初の一言が「うわ、甘いですね」。この間はどこかの高速道SAで焼きとんを頬張り、やっぱり「うわ、甘い」。高視聴率番組レギュラーの地位を確保していながら、その語彙の余りの貧弱さに、国の将来が不安になるほどである。
 そもそも「キャベツの丸かじり」なら、東海林さだおの許可が必要な気がするが、このチャラキャラは自分のコトバで表現することを禁じられ、何でもかんでも「生でも、いけますか?」と非常識な食べ方をさせられて、しかも反発も拒絶も脱却もしない。叫びは1つ「甘い!!」に統一。あんなに若いのに、コピーキャラで固定されコピーに徹する人物は、やっぱり悲劇的である。
 青年は、むしろ被害者である。クマ蔵が不快に思うのは、あんなに軽いキャラをコピーで作り、若い彼に無批判に演じさせている放送局の方針だ。若いヒトには「自分の個性で売り込んでみろ」と言ってあげるのが正しいと、今井君はやはり強く信じるのである。
エボラの町並み1
(ポルトガル、エボラの町並み)

 さて、ポルトガルであるが、5月17日のクマ蔵はリシュボアを離れ、大学で有名なエボラの街を訪ねることにした。500年前、天正遣欧少年使節団の1人・伊東マンショは、エボラ大学に今も残るパイプオルガンを見事に演奏し、居並ぶヨーロッパのヒトビトを感激させたのである。
 エボラは、「テージョ河の下」を意味するアレン・テージョ地方の中心都市。リシュボアからは電車よりもバスが遥かに便利なので、17日朝のクマ君はイヤイヤながらリシュボアのバスターミナルを探して歩き回った。
 なぜ「イヤイヤながら」かと言えば、南欧のバスターミナルは、
① まずたいへん見つけにくく、
② 見つかっても治安が悪く、
③ たとえ治安が悪くなくてもガイドブックには「危険だ」「ご用心」「近づかない方が無難」「首絞め強盗にあった」という危険情報が満載だから。事情は、マドリッドでもバルセロナでもリシュボアでも同じことである。
バスターミナル
(リシュボア、ようやく発見したバスターミナル)

 実際この朝も、バス停を見つけるのになかなか骨を折った。地下鉄プラサ・デ・エスパーニャ駅の近くとは分かっていても、ガイドブックには付近の詳細な地図が掲載されていないのである。動物園の入り口に出てしまったり、火がつきそうな猛暑の中を貧しげな住宅地に入り込んでしまったり、バス停を発見するまでに30分もかかって、最初からヘトヘトになってしまった。
 ガイドブックを編集するヒトビトに是非お願いしたいのは、治安情報をゴテゴテ掲載するヒマとスペースがあったら、
① バスターミナル周辺の詳細な地図を載せてほしい
②「変更の可能性があります」の注意書きとともに、主な路線の時刻表例を掲載してほしい
の2点である。バスが電車に比較してどんなに便利かを力説するより、実際の時刻表例が示されていた方が「じゃ、バスに乗ってみよう」というヒトの増えること請け合いだ。
リシュボアのバス
(ポルトガルの長距離バス)

 バスターミナルでは、「英語が通じる」「英語で何とかなる」という甘い考えはもたない方がいい。スペインでもポルトガルでも、「英語で何とか」は国鉄の駅まで。私鉄の駅やバスターミナルでは、嵐のようなスペイン語やポルトガル語が、ガラスの壁の向こうから容赦なしに降り注ぎ、こちらとしては身振りと手振りで困惑を伝えることしかできない。
 無事にチケットを手に入れたあとは、バスの発車まで、コンクリートの掘建て小屋みたいなバスターミナルにしゃがんでいた。「治安」は確かにあまり良さそうには見えないが、別に悪くもない。売店だって、ビールやサンドイッチや水を買うために、ポルトガル人はチャンと列を作って、割り込みをする人は誰もいないし、怒鳴りあいにもならない。
 ドロボーやスリやポンビキみたいな怪しい人物も出入りしていないし、少年少女が「愚連隊」的な行為に及ぶこともない。今井君は、長いバス旅に備えてミネラルウォーターを準備。トイレにも2度出掛けたが、キレイではなくても清潔であって、ガイドブックが時刻表も掲載しないで治安情報洪水になっているのが、たいへん不思議でならない。
コインブラターミナル
(何となくバスターミナルはコワい。ポルトガル・コインブラで)

 以上のような事情もあり、エボラ行きのバスにようやくたどり着いた段階で、クマ蔵はもう冬眠したいほど疲れきっていた。しかしまだまだ災難は終わりにならない。身振り手振りでチケットを手に入れた今井君の指定席に、しっかりポルトガルのジーチャンが腰を下ろしている。
 ヨーロッパでは、必ずと言っていいほどこういう小事件が起こる。電車では、自分の乗るはずの車両に限って連結されていない。電車でもバスでも、自分の指定席に限って、誰か他の人間が先に腰を下ろして、楽しそうにくつろいでいる。
 しかも、この日のオジーチャンは、まさに自信満々。「ここは自分の席である」と断言して譲らない。仕方なくクマ蔵のチケットを彼に見せ、チケットと席の番号を照らし合わせてみせて、「ここはボクの席です」と泣きそうな顔をしてみせたが、どうしてもジーチャンは譲らない。「いや、オマエの席はオレの前の席だ」と叫び、「そこへ座れ」と命令口調でおっしゃるのである。
 まあ、仕方ない。どっちでも同じことだ。あきらめて「オレの前の席」に座っていたら、そこへ横柄な態度の欧米オバサマ観光客がやってきて「あなたは私の席に座っている、直ちにどいてほしい」と顔を歪めてみせる。確かにそうだ、彼女のチケットに印刷されたシートナンバーは、正確に「オレの前の席」のナンバーである。
エボラの町並み2
(エボラの町並み 2)

 右往左往しているうちに、「オレ」つまりジーチャンの席の後ろは全て空席なのだと気づいた。何のことはない、バスは前半分しか乗客がいなくて、後ろはガラガラ。別に「オレだ」「私よ」と大騒ぎして指弾しあうこともない。
 エボラまで約3時間、延々と居眠りしながら行ける。大いに長閑なバスである。ターミナルを出て10分ほど、緑濃いリシュボアの市街を走り、4月25日橋でテージョ河を渡って、バスは東南の方向、高速道をエボラに向かって走り続けた。

1E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 2/10
2E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 3/10
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 4/10
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 5/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 6/10
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