2011年09月23日(金)

Sun 110828 移民労働者を見かけない ジモティ飲食店での顛末(リシュボア紀行15)

テーマ:ブログ
 5月15日、前日がんばりすぎたせいで、別に筋肉痛ではないが、何となく気持ちが萎えている。標高450mの「ムーア人の城跡」に登ったぐらいで筋肉痛になるほど年はとっていなくても、地元のジモティしか乗らない近郊電車とバスを乗り継ぎ、カシュカイシュ→ロカ岬→シントラ→リシュボアの大旅行を敢行すれば、さすがの今井君も多少の疲労は感じる。リシュボアに戻ってから「もう1軒」をやってしまったダメージも大きい。
 こういう時は、無理しないで昼まで寝ているに限る。昼を過ぎると、清掃係のオバチャンが「まだですか?」のデモンストレーションを始める。部屋のドアのすぐそばで掃除機がウナリをあげ、となりの部屋のベッドメイキングの激しさは「もうこれ以上、アナタの睡眠を許さない」という決意表明である。
アルファマ1
(アルファマ風景 1)

 そうなれば、まあこれ以上部屋に粘っているわけにもいかない。カーテンを開けると、外はウンザリするほど明るく白く光る初夏の空。その空をTAP・ポルトガル航空の飛行機がリスボン空港に向かって滑り込んでくる。5日前、あれほど意地でも飛ばなかったTAPであるが、今日はもうパパ・ベントはローマに帰ったし、アイスランドの火山灰もすっかり収まった。
アルファマ2
(アルファマ風景 2)

 今日はのんびりリシュボア散歩を楽しみ、疲れたら昼飯をゆっくり食べて終わりにしよう。5月10日から始まったリシュボア旅行は、今日で6日目。まだ半分にもならないが、いろんなことが起こりすぎて、ちょっと気力が衰えている。
 地下鉄と市電を乗り継いで、アルファマに出た(Mac君の変換は「α間」だ)。ファドを聞けば、歌詞の中に「リシュボア」に次いで登場頻度の高い地名がアルファマ。風光明媚で名高い場所だから、欧米人観光客が次から次へと市電からワラワラ降りてくる。
アルファマ風景
(アルファマ付近の市電 1)

 観光客について言えば、ポルトガルに来てから中国の人をほとんど見ない。パリでもミラノでもロンドンでも、今や観光客の主流は中国人団体。2005年と比較しても、あれから5年経過したヨーロッパの大都市は、ほぼ日本人が駆逐され、中国人で埋め尽くされた感がある。
 そういう都市で目立つアジア人は、団体旅行なら中国人ばかり。2人連れは韓国人ばかり。2人連れは「女♡女」「女♡男」「男♡男」のどの組み合わせでも圧倒的に韓国人が多い。日本人は、60歳以上の熟年夫婦、明らかに新婚旅行の2人、団体ならTrapicsのワッペンをつけた「とっても関西」な感じの関西のヒトが目立つぐらいである。
 ところが、あれほど他を駆逐し尽くした中国人を、ポルトガルではほとんど見かけない。2011年夏、2週間前に帰ってきたばかりのギリシャでも、やっぱり中国人にあまり出会わなかった。そう言えば、ヨーロッパの大都市ならどこでも街はずれにある「中華大飯店」を、リスボンでもアテネでも見かけない。
アルファマの市電
(アルファマ付近の市電 2)

 アフリカ系の人も目立たない。ロンドンやパリやNYなら、ごく普通に街に溶け込んで働いているアフリカ系移民との出会いが、リスボンでもアテネでもほとんどないのである。
 見かけるとして、路上でフェイクバッグを売っている人ぐらい。路上販売にも、なかなか日本人には理解できない厳しいルールがあるようだ。クマ蔵の観察によると、バッグ、オモチャ、ミネラルウォーター、それぞれ販売する領域が移民ごとにハッキリしていて、他者の領域に侵入することは許されないようだ。
店先のおさかな
(店先に旨そうに飾られた魚介類)

 中国やアフリカからの移民労働者が入ってこないということならば、やはりポルトガルやギリシャの経済状態は外目から見た以上に厳しいのだろう。入ってきても、自国に留まる以上に厳しい生活を余儀なくされるなら、無理して入ってくる必要はないわけである。
 「中国とアフリカの人が決定的に少ないな!!」と感じたのは、2008年マドリード、2009年のダブリンとブダペスト、2010年のリシュボアとバルセロナ、2011年のアテネ。深刻な経済危機が伝えられる国ばかりである。もっとも、今井君がそういう国ばかり選んで訪問していることもあるのかもしれなくて、あんまりカンタンに決めつけるわけにもいかない。
店内
(ジモティ飲食店。店内は薄暗い)

 経済状態が厳しかろうとなんだろうと、ヒトビトの食卓を見るかぎり、驚くばかりに豊かである。アテネでもバルセロナでも、どう見ても完売にはならない大量の肉が並べられてメマイがするほど。どう頑張っても食いきれないほどの魚が、夏の熱気の中で午後にはもう氷もすっかり融け、売り物にならなくなっていく。
 「貧乏だ」「財政破綻だ」「怠け者だ」「やる気のない国民性だ」。日本やアメリカやドイツや北欧の人にさんざん叱られ、さんざん侮られ、中国からの観光客もアフリカからの移民労働者も寄り付かないアリサマだが、どっこいヒトビトは豪快に肉にかぶりつき、豊かに魚を食べ散らかし、食べきれない魚は腐敗するにまかせる。
アテネ肉屋

アテネ魚市場
(参考までに:アテネの市場、肉屋と魚屋の光景)

 疲れたクマ蔵は、リシュボアの裏町の地元のヒトしかこない店に入って、地元のおばあちゃんが嬉しそうにスープをかきまぜている斜向いのテーブルに座った。店先には旨そうな魚やカニやウサギが吊るされ、おばあちゃんにも大きなグラスにナミナミと注がれた白ワインが運ばれてきた。満面の笑みを浮かべて、ホントに嬉しそうである。
 実はこの店には、リシュボア滞在中にもう1回訪れることになった。1回目は「イカのスブラキ風」。2回目は「シーフード盛り合わせ」。イカはちょっと物足りず、シーフード盛り合わせはイワシの骨が硬くて口内炎がますます進行したのであるが、「うちは観光客の入るような店ではありませんけどね」という、ウェイターの無愛想で不器用な対応ぶりが面白かった。
イカのスブラキ風
(1回目、イカのスブラキ風)

 ところが、客もウェイターたちも店内のテレビに視線が釘付けである。放送されているのは、議会での討論の様子らしい。激しい討論というより、みんな沈鬱な表情で「懸命に打開策を模索中」という感じだ。
 給料が下がり、税金が上がり、消費税も急上昇し、公共サービスは低下し、治安が悪化し、外国人のカネも労働者も入ってこない。議会が沈鬱なのは当たり前だが、その討論を見守るリシュボアのヒトビトもまた沈鬱。日本の将来を間近で見るようで悲しいが、そう思った拍子に、斜向いのテーブルのおばあちゃんのワイングラスが倒れて、なみなみ入っていた白ワインでテーブルがびしょびしょになってしまった。
シーフード盛り合わせ
(2回目、シーフード盛り合わせ)

 倒したのは、その左隣で勘定を済ませて出て行こうとした青年。慌てるおばあちゃんにはお構いなしにさっさと店を出て行ってしまった。おばあちゃんには、周囲のお客の指摘と店のヒトの機転で、すぐに新しいテーブルクロスと新しい白ワインが出てきたが、青年の態度が何だか殺伐とした感じである。
 しかもそのあと、おばあちゃんと店のヒトの間でも、お勘定のことで何だかトラブルが持ち上がり、殺伐感は高まるばかり。しかしまあ、おばあちゃんは毎日訪れる常連さんのようであり、おばあちゃんの右隣のおじいちゃんも常連のようで、3者の話し合いにより、問題は何とか決着をみたようである。めでたし&めでたし。

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 3/6
3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES4/6
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