2011年09月14日(水)

Fri 110819 目標「イワシを骨までワシワシ平らげる」とクマの勝利(リシュボア紀行8)

テーマ:ブログ
 書いている時点で9月14日である。一昨日の中秋の名月があんまり綺麗だったので、ようやく「おお、9月中旬になるのだな」と実感したけれども、こんなに毎日蒸し暑くて、「最高気温30℃を超えました」「熱中症にご注意」「十分な水分と塩分補給を」の連続では、真夏気分をなかなか抜け出せない。
 2週間滞在したギリシャなら、日光の当たる場所さえ避ければクーラーなしでも耐えることはカンタン。強烈な直射日光の中では灼熱地獄でも、いったん日が暮れれば、爽快な涼風に吹かれて、「暑いですね」などという挨拶は考えられないほどだった。
坂の上の市電
(リシュボア市電)

 ギリシャと比較するせいか、今年の東京の9月は異様に蒸し暑い。たったいま床屋に出かけて、5mmの丸刈りを復活させて来たばかりだが、床屋からの帰り道5分歩いただけで、すでに汗みどろである。
 もっとも、前回の床屋が7月19日。3ヶ月近く放置した丸刈りとおヒゲをスッキリしてもらって、いくらか暑さも和らいだ。こうしてスッキリ丸刈りとスッキリおヒゲで和んでいると、何だ、ネットリした暑さの中で汗みどろになっていたから気づかなかったけれども、秋はもうすっかり深まっている。
 玄関脇に5年前から住みついているカネタタキの一家が、夕方5時半を過ぎるとカンカン&カンカンしっかり鐘を叩いて鳴いている。そもそも、日の暮れるのが早くなって、6時過ぎて夕刊を取りに玄関に出てみると、日はとっぷり暮れている。もう3日たてば、今井君も秋の講演会ラッシュが始まって、また多忙な日々が始まる。
市電内部
(リシュボア市電、運転席あたりで)

 5月13日、ポルトガル旅行は4日目を迎えて、そろそろ安定してきたというか、水平飛行に入ったようである。
 クマ蔵みたいな海外旅行のベテラン♨になっても、旅に出た最初の2~3日は落ち着かないというか「オッカナビックリ」で終始。それが4日目ぐらいに、ホテルから地下鉄の駅までの風景にも馴染んで、「そろそろガイドブックは手に持たなくてもいいかな」と感じるあたりから、水平飛行状態になる。
 地下鉄の中で出会うヒトビトも、「お、日本人か!?」と興味ありげにジロジロこちらを見つめていたのが、この頃から誰もクマ蔵に興味を示さなくなる。要するにクマ蔵の方で周囲の風景に馴染み、すっかり溶け込んでしまったので、地元のヒトビトの関心をそそらなくなるのだ。
犬も乗っている
(リシュボア市電の内気な人々。犬クンもやっぱりおとなしい)

 20歳になる直前の東京で、今井君はこれと同じ経験をした。こちらが東京に違和感を覚えている間は、東京のヒトビトもこちらに強い違和感を感じるのだ。「あれれ、自分は周囲から浮いてるな」「周囲の違和感を一身に集めているな」と感じていれば、地下鉄でもバスでも山手線でも、実際に今井君は妙竹林な異彩を放っているのだ。
 東京では、妙竹林な違和感を振り払うのに1年ぐらいかかったかねぇ。電車の中のヒトビトが今井君に対して完全に無関心になってくれたのは学部3年ぐらいで、それまではむしろこちらから好んで異彩を放つことに夢中になった。
ビカ線終点1
(ケーブルカー「ビカ線」終点付近で 1)

 まず「コロンボ・コート」である。当時は「刑事コロンボ」の人気絶頂期で、学部1年のクマ蔵も安いコロンボ風コートを購入。秋の半ばからヨレヨレのコートを着込んだ。続いて「風呂敷包み」。カバンというものを買うのが何となく恥ずかしかったので、太古の昔の風呂敷に教科書やノートを包んで早稲田に通った。
 「風呂敷なんて、オシャレじゃないか」と言ってくれるヒトもいるが、それはとんでもない誤解。オシャレの形容が通じるようなオシャレ風呂敷ではなく、ホントにオジーチャンやオバーちゃんが使ったような、言い訳の余地の一切ない江戸時代の田舎風呂敷をかかえ、大きすぎるコロンボ・コートを羽織った姿は、「あとは下駄でも履けば完璧」というアリサマだった。
ビカ線終点2
(ケーブルカー「ビカ線」終点付近で 2)

 リシュボアでの今井君はさすがにそこまで異様ではないのだが、やはり最初の2~3日は「おお、ジョパンゥオから来たんですか」とおせっかいなオバサンが道案内でも申し出てくれそうな、何とも言えない違和感を周囲に漂わせていたはず。「ジョパンゥオ」はジャパンのポルトガル発音。慣れないうちは、お互い異様なものである。
 こんなふうだから、リシュボア滞在4日目のこの朝、「おお、自分はそろそろリシュボアに馴染んで来たな」「誰もクマ蔵に注目していないな」と感じたのは嬉しかった。この日の予定はリシュボア市内観光であり、深夜は寂しい裏町にファドを聞きにいく。ファドの世界に個人で闖入するとなれば、相当な覚悟が必要で、「まだ街に馴染んでいない」という状況では、闖入はいかにも苦しいのである。
ビカ線駅
(ビカ線、駅舎)

 ホテル近くのピコアスの駅から地下鉄に乗って、マルケス・デ・ポンバルで乗り換え。バイシャ・シアードで降りて、雑踏の中をコメルシオ広場まで歩いた。ここからリシュボアの街に3本残ったケーブルカーのうちの1本「ビア線」で急坂を登る。坂の上から市電に乗り換えて、ベレンまで30分あまりである。
 昨日「O PRADO」という店に目を付けてあって、「昼食は、あそこでイワシをペロリと平らげる」と固く決意していた。イワシ、ポルトガル名「サルディーニャス・アサーダス」、要するにイワシの塩焼きにすぎない。
 しかし、今回のリシュボア紀行の第1の目的は、
「リシュボアの裏町の小さな店でイワシを何匹でもペロリと平らげてみせる」
「イワシの骨までワシワシ奥歯で噛み砕いて、ポルトガル人に向かって『どうだい、日本人もやるもんだろ?』『イワシを食わせて、日本人に勝てるもんなら勝ってみろ』とニヤリと笑ってみせる」
だったのだ。5月13日、リシュボアの街に自分が馴染んだと感じて、早速その第1目標達成に向かったのは、当然のことである。
o prado
(目指した店は「O PRADO」である)

 今井君は用意周到だから、この旅行の2ヶ月も前から東京・赤坂のポルトガル料理店に通い、「イワシをワシワシ食ってみせる」の練習を繰り返し、渋谷区松濤の別の店でも予行演習も繰り返した。
 赤坂の店は、赤坂サカス1階の「ヴィラモウラ」。渋谷松濤の店は「マヌエル・コジーニャ・ポルトゲーザ」。実際にリシュボアに出かけるほどヒマでないヒトは、是非どちらかの店を尋ねて、イワシを骨ごとワシワシ何匹でも平らげるクマ蔵の疑似体験をしてみたまえ。
 人生の味をよく理解できていないヒトは、クマ蔵のこういう意気込みを理解できない。というか理解しようとしない。「たかがイワシじゃないか」「イワシなんか、日本でいくらでも食べられるじゃないか」と呆れた顔をする。
 「サンマのほうが、ボクは好きだな」とか、寝ぼけた発言でクマの怒りを買う者も少なくない。そんなの当たり前だ。サンマは旨いさ。イワシだって、日本のイワシの方が繊細で旨いさ。リシュボアまで飛行機代とホテル代を払って、たかがイワシのワシワシをやる価値なんか、さぞかし分かりにくいだろうさ。
 しかしであるね、リシュボアの裏町の、見たところ地元のオジサン&オバーチャンしかこない店に日本人が闖入して、地元のヒトだってあんまり食べない、マズいパサパサのイワシの塩焼きをワシワシ食ってみせるのが、旅の妙味なのだ。
貝殻
(O PRADOの店先に飾られていた貝殻の山)

 ついでに「おまえ、そんなもの、よくそんなに食えるな」「おまえ、酒もよく飲むな」と地元のジモティー諸君を唸らせる妙味が分からないようでは、人生の妙味もなかなか味わうことは出来ない。少なくとも今井君はそう確信する。
 午後2時の「O PRADO」はランチの客で6割がたテーブルが埋まっている。本来は東洋からの観光客が昼間っから闖入するタイプの店ではないが、3~4軒先には「大阪」というナンチャッテ和食屋もあって、「寿司」の文字の入った赤提灯をぶら下げている。日本人も珍しくはないのだろう。店のオジサンも驚かずに対応してくれた。
いわし
(O PRADOのサルディーニャス・アサーダス)

 出て来たイワシは、たいへん優しいイワシであった。この後もいろいろな店に入り込んでサルディーニャス・アサーダスを注文したが、「骨までワシワシ」「骨までゴクリ」を強行して苦痛を感じなかったのは、この店のイワシだけである。優しくて、柔らかくて、骨もカンタンに噛み砕けた。
 ということは、別の店でのクマ蔵は「骨までワシワシ」を周囲のリシュボア人に見せつけるために相当な苦痛を感じ、口の中を数カ所ケガするハメになり、ケガはやがて大きな口内炎になって、バカげた行動のイマシメになったのであるが、そのバカげた結果については、また別の機会に詳述することにする。
平らげた
(クマ蔵「ワシワシ」の勝利)


1E(Cd) George Benson:ABSOLUTE BENSON
2E(Cd) George Benson:BREEZIN’
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/THE COMPLETE PIANO SONATAS②
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/THE COMPLETE PIANO SONATAS③
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/THE COMPLETE PIANO SONATAS④
total m103 y976 d6937
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