2011年08月29日(月)

Fri 110812 エルマーのぼうけん ローマ法王さまと遭遇(リシュボア紀行5)

テーマ:ブログ
 翌日5月11日、クマ蔵が目を覚ますとすでに午前9時である(スミマセン、昨日の続きです)。この朝はリシュボアで迎えるはずだったが、いまだにクマ蔵はロンドンである。リシュボア紀行を書き始めて5回目、まだリシュボアに到着する気配すらない。
 「リシュボア紀行」と名付けたなら、本来ならリシュボアの空港に降り立ったところから始めるべきである。子供のころ何度も読んだ「エルマーのぼうけん」だって、20ページ目にはもうエルマーは「どうぶつ島」に到着、りゅうを救い出す冒険を始めていた。
 しかし、「エルマーのぼうけん」の中で幼いクマ蔵が一番好きだったのは、「どうぶつたちに捕らえられたりゅうの子ども」について老いたオスネコがエルマーに語るくだり。今井君のネコ好きの原点はあそこである。ぼうけんを思い立ったエルマーが「ももいろキャンデー」その他いろいろぼうけんに必要なものをリュックに詰め込むくだりも大好きだった。
 つまり、旅行で一番楽しいのは「さて、次はどこに行こうかな」と、世界地図を広げる瞬間だし、読書だって「さあて、次は何を読もうかな?」と買い集めた本の山に目をやるのが最上の楽しみである。図書館が好きなヒトなら、「図書館に行こう」と思い立つ瞬間に幸福が凝縮されていることをよく知っているはずだ。
 しかし、だからといって、リシュボア紀行でありながらいつまでも「リシュボアに到着しなさすぎる」のはこのぐらいが限度だろう。朝9時、ヒースロー空港近くの「PARK INN」で目が覚めたクマ蔵は、「そろそろ潮時だな」と考えた。
 バゲージを引きずってロビーに降りてみると、静まり返った広いロビーに昨夜の熱気はない。激しい集団交渉の末、要求通り「ホテルとバスチャーター」を勝ち取った約100名のポルトガル人集団には、勝利の高揚感が漲っていたものだ。丸1日、空港で小突き回された彼らの汗のニオイと体臭が混じって、ロビーの熱気は大きな渦を巻いた。
 彼ら彼女らは、今朝4時半のバスでとっくに旅立ったのである。始発のリシュボア便なら、確かに4時半のバスに乗らなければならなかったし、もちろんヒースローまで無料。しかし昨日も書いた通り、ホテル到着時のクマ蔵はすでに疲労の極に達していて、「まあタクシー代ぐらいは我慢しよう。それよりグッスリ眠りたい」の欲求を優先したのである。
 朝、ロビーの空気は爽やかで、「さあ、もうそろそろ素直に目的地に到着しなさい」とクマ蔵を促すようである。「どうぶつ島のエルマーみたいに、リスボンだかリシュボアのことをいい加減に書き始めないと、読んでるヒトたちだって呆れちゃいますよ」である。
翌日のコメルシオ広場1
(リシュボア、海岸のコメルシオ広場。この日夕方、ここでローマ法王さまのお説教があった)

 以上のような長い長い前置きがあって、クマ蔵はついに正午すぎのTAPに搭乗。午後3時、リシュボアに到着。小さなリシュボア空港の入国審査に時間がかかり、バゲージを受け取って空港の外に出たのは、すでに4時近かった。
 まだ5月だというのに、想像以上に気温は高い。タクシーに乗り込んで、滞在先のホテル名を告げると、運転手がいきなり大きなポーズで両手を広げて肩をすくめ、何だか激しい声で絶望の気持ちを述べ始めた。
 「おやおや、またトラブルかよ」である。空港のタクシーが乗車拒否をすることはまずないが、要するに「行き先が近すぎて絶望」「延々と客待ちをして、そんなに近くかよ」なのは世界中どこでも同じことである。
翌日のコメルシオ広場2
(リシュボア、コメルシオ広場 2)

 ところが、どうも話が違うようだ。地図上でも空港からシェラトンホテルは相当遠いし、運転手がポルトガル語に英語を混じえて慨嘆し、力説しているのは、
「今日はローマの法王さまがリシュボアにいらっしゃる」
「シェラトンホテルは法王さまのご滞在先のすぐそばなので、交通が規制されている」
「周囲はたいへんな渋滞で近づきがたい」
ということなのであった。
 実際には、彼が力説したほどの渋滞もなく、ホテルにはスムーズに到着。チェックイン後、すぐ街に出てみると、確かに街中が大歓迎ムードで、「Bem Vindo PAPA Bento」の横断幕が掲げられている。
べむびんど
(ベム・ビンドの横断幕)

 ベムビンドとはウェルカムのこと、スペイン語ならビエンベニード(Mac君は「鼻炎紅ード」)、フランス語ならビアンブニュ、おお、ソックリであるね。Papaとは法王さま、Bentoとは、畏れ多くもお弁当のことではなくて、ベネディクトのポルトガル語表記。法王さまスケジュールは、夕方から海岸のコメルシオ広場でお説教、その後宿泊先に戻られてお食事とのことである。
 法王さまを乗せたおクルマが間もなく通過ということで、リベルダーデ大通りには歓迎の人々が並び、法王さまの通過を今か今かと待ち受ける。今井君も群衆に混じって「今か今か」をやってみた。30分ほど路上に立ち尽くして、ありがたや&ありがたや、法王さまは白いオープンカーの法王さま版に立ったまま、ニコヤカに手を振って、目の前を1秒で通過なされた。
 お説教を聞きにいく群衆が、手に手に小旗を振りながらリベルダーデ大通りを小走りに進む。初めて訪れた街で、いきなりこの群衆の熱気に包み込まれたのでは、さすがの今井君もついつい興奮して群衆の後を追う。
 コメルシオ広場には数万人が集まって、法王さまのありがたいお説教を聞くらしい。今の法王さまは不人気というウワサもあったが、少なくともリシュボアの人々にはたいへんな人気である。
 いつものことながら、リシュボアの治安の悪さについて、余計な情報を各種取りそろえて大脳に刷り込まれているから、「スリ」「強盗」「首絞め強盗」の類いもこの群衆の中に紛れ込んでいるんじゃないか、そればかりが恐ろしくて目が回りそうになった。
リベルダーデ
(リベルダーデ大通り、ロシオ駅付近)

 「まあ、お説教は聞きにいかなくてもいいかねぇ」が今井君の結論である。クマ蔵はあくまで観光客であって、リシュボアにはありとあらゆる紆余曲折をへて、遠路はるばる到着したばかり。ありがたいお説教は信心深いリシュボアの人々に任せたほうがいい。
 まずホテルにしっかり落ち着き、荷解きを済ませ、法王さまの宿泊先近くのお店で晩飯を食べていれば、何かのハズミで生身の法王さまに遭遇できるかもしれない。いきなり隣のテーブルからお声をかけてくださるとか、「ワシは法王さまじゃ。この無礼者!!」「この紋所が目に入らぬか。ひかえおろう!!」と怒鳴られるとか、そういう奇跡もあるかもしれない。
 クマさんはそんなふうに考えたのじゃ。そして実際その夜、もちろんそこまで劇的ではないけれども、思いもかけない至近距離からベネディクト法王のお姿を拝見することになったのだ。ただし諸君、今日もまた長くなりすぎた。どんな遭遇だったか、それは明日の記事を待ちたまえ。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10
4E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 1/5
5E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 2/5
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