2011年06月07日(火)

Fri 110603 ニュルンベルクはソーセージの街である ソーセージに関わる動詞表現の話

テーマ:ブログ
 さて、ようやくフランクフルト紀行に戻ることが出来るけれども、4日前のブログの中でのクマ蔵どんは、ドイツ滞在10日目。重く曇ったニュルンベルクの街に到着したところであった。
 この5~6年のうちに、ドイツは一気に復興が進んだような気がする。いまの日本で「復興」といえば、言うまでもなく東日本大震災からの復興であるが、ドイツは今でもまだ第2次世界大戦からの復興の途上であり、冷戦からの復興も現在進行形で進んでいる。
 2005年のベルリンは、冷戦からの復興の様子が街中に生々しく感じられた。「ベルリンの壁」の廃墟が街の真ん中に放置され、積み上げられた壁の残骸とガレキが2月の冷たい雨にうたれる様子は、平和な日本でヌクヌクしていた今井君には、衝撃的と言っていいものであった。
 第2次世界大戦による破壊の修復も、2005年当時はまだ完成していなかった。当時のベルリンの中心・ツォーロギッシャーガルテン駅の駅前には、空襲で半分崩れ去った教会が立ち尽くしていたし、ドレスデンの駅周辺では、大空襲のガレキが残る中、デモ隊が警官隊に投石しながら逃げ惑っていた。
 ドレスデン大空襲については、3~4年前の映画「ドレスデン 運命の日」を参照のこと。映画の筋書きが少々「作り過ぎ」で面倒になるが、空襲の映像は見ておく価値がある。防空壕が蒸し焼き状態になって、ワインや酒が煮えて沸騰していく瞬間がリアル。6年前のドレスデンには、いまだにその大空襲のガレキが残っていた。
大聖堂とマーケット
(ニュルンベルク、聖ローレンツ大聖堂とマーケット)

 いま今井君が降り立ったニュルンベルクもまた、戦争の傷跡が深く残った街である。そりゃそうだ。「ニュルンベルクの」と言われて、上の句に下の句がつながるように「マイスタージンガー」と答えるタイプのオペラファンはともかくとして、ニュルンベルクと言えば普通なら「第1回ナチス党大会」または「ニュルンベルク裁判」を連想するはずだ。
 要するにここは、戦争犯罪と世界大戦の中心地の1つ。そのことを思えば、この日の空と同じぐらい心はどんより重く雲に覆われてしまう。実際、空襲による破壊はあまりにも徹底的、情けも容赦も一切感じられない。「京都には爆弾を落とさない」、そんな暗黙の情け容赦なんか、ドイツには払われなかったのである。
 ニュルンベルクの街の修復は2000年を過ぎるまで続いていたのだという。完成したのはつい3~4年前。古城カイザーブルクと聖ローレンツ教会を眺めた限りでは、空襲と破壊の痕跡は、ほぼ完全に消えている。ドイツにとってこの4~5年は、復興と意味ではホントに大きかったようである。
ペグニッツ川

むぜうむ橋
(ニュルンベルク、ペグニッツ川。ムゼウム橋付近で)

 じゃあ今井君はそんなに高尚なのか、もちろんその話になれば状況は一変する。クマ蔵にとって、ニュルンベルクからの連想は、第1に「ブラットブルスト Bratwurst」である。「brat」はbraten「焼く、あぶる、揚げる、炒める」の変化形。Wurstはソーセージ。Bratwurstは焼きソーセージのことである。
 いろいろなコトバの遊びがWurstにはあって、しっかりしたマジメな辞書にも掲載されているのが、eine Wurst machenである。動詞machenは「する、行う。実行する、作る」eineは冠詞で「1つ」。まとめて「ソーセージ1本しちゃう」「ソーセージを1本生み出す」である。
 それがどういうことかは想像に任せるが、まあ男子同士の朝の挨拶として、「いやはや、ソーセージ1本しちゃってさ」であれば、ドイツ人のお茶目な感じがよく伝わってくる。今井君はこういうドイツ人の豪快な笑いが大好きだ。
救済院
(ペグニッツ川と旧・救済院。いまはレストランになっている)

 ただし諸君、このコトバばかり気に入って、「ブルスト・マッヘン」がアタマにこびりついたりすると危険だ。ドイツ旅行中に思わず何の脈略もなく「ブルスト・マッヘン!!」と叫ぶ危険性があるから、気をつけたまえ。
 音読こそ、語学学習で最も効果的な方法。昨年は「イチ、音読!!」とCMで叫んでいたサトイモどんもいた。今年は同じサトイモどんが「音読を繰り返してれば、全部アタマに入ってるから!!」→アタマをポン!!というCMに登場しているが、繰り返し繰り返し「ブルスト・マッヘン!!」と叫べば、当然「全部アタマに入っちゃうから!!」「ポン!!」。
 そうなると、「グリュース・ゴット(こんにちは)」と言われようが、「グーテン・アーベント(こんばんは)」と言われようが、「ブルスト・マッヘン」がポン!!と口をついて出てきかねない。音読は効果的であるだけに、ダメなものを音読すると危険も伴うのだ。諸君、もう直ちにeine Wurst machenのことは忘れたまえ。
カイザーホーフ
(ホテル「ドイツ皇帝」。なかなか激しいネーミングだ)

 さて、今井君もその話題はもう忘れるとして、「ニュルンベルガー・ブラットブルスト」と形容詞形をつけるぐらい、ニュルンベルクは焼きソーセージで有名。何が何でもソーセージをサカナに白ワインを1本でも2本でも3本でもやって、東洋のクマの名を辱めないように行動しなければならない。マイスタージンガーとか、「戦争と復興」みたいな高級な話は、日本に帰ってからマジメにシッカリ考えればいいことだ。
デューラー
(ニュルンベルク、アルブレヒト・デューラーの家)

 もちろん、その前にmustな観光は済ませた。デューラーの家も見たし、日本人は滅多に行かない川沿いの「救済院跡」も歩いた。聖ローレンツ教会も、その前のマーケットも歩き、街はずれのカイザーブルクも見た。しかしそれがどういうところかは、ガイドブックに詳細に記されているから、それを読んでくれればそれでいい。
ほいすれ
(ニュルンベルク、ブラットブルストホイスレで)

 この日は、夕方から2軒ハシゴすることにした。1軒目は教会や城の近くの「ブラートブラスト・ホイスレ」。テラス席も悪くなさそうだったが、何しろ時おり雨のパラつくあいにくの天候である。夕方になって、気温も下がってきた。
 今井君は奥の洞窟みたいな暗いテーブル席に座って、焼きソーセージ6本でフランケンワイン1本をまずカラッポにした。近くの大テーブルは、15人ほどのドイツ人中高年グループが占領し、ゼミ形式or駿台講師室形式の心温まる宴会が始まった。おお、大いに楽しく、大いにおめでたい。
 2軒目を探して、駅近くの職人広場Handwerkerhofをブラブラするうちに、あたりはすっかり暗くなった。こちらはまだ時間が早いのか、閑散とした感じ。迷ったあげく選んだ店は、ブラットブルスト・グレクラインBratwurst Glöcklein。ほとんど誰もいない店内に緊張したけれども、幸い熟年ドイツ人カップルがすぐ後から入店してくれて、まあ、何とか助かった。
2軒目
(この日の2軒目、ブラットブルストグレクライン)

 ここでもまた焼きソーセージを注文したが、何を隠そう、クマ蔵はソーセージが苦手。福岡の方言で「油物を食べ過ぎると、ドッキリする」と言うらしいが、今井君はソーセージでドッキリする。胃がもたれ、ちょっと頭が重くなり、10本も食べれば「もうダメだ、降参だ」「ソーセージなんか、顔も見たくない」というテイタラクになる。
 これを防ぐ方法が、「パンに挟んで食べる」である。ドイツ独特の丸パンをナイフで輪切りにして、間にソーセージを挟んでモグモグやれば、あら不思議。「ソーセージにドッキリ」という、甚だニュルンベルク向きでない今井君のお腹の中に、いくらでもソーセージが入っていく。
 ソーセージとともに、もちろん大量の白ワインもまたクマの胃袋の犠牲になった。こういうふうで、雨模様のニュルンベルクの夜は、オペラ、絵画、哲学、ブンガク、そういう高尚な話題のカケラも片鱗もなしに、ひたすら深く更けていくばかりなのであった。
 さあ諸君。これでもう、ブルスト・マッヘンのことは忘れてしまったかね? いいから、さっさと忘れてしまいたまえ。

1E(Cd) Jochum:BACH/JOHANNES PASSION 2/2
2E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEINACHTSORATORIUM 2/2
3E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEINACHTSORATORIUM 2/2
4E(Cd) Sinitta:TOY BOY
5E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
total m15 y480 d6445
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