2011年05月31日(火)

Thu 110526 コブレンツ小旅行 気まぐれ/いい加減/思いつきを優先 ワインドルフ

テーマ:ブログ
 フランクフルト滞在第9日目は、コブレンツに日帰り旅行した。コブレンツは昨日のトリアー旅行で通過した町、ライン河とモーゼル河の合流地点である。
 冷静に客観的に眺めると、やっぱりどうしても奇妙な小旅行を繰り返しているように見える。もし手近にドイツ西部の地図があるようなら、地図を眺めながらこの4~5日のクマどんの行動を復習してみたまえ。同じようなところを行ったり来たり、この効率の悪さはいったい何なんだ。
 日本の旅行に例えて言えば、東京に滞在しながら、1日目は名古屋、2日目は京都、3日目は大阪、4日目は神戸、そういう日帰り旅行を繰り返しているのにほぼ等しい。どんなに「重いスーツケースを引きずって旅するのがイヤだ」といっても、やはり少しバカバカしい気がする。
 その場合、4日連続して富士山を車窓に眺めることになるが、今井君もほぼ連続して4日間ローレライを車窓に目撃。「あれがローレライですよ」と教えてくれるドイツ人以上に、すっかり「あれこそがローレライだ」「あれはニセ・ローレライにすぎない」と確信をもって言えるようになった。
コブレンツ駅1
(コブレンツ駅)

 しかし、これこそが「行き当たりバッタリ」の妙味である。今日のコブレンツは、昨日トリアーから帰る途中で「こりゃコブレンツは楽しそう。どうしても1日かけて歩いてみたい」と決意したのだし、一昨日のリューデスハイムも同様、前日の舟下りの船に乗船する前に「つぐみ横丁、歩き回って1日過ごすのも悪くないな」「スープ、ぽたぽたしなきゃな」と決めたのである。
 旅する前にガイドブックにたくさん付箋を挟み、「あそことここはmust」「回るべき場所は詳細に確定」というのが日本人の海外旅行の定番。旅行会社が決めたツアーのスケジュールなんかを見ると、暢気で怠け者のクマ蔵なんかはほとんど目が回りそうになる。
 気まぐれとか、行き当たりバッタリとか、旅先でのいい加減や思いつき、そういう不確定要素を一切排除してしまい、「やるべきこと&やらなければならないこと」の全てをキチンと消化しないと「僕はダメ人間」「私は何をやっても中途半端」と、天に両手を差しのべて嘆く。マジメというよりkuso-majimeなので、そういうふうだからカンタンに5月病にかかることになる。
 大学に行ったらこれとこれがmust。予備校に入ったら、あれとあれは絶対やらなきゃ。御社に入社できましたアカツキには、やりたい仕事はあれとこれと、こんな仕事にもチャレンジします。そうやって張り切りすぎて、思いつきやいい加減や気まぐれを排除すれば、人生は四角四面で窮屈で、疲労ばかりが蓄積する。
ドイチェスエック1
(コブレンツの要塞から見たモーゼルとラインの合流)

 英語の暗記例文集なんかに昔から定番の「どんな人か知るためには、その人と1週間旅行してみればいい」というのは、こういう意味で最高の至言なのである。旅先でやるべきこと&やりたいことをmustとしてスケジュールに詰め込んでしまい、身動きとれなくなってしまうようなヒトは、おそらく人生もそういうふうに窮屈なのだ。
 友人でもカレシでもカノジョでも、行き当たりバッタリの思いつきと気まぐれにしっかり余地を残しておくヒトのほうが、おそらく一緒にいて気が楽である。豪快というか、豪傑というか、懐が深いというか。ちょっとやそっと予定通りいかなくても、ガハガハ笑って済ませてしまう。
 「回り道も楽しいもんだ」などというカッコいいことではなくて、もともと予定通りになんかコトは運ばない、世の中はそんなふうに合理的に退屈に出来てはいない、面白いものや興味深いものは思わぬ軒下や物陰に隠れていて、出会ったソイツと付き合わなければ旅も世の中も面白くない、そういうことである。
 少なくとも今井君の考えはそうなので、マジメ過ぎるヒトが今井君と付き合うと、恐ろしく苛立つらしい。行くべき場所、見るべきもの、読むべき本、専攻すべき課題、人生で目指すべきもの、何でも全部先に決めてから、予定通りのレールを恐る恐る走らないと「フマジメだ」「振り回されて疲れる」「ブログが長過ぎる」。ま、人生観の違いですかね。
ドイチェスエック2
(手前がライン、上のほうから合流するのがモーゼル。突き出した角がドイッチェ・エック。よく見ると、2つの河の水の色が違う)

 そういうわけで、「今日はコブレンツ。丸1日かけて歩き回ろう」と決めはしたものの、ではコブレンツで何を見るかは、コブレンツ行きの列車に乗ってから決める。だって、天気がいいかどうかで見るべきものは違ってくるし、何か祭りか催しでもあれば、立てた計画も、計画を立てるのにかけた時間も、みんな無駄になってしまう。
 久しぶりに晴れていたから、まずドイッチェス・エックを散歩する。ラインとモーゼル河が合流する地点で「ドイツの角」の意味。ちょうどフリーマーケットというか、規模の大きな青空市みたいなものが開催中、散歩は「人ごみをかき分け&かき分け」の慌ただしいものになった。
 そのままライン河方向に歩いていったら、小さな船着き場があって、ライン河を向こう岸に渡る10人乗りぐらいの頼りない小舟がやってきた。片道1ユーロとちょっと。6年前、マルセイユの港を横断して往復する同じような舟に乗ったのを思い出しながら、何となく対岸に渡った。
渡し船
(ラインをわたる小舟の舟着き場)

 すると対岸にはリフト乗り場があって、そこから丘に登ると大きな要塞である。ガイドブックを開いてみると「エーレンブライトシュタイン要塞」。10世紀の建設、トリアー大司教が拡張、18世紀フランス軍により破壊、19世紀プロイセンにより補強/再建。ここもまた、ヨーロッパ史のテコの支点なのである。
 リフトは日本のロコスキー場にわずかに残っているタイプの「ロマンスリフト」。乗り場に70歳ぐらいのオジサンがいて、お客一人一人をいちいちチョコっとからかいながら、要塞の上に送ってくれる。要塞からの眺望は抜群。ラインとモーゼルが合流するドイッチェス・エックを眺めると、歴史のテコの支点に立った感動は大きい。
 要塞の下には人工の深い洞窟があって、ナチスドイツが敗戦間際に掘り進めたものという。古い湿気がこもり、ヒンヤリと冷気が走って、いかにも不気味である。さすがにここまで来ると、もう日本人も他のアジア人も見かけない。ガイドブックには1行どころか一言も触れられていないが、欧米人は団体で訪れ、ガイドの説明を聞いてキャーキャー騒いでいる。
洞窟くん1

洞窟くん2
(要塞下の洞窟)

 15時過ぎ、再び渡し船で元の岸に戻り、時間は大いに中途半端であるが、ビアガーデンでメシということにする。昨日までの曇天から久しぶりにキレイに雲がとれて、動き回ったらたくさん汗をかいた。汗をかけば喉が乾き、喉が渇けばビールが欲しい。この辺はマコトにダイレクトな関係なので、「ちょっと辛抱して」と考えて引っ込むぐらいなら、最初から旅行なんかしない。
 中途半端な時間にビアガーデンに入れば、もちろんヒョーロクダマになるのは覚悟の上である。入ったのは「ワインドルフ」。和訳すれば「ワイン村」。たいへん下世話なネーミングであって、「地球の歩き方」はこの店もまた無視&黙殺、「そんな下世話なお店は紹介出来ません」という態度である。
ワイン村1

ワイン村2
(コブレンツ「ワイン村」)

 しかし、ビールもワインも食べるものも旨いし、オバチャン従業員の応対も悪くない。今井君は大いに満足である。満足ついでに、やがて日が翳って薄ら寒くなるまで外のガーデン席で粘って、気持ちよく酔っぱらった。
 モーゼルワインの本場に行ったからといって、いちいち悶絶せんばかりに目を固く閉じて「ウーン」「んんんんんー」「あまーい」とウメかなければイカンとか、そういう難しい演技をしようとしなくていいのだ。そんなに緊張するから旅行がつまらなくなる。ハチやアブがブンブン飛び回るガーデン席で、オバチャン店員に呆れられ、周囲の客の頬笑みに包まれて過ごすのが、旅行先では一番楽しいのである。
コブレンツ駅2
(帰りのコブレンツ駅。5分遅れのミュンヘン行きICEでフランクフルトに帰る)


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