2011年05月27日(金)

Sun 110522 旨いスープを求めた顛末 激しくヌルい白ワイン ゴンドラと葡萄畑のこと

テーマ:ブログ
 さて、2年前の記憶に戻ろう。「曇ってくれよ」の願いは叶って(スミマセン、一昨日の続きです)、翌日は見事に肌寒い曇天の1日になった。「曇天に心を躍らせる」というのも、これまた見事に気難しい話であるが、まあいいじゃないか。リューデスハイムに到着すると、早速ライン河の風が冷たく吹きつけ、まさに細工は上々である。
 しかしさすがに「つぐみ横丁」に入ると、昨日からひたすら求めていた湯気の立つスープよりも、「やっぱりリューデスハイムだ。白ワイン、白ワイン」という流れになるのは、やむを得ないことである。横丁に入って100mも坂道を登っただろうか、横町の左側にヨサゲな店を発見して、まずはここに入ってみることにした。
 時刻は11時。ドイツ有数の観光地でもあるし、ワインを飲むのに早すぎることはないだろうと判断したのである。ところがその判断が間違い。朝11時からワイン屋に入ってワインを楽しむというような勤勉な行動を、ヨーロッパ人がするわけはないのだ。
 「午前中からワイン」をしないのは、「そんなのフシダラで自堕落だから」とか「ドイツ人は勤勉だから」ではない。7時に起きて、朝9時から観光地巡りをして、午前中に既にワインを嗜む、その日本人の勤勉さが、彼らには信じがたいのである。
「おお、日本人はマジメで努力家ですね。ヨーロッパ人の観光は、まあ8時までゆっくり寝て、9時から朝食を楽しんで、10時過ぎまでホテルの部屋でダラダラして、観光地に出かけるのは昼近くから。ましてワインに昼食なんて、午後1時でも早すぎますよ」
ということである。
人形くん
(リューデスハイムの土産物屋で 1)

 だから午前11時のワインは、まだチャンと冷えていない。ヒョーロクダマみたいに入ってきた勤勉な日本人客に、驚きのあまり顔を引きつらせたオバサン従業員が不機嫌そうに対応する。しかもこのヒョーロク・グマは、まだ午前11時だというのに、いきなり「ボトル1本」を注文する。おお、これほどヨーロッパの流儀に反したクマは滅多に出現しない。
 出されたワインの余りのヌルさに一驚を喫したクマどんは、文句を言うどころか、ボトル1本あっという間に飲み干してしまった。小6男子が給食の牛乳1本丸飲みするような、そういう勢い。中2男子がパン1個1口で飲み込むような勢いである。こうしてついつい今井君は「昨日のばあちゃんが抱え込んでいた旨そうなスープ」「パンを浸して、お行儀の悪いスープぽたぽた」への憧れを、あっという間に忘れてしまった。
つぐみちゃん1
(リューデスハイム、つぐみ横丁の「1軒目」付近)

 ということは、イコール「もう1軒、探すか」なのであるが、例え白ワインでも、ボトル1本カラッポにした食後の「もう1軒」というのは、さすがに行き過ぎである。酒量としては行き過ぎでないにしても、そこまで観光をないがしろにして飲み屋で丸1日費やしてしまえば、観光の神様に叱られる。
 ここはいったんシラフに戻るためにも、温かいスープか観光か、どちらかを選択したほうがよい。迷いに迷ったあげく今井君が選択したのは、観光。スープだって悪くないが、これ以上お腹をいっぱいにしたのでは、シラフにはなっても「もう1軒」への欲望が薄れてしまう。つぐみ横丁の坂道を上がって、ゴンドラでリューデスハイムの丘の上に登ることにした。
つぐみちゃん2
(曇天のつぐみ横丁、2軒目付近)

 リュデーデスハイムの町の背後の丘は、一面のブドウ畑になっている。ゴンドラはそのブドウ畑を眼下に見下ろしながら、一気に丘の頂上まで上がる。日本のスキー場にあるのと同じゴンドラで、冷たい河風に吹かれながら美しいブドウ畑を眺めるのは悪くない。
 ゴンドラに乗るのは久しぶりである。20歳代から15年ほどは、日本全体が正気を失ったようなスキーブーム。年に1度は1週間ばかりニセコに出かけ、ゴンドラを目一杯利用してスキーを楽しんだ。短足グマにスキーは似合わないようにも思うが、何しろ北国出身だ。スキーさえはけば、クマどんはケッコ♡カッコいいのである。
 コドモのころは、ゴンドラはおろか、フード付きリフトもない。短距離のシングルリフトが主流で、2人乗りのリフトが珍しかった時代。山形蔵王にはロープウェイがあって、一気に頂上近くまで行けるのが嬉しかった。
 ゴンドラが普及して便利になったのは、クマ蔵がオトナになってから。そしてそのゴンドラが普及した頃、スキーブームが終わってしまった。最後にスキーをしたのは5年も6年も前のことだが、その時はゴンドラのない小規模スキー場だった。おお、ドイツのライン河畔で久しぶりにゴンドラに乗って、落ち着きのないクマどんはそんなことを思い出していた。
葡萄畑
(リューデスハイムの葡萄畑)

 ブドウ畑を間近に見るのも久しぶり。父方の実家が山形県だから、コドモの頃はブドウ畑をよく見かけた。山形県人は勤勉で、山のテッペンまで見事な果樹園に作り替えてしまうのだ。
 サクランボに桃に葡萄に梨、山形県の果物は何でも旨いし、生産量もみんなトップクラス。コドモの頃、列車で秋田県から山形県に入った途端に、山の斜面に綺麗な葡萄畑が続くのを車窓から眺めて驚いたものである。
 山形新幹線に乗って、米沢から山形、山形から新庄まで北上してみたまえ。水田の向こうの里山に、よく整備された果樹園がどこまでも広がっているのを見て、豊かな思いに浸れること請け合いである。
 この日のリューデスハイムでも、ゴンドラの上から見下ろす葡萄畑の光景は格別。さっきのヌルい白ワインも、オバサン従業員たちの仏頂面も、これで帳消しにしていい。
 丘の上から見下ろす5月のライン河の風景もまた格別。山や城や教会の塔が、その足許から振り仰いで感動するものであるのと同じように、河や湖はその只中に舟で漕ぎだすより、丘の上から見晴かしてこそ、美しさを堪能できるものなのである。
丘の上から
(丘の上からライン河を望む)

 ゴンドラで町に降りて、木彫りの人形の店に入ったり、土産物屋を物色したり、まあいろんなことをして、1軒目の酔いはようやく醒めた。15時、いよいよ今日の本番、「もう1軒」を物色する。しかし、うまくいかない時はつくづくうまくいかないものだ。15時といえば、スペインやポルトガルなら別であるが、ちょうどランチの客が引いて飲食店が静まり返る谷間の時間帯。選んだ店はガラガラで、広々とした中庭のテーブルに、他の客は寂しげな中年男女1組だけである。
つぐみちゃん3
(曇天のつぐみ横丁、2軒目付近)

 その閑散とした状況をモノともせずに、電子オルガンの生演奏だけが延々と続けられる。やがて「中年男女1組」が去ってしまうと、ますます力の籠った演奏は、クマ蔵にだけ向けられることになる。客観的に見て、明らかに、どうしても、それ以外には考えられない恥ずかしい事態になった。
 横丁をぶらつく観光客たちが、閑散とした中庭をのぞき込んでは、迫力の生演奏にすくむ東洋グマをみて苦笑いしている。うにゃ。それで、ワインは? これがまた、激しく生温い。それで、料理は? これがまた、甚だしくメトメトであり、大量であり、「これを残さず平らげろ」と小食日本人に命じるのは、拷問とさえ言っていい量である。
メトメト
(2軒目、大量のドイツ料理)

 以上、さすが乱暴なクマ蔵も、ほうほうの態で店を出て、ほうほうの態でフランクフルトに逃げ帰った次第。「湯気の立ちのぼる旨いスープを楽しむために、肌寒い河風の吹く雨模様の1日を」などと、馬鹿げた希望をてるてる坊主に託したバチが当たった残念な1日であった。

1E(Cd) Münchinger:BACH/MUSICAL OFFERING
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