2011年05月19日(木)

Sat 110514 イオカードとMDのこと 児玉清、死去 ドイツ滞在3日目はハイデルベルグ

テーマ:昭和の人々の記憶
 6年前の2月8日、代ゼミ最後の日の朝、どういうわけか今井君は講師室でテレフォンカードを1枚拾った。残り度数は0だったので、落とし物ではなくて、捨ててあったのだろうと思う。入って左の一番奥、「親身の指導」の貼り紙の真下にある今井君のデスクの足許であった。
 東京タワーに満月のデザイン。今井君は、病気になりかけるほど獅子奮迅の働きをした代ゼミ8年の思い出に、残り度数0のテレフォンカードを今も大切に残してある。
 6年前、すでに講師も生徒もみんなケータイに乗り換えた頃で、今さらテレフォンカードなんか使っているヒトは、講師にも生徒にもほとんど存在しなかっただろうが、それでもまだ講師室にはテレフォンカード専用の公衆電話が1台設置されていた。懐かしい話だが、昔の代ゼミ講師はこの公衆電話を使って、いろんな私用電話に励んだのである。
 テレフォンカードが消えた頃、他にもどんどん消えていくものがあった。ポケベルはさすがにもうとっくに消えていたとして、オレンジカード、イオカード、MD、MDウォークマン、MDウォークマンにMDを入れるカサ&パカッという軽い金属音。
 他に、予備校の「満員締め切り」の掲示、夏期講習申し込みの長い行列、前日から寝袋を持って並ばなければならないほどの人気講座。1990年代には余りにも当たり前だったものが、すでにレトロを通り越して、滅多なことではお目にかからなくなってしまっている。
はいでるべるく1河
(ドイツ滞在3日目はハイデルベルクへ。写真はネッカー河)

 児玉清、死去。このごろは「アタック25」を見ることもなかったが、クマ蔵にとって児玉清は「アタック25」のヒトであるよりも、「アコガレの読書家」なのであった。学習院大学文学部でドイツ文学を専攻し、ドイツ語の原書を月に4冊も読み上げる。もちろん同時並行でいくらでも本を読んで、蔵書が1万冊を超える。しかもその蔵書のほとんどを読破している。
 「若者が本を読まない国に未来はない」と、例のダンディな声で優しくおっしゃる。ところが、本どころかブログだって、たったA4版2枚で「長過ぎて読む気がしない」と、軟弱な反応が返ってくる時代。うにゃにゃ。この程度の長さで弱音吐いてどうすんの?
 もっとも今井君だって、このごろディケンズ相手に大苦戦していて、「何でこんなに仮定法ばっかりなの?」「仮定法だらけで文庫本4冊の超長編小説書いてどうすんの?」と嘆いているところ。「日本の高校英文法で仮定法が大きな比重を占めるのは、ディケンズ・ファンのヒトが教科書を作成したからなんじゃないか?」と思うほどである。
 確かに、ディケンズやブロンテを読んでいると、高校英文法の例文でよく出てくる表現が次々と出てくるので、クマ蔵みたいな予備校講師はそのたびに「生徒にどう解説したらいいか」、それが気になって、落ち着いて読むことができない。
はいでるべるく2河
(ハイデルベルグ、ネッカー河。曇りがち、時おり雨が降った)

 ヨーロッパは、レトロなものを残すのが大好きなので、鉄道でもバスでも、旅行していると「おや、こんな古くさいものが!!」と感動することが多い。電車のキップの刻印機もその例である。キップを買ったら、ホームにある刻印機で日付と時間を刻印する。フランスではコンポステと言い、ドイツではエントベアテンと言う。
 キップを買うのも、やっと自動販売機が増えてきたが、イタリアの田舎なんかはいまだにタバッケリア(タバッキ)である。「ビリエッティ(=キップ)はどこで買うんですか?」と尋ねると、「何だ、そんなことも知らないのか。タバッケリアに決まってるじゃないか」と妙な顔をされる。「タバコ屋」。おお、その「タバコ屋」という存在自体が、エラく古くさいでござるね。
 そのヨーロッパでも、タバッケリア、刻印機、そういうものが少しずつ消滅しつつある。ロンドンはSuicaやIcocaと同じタイプの「オイスターカード」が普及して、ほぼ日本並み。ニューヨークはカードを滑らせるちょっと古くさいタイプだが、まあ日本のイオカード並み。スペインの鉄道は、新幹線網から何から意外なほど先進的で、これまた日本並みである。
りすぼん
(ポルトガル、リスボンの「VIVA VIAGEM」カード)

 驚くのはポルトガルのリスボン。「VIVA VIAGEM」という紙のカード1枚で、バスにもトラムにも地下鉄にも乗れて、あらま、チャージもできる。財政破綻とかいろいろあって、日本人のポルトガル・イメージはサンザン。「このままでは日本は東洋のポルトガルになってしまう」という言い方は、ポルトガルに対して失礼なんじゃんないかね。
 ドイツは、都市によってさまざま。ミュンヘンは今もなお刻印機。みんな平然と刻印機に向かい、「こんなの当たり前」という顔でentwertenすることになっている(このことについては、後日詳述する)。一方フランクフルトでは、刻印機は廃止。若いヒトに「刻印機はどこですか?」と尋ねても、「は? それ何ですか?」と聞き返されたりする。
 日本で売られているドイツのガイドブックには「チケットには必ず刻印機で刻印すること。刻印がないと不正乗車と見なされ、高額の罰金をとられます」の注意書きがあり、「ボクも罰金とられました。ご用心」みたいな体験記も添えられているが、ミュンヘンはそうでも、フランクフルトとは違うのである。
はいでるべるく3スフィ
(ハイデルベルグ、ネッカー河のスフィンクス。ただのネコかもしれない)

 フランクフルト滞在3日目のクマ蔵どんは、フランクフルトからICで1時間弱、ハイデルベルクに向かった。ICもまた、刻印機やイオカードやMDと同様、光を失ったかつての花形のうちの1つである。1990年代にはヨーロッパ鉄道交通の花形だったが、ドイツはICE、フランスはTGV、スペインはAVE、イタリアはES、そういう新幹線網が整備され、在来線を機関車に引かれて走る国際特急は、その権威も威厳もすっかり薄められてしまった。
 オーストリアなんかRJ、うーむ、レールジェットであるよ。ま、そういうニュータイプの新星たちの中で、「ワシはまだまだ現役じゃ」と踏ん張っているおじいちゃんのユーモラスな姿は、いかにもクマ蔵の好みなのである。

1E(Cd) Kirk Whalum:CACHÉ
2E(Cd) David Sanborn:TIME AGAIN
3E(Cd) David Sanborn:LOVE SONGS
4E(Cd) David Sanborn:HIDEAWAY
5E(Cd) Jaco Pastorios:WORD OF MOUTH
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