2011年05月16日(月)

Thu 110512 ドイツのテーブルの並べ方 アプフェルヴァイとシュパーゲルを退治する

テーマ:ブログ
 さて、5月のフランクフルト、汗ばむほど暑い快晴のレーマー広場に紛れ込んだ、日本のクマさんを捜しにいこう。レーマーとはRömerであって、「ローマの広場」。「ドイツ語なんか知らん」というヒトのために解説しておけば、Oの上に怪しいテンテンがついたのは「Oウムラウト」であって、「Oの口でEと発音する」だったか「Eの口でOと発音する」だったか、たいへん面倒な母音である。
 Römer-briefなら「ローマ人の手紙」。Römische Reichなら「ローマ帝国」。Reichは「帝国」だから、öster-reichは「東の帝国」、つまりオーストリアである。フランクフルト自体、もともと「フランク人の砦」なので、カエサルやアウグストゥスの時代からのライン河防衛線の最前線。今回の旅行は、古代ゲルマン人vsローマ帝国の戦いの後を右往左往しようという企画なのだった。
 その長い長い歴史を考えれば、広場の西に立つキリスト教大聖堂が改修中で中に入れないことなんか、別にどうだっていい。教会見物は今回は最小限に抑えることにして、そんなことよりアップルワインとビールが優先だ。かっか。酔っぱらう言い訳には、東洋のクマは全く事欠かない。
レーマー広場2
(フランクフルトで最初に入った店)

 ドイツの飲み屋は、長い大きなテーブルに、みんながズラズラと居流れて座る形式が多い。フランスとかイタリアとかスペインとか、ロマンス語を話す国々の飲み屋は、日本のファミレスの4人掛けテーブルがほとんどであって、日本の電車の4人がけボックスのイメージが基本である。
 しかしドイツでは、長いテーブルの左に10人以上、右に10人以上。「敵対する両国が、ようやく和平交渉のテーブルにつきました」みたいな並び方をする。今井君は思うのだが、これは駿台の講師室とソックリ。代ゼミや河合塾の講師室ではロマンス語圏的4人テーブルが主流なのに、駿台は長いテーブルでの和平交渉会議スタイルが一般的なのだ。
 この形式だと、控えめなドイツ人も積極的に話しかけてくる。いきなり日本のクマさんに「英語にしますか? ドイツ語にしますか?」と聞いてくることだってある。ドイツ人は、実はきわめて積極的なのである。
 イメージとしては「底抜けに陽気なイタリア人」「人なつっこいスペイン人」に対して「控えめで人嫌いなドイツ人」のはずだが、一般人が話しかけてくる頻度はドイツ人の方が高い。
 イタリアやスペインで「底抜けに陽気で人なつこい」のは、実は飲食店のウェイターや旅行業界のヒトたち。普通の一般人は、4人掛けのテーブルのだんらんの中に、見知らぬ外国人を引き込むことには、非常に消極的であるように思われる。
 フランクフルト第2日の今井君は、レーマー広場の西側の一角に4軒並んだ飲み屋のうち、右から向かって2軒目の店に座って、大張り切りで早速アップルワインを注文した。5月のドイツでは、どこの店でも名物シュパーゲルを自慢げに「オススメ」として黒板に大書している。新アスパラガスである。
 アップルワインは、ドイツ語の発音では「アプフェルヴァイ」。ドイツ語の発音というより、ガイドブックには「フランクフルト方言で」とある。まあどうでもいいので、近づいてきたオジサンのウェイターに「アプフェルヴァイ・500ml」と「シュパーゲル」を注文。ハチがたくさんブンブンうなっている5月の風の中で、旨くも何ともないアプフェルヴァイとシュパーゲルに最初からネを上げることになった。
アスパラガス1"
(ニュルンベルグの市場に並ぶドイツのシュパーゲル。白いタケノコみたいなヤツである)

 特に困ったのはシュパーゲルである。一口に新アスパラガスとは言っても、ドイツのアスパラガスは、我々が日本の優しい料理店で食べ慣れている、あんなヤワなアスパラガスとはモノが違うのだ。
 タテに入ったスジの固さは、育ちすぎたタケノコのまさに育ちすぎた部分のスジを「そのまま空輸してきたのか?」という類いのシロモノ。そのスジの周囲に、アスパラガスの白い果肉が「私はスジから離れないように父母からも祖父母からも厳しく言いつけられているんでね」と主張するように、ガンコにからみついている。
 そのガンコなシロモノを、ドイツのオジサンたちの冷たい視線の中で退治しなければならない。道具は、切れ味の恐ろしく悪いナイフとフォーク。シュパーゲルには白いソースがかかっていて、これが言語道断に酸味が強い。
 もちろん、普通の人間にはこの酸味は適度なのだろうが、酢のニオイを極度に嫌う5月の日本グマにとっては、「凶悪」という形容詞さえ大袈裟に思えないほどの酸味であり、凶悪な酢の香りが立ちこめる。
アスパラガス2
(ニュルンベルグの市場で。白いシュパーゲルの自己主張はここでも続く)

 気がつくと、長いテーブルの向こう側で、60歳過ぎと思われるドイツ・オジサンが呆れ顔で日本のクマを眺めている。駿台お茶の水本部校で今井君を眺めて呆れていた、奥井師や坂間師や長岡亮介師を思い出すような、今にも噴き出しそうな呆れ顔である。
 考えてみれば、アプフェルヴァイもシュパーゲルも「ドイツの伝統料理」。日本で言えば、ドブロクとサンマの塩焼きみたいなものである。
 諸君、想像してみたまえ。フランクフルトのレーマー広場で、アプフェルヴァイとシュパーゲルに目を白黒させている日本のクマどん。これを逆さまにして考えれば、東京都庁前のカフェでドブロクとサンマの塩焼きを前に、お箸をもって四苦八苦しているドイツ人とほぼ同じ光景なのだ。
 これでは確かに、ドイツ人のオジサンが驚いたのは当然だったのである。「ドイツ人でも、最近はアプフェルヴァイは飲みませんよ」、彼はボソリとそう言って立ち去った。
くまさん
(レーマー広場に立つクマさん)

 ぷん。ぷん。ぷん&ぷん。腹を立てた今井君は、さらに500mlのでかいアプフェルヴァイを2杯飲み干し、スジだらけのシュパーゲルはまあ上手にゴマカして、午後のマイン河の景色を見に行くことにした。
 コドモの頃、まだ可愛いコグマだったクマ蔵は「ネギの味噌汁」「サトイモの味噌汁」「ナスの味噌汁」が死ぬほど苦手。何とか食卓の両親をゴマカして、ネギとサトイモとナスを食べたフリを続け、「宏くんは、いい子だね」という親戚一同のコンセンサスを獲得したのである。テクニックもオトナになってますます巧妙、老練きわまりない。
 見たか、日本グマのテクニック。ドイツの人々は、すっかり日本のクマにダマされて「おお、アイツはシュパーゲルを平らげた。見上げた日本人魂だ」と尊敬の目で今井君を見送ったのである。
 午後から夕方の今井君は、マイン河の向こう岸「ザクセン・ハウゼン」をうろついた。ドイツ語ならSachsenhausen。むかしザクセン人の居住地があったから、という極めてカンタンなネーミングだが、アプフェルヴァイで有名な地域である。
 目指したのは、その中でも特に有名なツム・グラウエンボック。しかし残念ながら、この日は日曜日。ほとんど店モ閉まっていて、とても東洋のクマが入り込めるような雰囲気ではないのだった。
ぐらうえんぼっく
(ザクセンハウゼンの名店、ツム・グラウウエンボック。お休みでございやした)


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