2010年09月01日(水)

Mon 100802 スポーツ欄が感動的すぎる トウモロコシはそんなに甘くなくていい

テーマ:ブログ
 もっとも、朝日新聞のスポーツ欄は(スミマセン、昨日の続きです)、書き方にクセがありすぎて今井君はキライである。人はスキズキだし、タデ食う虫でさえスキズキであるから、おそらく西村欣也編集局委員の影響と思われるそのドラマティックな文体について、一般に読者の評判は悪くないようである。それもいいことだし、逆に今井君が「キライだ」と断言するのも、また許されていい。
 どの記事でも同じだが、その冒頭1行目に、いきなり試合のクライマックスが描かれる。
「マウンド上の内海は、悔しさに唇を噛みしめていた」
「城島はスコアボードを見上げていた。風は強くライトからレフトに流れていた」
「サードベース上の脇谷は、うつむきながら考えていた」
の類いで始まるのだ。しかし、一般全国紙のスポーツ欄に目を通す人間は、いちいちそんなマンガかスポコン系ドキュメンタリーみたいなドラマティックな書き方を求めてはいない。もっと素直に端的に試合経過と結果を知りたいのだ。スポコン系が読みたければ、スポーツ紙を買えば済むことである。
 そしてほぼ定型的に、記事の最後にはその選手を年齢で呼び、妙な余韻を伴ったセリフで記事をカッコよくマトメてみせる。
「吹っ切れた27歳は、真っ直ぐ前を見つめる」
「伸び盛りの23歳を、監督が大きな目に涙を浮かべて迎えた」
「まだまだあきらめない38歳の目は、スタンドでハシャぐ息子に向けられていた」
「『今度こそ皆さんに感動を与えたい』。おそれを知らない17歳は、笑顔で言い切った」
ただみ1"
(8月30日、只見線の旅。会津川口駅で)

 うーん。今井君からみると、どうも「余計なことをしてくれた感」が大きい。日経新聞のスポーツ欄ほど素っ気なくはしなくていいが、全国高級一般紙として、もう少し落ち着いて控えめに書いてほしい。一般紙なのにスポーツ紙のような書き方をすれば、それは「余計なこと」である。
 例えば、せっかく旨い納豆が手に入って「よおし、今日は白いゴハンが旨いぞ」と思っていたところに、チャーハンが出てくる。それは余計なことである。旨い明太子や旨い焼きタラコや旨い塩鮭があって、待ちこがれているのはどうしても白いゴハンである。そこに炊き込みゴハンだの、「栄養価が高いから」麦メシだの、そういうのは余計なお世話である。
 夏の甲子園で母校なり地元チームが久しぶりに勝利した翌日、我々が待ちこがれているのはやっぱり白いゴハンのような「ごく当たり前の記事」であって、何だかダジャレみたいな妙なタイトルをつけた感動的な記事ではない。一人の選手に焦点を当てすぎたり、監督や母親と選手の苦難の歩みを振り返ったり、そういうことはスポーツ紙か社会面の仕事である。
ただみ2
(只見線、小出を出てすぐの田園)

 白いゴハンと納豆と生玉子と海苔を前に、いつもの難しそうな朝刊を広げる夏休みのお父さんには、黙って試合の経過と結果を詳細に伝える記事が相応しい。だからこそ、ふと新聞をヒザに置いたお父さんが、「おい、今朝はビールを出してくれ。きのう甲子園でお父さんの母校がサヨナラ勝ちしたんだ」と呟くのである。
 その情景は、子供たちにとってさえ、何だか嬉しくてならない。ちょっとコワいけど、新聞を呼んでお父さんが喜んでいる。ビールぐらいいいじゃないか。お母さん、日本酒も出してあげたらいいじゃないか。子供たちが「新聞って、いいな」と感じるのは、そういう朝である。昔の男の子なら誰だって、新聞が好きになるのはスポーツ面からで、それも地元の高校の勝利を伝える夏の甲子園の記事からだったのである。
 最近は、NHKでさえ「余計なことをしてくれた感」が高い。甲子園の中継は今でもまだ白いゴハン的な素っ気なさが残っていて大好きだが、それでも40年前の幼児期にみた鈴木文弥アナの決勝戦中継ほどの、素っ気ない白いゴハンにはもう出会えない。納豆にチャーハン、塩鮭に炊き込みゴハン、その類いの感動とか感激とか友情とかが混ざり込みすぎるのだ。
会津川口
(会津川口駅。夏休みの帰省といえば、必ずこんな駅だった)

 それがグルメ系の番組になるともう救いようがなくて、昨日風呂上がりに見ていた朝の番組(今井君は朝風呂に入る習慣なのだ)では「トウモロコシが生で食べられて、しかもメロンより甘い」ということについて、NHKの男子レポーターが絶叫しながら感動の実況中継中。甘くて、生のまま食べられる。おお、確かにそれは素晴らしいイノベーションで、クマどんとしても拍手喝采である。
 しかし今井君は、トウモロコシを生で食べるのはそれ自体イヤだし、トウモロコシの甘味はむしろ適度に抑えてほしい。トウモロコシは、トウモロコシの味がするから好きなのであって、メロン以上に甘いからといって絶叫するのは、ツクツクボウシが悲しげに歌っている夏休みの最後の日には相応しくない。
歓迎
(トウモロコシを焼いてくれるおばあちゃんが待っていそうな駅。只見線会津宮下で)

 トウモロコシは、おばあちゃんが焼いてくれるから旨いのだし、醤油の焦げる匂いが家中に漂うから旨いのだ。醤油の焦げる匂いに、いつもはコワいお父さんが笑顔でお茶の間に出てくるから旨いのだし、トウモロコシをゆでる匂いに「おっ、トウモロコシか」または「おっ、トウキビか」とお父さんが書斎から誘い出されてくるから旨いのだ。
 「ボクは、茹でたのより、焼いたのがいいな」「おお、おとうさんもだ」という父と子の会話を聞いて、茹でたお母さんがムクれるのを見ながら、みんなでトウモロコシを無言で食べる。そういう夜、夏の子供は大きく成長するのである。
 「メロンより甘い!!」「生で食べられる」という一種異様なトウモロコシを絶叫しながら食べる子供を、ウワバミどんは好きになれない。そんなのは、おばあちゃんの麦茶とセミとりが何より好きな夏の元気な子供たちの、風上にも置けない気がするからである。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBELIUS/SYMPHONIES 1/4
2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBELIUS/SYMPHONIES 2/4
3E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBELIUS/SYMPHONIES 3/4
4E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBELIUS/SYMPHONIES 4/4
5E(Cd) Four Play:BETWEEN THE SHEETS
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