2010年05月17日(月)

Fri 100430 ベルベデーレ宮殿のクリスマス市 「クリムトの接吻」と乾いた焼きグリ

テーマ:ブログ
 12月16日のもう1つの予定が「ベルベデーレ宮殿のクリスマス市」である。シュテファン寺院からベルベデーレまでは、歩いて20分ほど、市電に乗っても15分ほど。大して違わないから、市電に乗ってのんびり向かうことにした。
 普通、「大して違わない」からの結論として導き出されるのは「のんびり歩いて向かう」なはずだが、そこいらへんが「旅行を楽しめるかどうか」の分かれ目なのである。大して違わないからこそ路面電車に乗り、ガオガオ唸りながら走る古ぼけた電車の中で、涙を流しながら眠りこけるおばあちゃんや、何の思い出し笑いやらニヤニヤ面白そうにニヤけている白髭のおじいちゃんを見て、こちらもホッコリした気分になる。歩いても市電でも「大して違わない」なら、短い海外旅行で特に楽しむべきはそういう10分間である。
 ベルベデーレに向かう市電D線がなかなか見つからなくて苦労した話は、すでに4ヶ月前に詳しく書いた。5年前にも同じ街の同じ道で迷った話、そこで出会った「アルチンボルドおばあちゃん」の話、彼女の涙が最初から最後まで止まらなかった話、このおばあちゃんや足の悪いおじいちゃんに助けられてやっと市電D線に乗った話、詳しくはSun 091227参照である。そうやってたくさんの苦労や経験を経た割に、市電に乗ったら停留所はたった2つ、5分もかからずにベルベデーレに到着した。
セセッション
(レタスの親玉かと思うと、これもまた美術館「セセッション」である)

 ベルベデーレ宮殿は美術館になっていて、中には「クリムトの接吻」がある。あまりに有名すぎて説明は無用であるが、旬をすぎた女優さんとか、少し地味めの女性タレントに、「この絵が大好きだ」と称するヒトは多い。ちょっと上級者向けの女性月刊誌、女性向け旅行雑誌(要するにCREA)、テレビの旅番組(要するに「旅サラダ」)などでウィーンへの旅を特集したりすると、「クリムトの接吻」はまず確実に主要テーマの1つになる。
 「クリムトの接吻に魅せられて」とか「クリムトの接吻に恋して」とか、そういう相当恥ずかしいサブタイトルがついて、「あらま、まだ活動してたんだ!!」という女優かタレントが主役。「5年前に出会ったクリムトの接吻に魅せられて、今回は一人でクリムトに会いにきました」「密会のような気持ちです」、まあそんな感じの「ちょいアブナイ系」のノリである。
 もちろん、だからと言って今井どんが「クリムトの接吻に恋して」いたりすれば、それはなかなかオドロオドロしい世界になってしまうので、正直言って今井君はあまりクリムトが好きではない。それどころか、なんとウワバミどんはクリムトも美術館も両方とも無視して、一気にクリスマス市のホットワイン屋に直行することにした。まずはホットワインで凍てついた心身を温め、その勢いで屋根にぶら下がったツララを融かし、もしどうしても美術館に入るというなら、それはその後のことである。
ベルベ1
(ベルベデーレ宮殿前の閑散としたクリスマス市 1)

 同じ美術館でも、オペラ座の近くの「アルベルティーナ」なら、アルブレヒト・デューラーの「うさぎ」があって、クマどんの食欲がそそられないこともない。しかし「クリムトの接吻」では、金沢の金箔が口の中でペラペラとかパサパサとかして、歯の間に挟まりそう。野獣の食欲をそそらないこと甚だしいのである。
 激しく降りしきる雪の中、ベルベデーレ宮殿前のクリスマス市を訪れた客は7~8名しかいない。7~8名の客に対して、市に立った店の数は30軒ほど。1軒に対して0.23人、1人に対して4.5軒、この恐るべき供給過剰の実態を見れば、とても「クリムトの接吻」なんかに「恋」だの「魅せられた」だの、そんな寝ぼけたことを言ってはいられない。
 そういう下らないことを頭の中でツベコベ言っているうちに、閑散としたクリスマス市の荒んだ気分が、ホットワインの酔いとともに全身にますます染み込んでしまった。ついでだからホットワインをもう1杯、もっとついでに焼きグリも買った。焼きグリ屋は、おそらく夫婦である。30歳代中頃という感じ。奥さんのほうが「うちのダンナはインターナショナルだ」と苦笑しながらいい、実際ダンナは何カ国語も操るようで、片言ながら日本語も達者。お勘定は日本語でやってのけた。
ベルベ2
(ベルベデーレ宮殿前の閑散としたクリスマス市 2)

 ただし、この類いの愛想の良さは、多くの場合において品質の悪さに直結し、またはそれを暗示する。買った焼きグリは、案の定「焼きすぎ」。「焼きすぎ」になった理由をもっとキチンといえば、あまりの客の少なさにもう何日もクリが売れず、1度焼いたクリを何日も何日も鉄板の上で焼き続け、クリたちも「ヤメてクリ」「もう焼かないでクリ」と嘆いているのに、それでもインターナショナルなダンナは「そんなワガママはヤメてクリ」とばかり、今日もまた鉄板を火にかけてまた焼いた。その結果がこれである。
 これではまるで「およげ!! 焼きグリ君」である。「むあいにち、むあいにち、ボクらは鉄板ぬおー、上で焼かれて、イヤんぬあっちゃうゆおー」である。しかし、それでもクマどんはクリを捨てたりしない。「クリ捨てる」などという暴挙は、昔なら籐の椅子に座ったシルビア、1年前なら横向きに座った滝川、そういう女性たちに任せておくしかないのであって、秋元優里とか(漢字が違っていたらスミマセン)では取り返しがつかないのである。あきらめて、カラカラに乾いた焼きグリを噛みしめつつ、クリついでにクリムトにも別れを告げて、閑散とした凍てつくベルベデーレを去ることにした。

1E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 2/5
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