2010年05月14日(金)

Thu 100429 寺院の石段が右回りであるということ 「右回りを左回りに」という無理

テーマ:ブログ
 昨日の記事では、ウィーンのシュテファン寺院の鐘楼に登るために、狭い石の螺旋階段を右回りに登りはじめたところまで書いたが、問題はなぜ右回りに上りはじめたのかということである。単に登るだけなら別に左回りだってよさそうなものであって、「右回り」とあえて断り書きをするとすれば、何かワケがありそうだ。20年ほど昔、「モーニング」連載のマンガで「右曲がりのダンディー」というのがあったけれども、「右曲がり」と「右回り」では同列に論じることはできない。
 そのワケとは、もちろん「石段が右回りだったから」である。右回りの石段を左回りに登っていくなどという離れ業は、不器用なカニ蔵くんに出来ることではない。高校3年生のとき、「人生で1度だけ」と考えてそういう離れ業に挑んだことがある。それが「医学部志望」「理系クラス選択」である。
 「あの今井が、医学部志望で理系選択だってよ」というウワサは、「桐島、部活ヤメるってよ」を上回るショッキングな事件として、友人たちの間ばかりでなく、職員室の中でさえ(いくら打ち間違えたといっても「しゅくいんしつ」で「祝陰湿」と変換されることに驚きをおぼえつつ)、驚きというよりむしろ爆笑をもって迎えられたのである。激しく拍手するヤツまでいたような記憶がある。
 結果としては、あまりの数学の出来なさ加減に自分で愛想を尽かした今井どんが、たちまちのうちに文系に志望を変えて、あっという間に「これにて一件落着」になった。高2の冬に「医系」を選んでから、高3の春に「文転」するまでわずか3ヶ月ほど、驚異の志望転換は更なる爆笑を呼んだものだが、あれ以来今井カニ蔵くんは「右回りの石段は、素直に右回りに」という人生訓を大切に生きている。
シュテファンからの風景1
(シュテファン寺院鐘楼からのウィーン風景 1)

 ただし、もう1度だけ「右回りを左回りに」という無理をやったのかもしれなくて、それが大学生活の最後にした就職活動と電通への就職である。今井君の就職活動はたった1ヶ月。電通を最初に訪問したのが卒業5ヶ月前の10月1日、内定が出たのが10月10日だから、実質的に10日間である。普通なら半年も1年もかけてじっくり会社を選び、会社からもじっくり選んでもらって決めるべき一生の大事を、たった10日で決めてしまったのだから、やっぱりそれも「右回りの石段を左回りに」の無理と同じようなことである。
 格言の世界では「無理が通れば道理がひっこむ」ということになっているが、今井君が長い人生で学んできたところでは、道理というものは強烈頑固オヤジと同じようなもので、そんなにカンタンに引っ込んではくれない。それどころか、一見「引っ込んだ」ように見せておいて、実は全然引っ込んでなんかおらず、こっちが安心して気を抜いていると、物陰からいきなり不意打ちしてきたりする。
 以上のような滋味滋養あふれる人生経験を基礎に、シュテファン寺院の石段が右回りなら、ごく素直にそれに従って右回りに登るのを、今井カニ蔵くんは座右の銘としている。「右のものは右に、左のものは左に」。おお、素晴らしい座右の銘である。
シュテファンからの風景2
(シュテファン寺院鐘楼からのウィーン風景 2)

 ヨーロッパの寺院なら、大寺院は言うに及ばず、クレモナとかラヴェンナとかフェラーラみたいな中規模の寺院でも必ず高い鐘塔があり、高い鐘楼があれば登りたくなるのが人間というものである。セビリアの「ヒラルダの塔」は馬でもスレ違えるほど広い石段だから、たいへん楽である。ミラノのドゥオモならエレベーターつきで、8ユーロだったか10ユーロだったか、とにかくオカネさえ出せば誰でも楽ができる。ギリシャ危機のおかげでユーロ安&円高だから、「こんなことで、えーんだか?」とか、世の中の全女子高生に憐れまれるようなオヤジギャグをコッソリ呟いてみながら、それでもやっぱりラクが出来る。
 しかし、ほとんどの石段は言語道断に狭いのである。幅1mに満たない三角の石段が、息のつまりそうな暗く冷たい空間をどこまでもどこまでも続いていく。途中で降りてくるヒトに出会えば、スレ違うことも容易ではない。「降りてくるヒト」が1人や2人ならスレ違うのもカンタンであるが、「降りてくる集団」となると、やり過ごすのが困難である。
 特に問題なのが「修学旅行」「遠足」集団であって、引率の教師さえサジを投げた超ワンパクのヨーロッパ男子&ヨーロッパ女子が50人近く、「チーノ!?」「チーノ!!」と長い石段全体に響くような鋭い声で囁きあいながら通り過ぎるのを、怒りを通り越したあきらめの苦笑でゴマかしながら、じっと待つしかない。チーノとは中国人であるが、彼らヨーロッパのコドモたちには、中国人と日本人の区別なんかつくはずがないのである。
右回りの石段
(右回りの石段)

 鐘楼の石段が必ず右回りなのには意味があって、「攻撃された場合の防御に都合がいい」というのが右回りの理由である。石段が右回りであれば、降りていく人間(防衛側)の右側に常に広いスペースがあって、右利きの人間なら、抜き放った剣を自由自在に振り回すことができる。左側には常に石段の柱で守られているから、わざわざ盾をもって身を守る必要がない。逆に、上がっていく人間のほうは、右手に剣を持ったのでは柱がジャマになって振り回せないから、剣を左手に持って攻撃することになる。
 この状態なら、攻撃側は圧倒的に不利、防衛側が圧倒的に有利。左利きの人間を大量に揃えなければ、この鐘楼の攻撃はほとんど不可能である。最近の高校野球のように、ピッチャーもみんな左利き、打線も1番から7番までズラリと並んだ左バッター、松井もイチローも金本も小笠原も王貞治もみんな左きき、私のカレも左利き(約35年前の歴史をひもとけば「麻丘めぐみ」という人物に遭遇するはずです)、そういう軍団を編成して攻撃するしか、この石段を攻略する手段はなかったのである。

1E(Cd) Muti & Berlin:VERDI/FOUR SACRED PIECES
2E(Cd) Gergiev & Kirov:RACHMANINOV/SYMPHONY No.2
3E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
4E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 2/2
total m166 y628 d4727
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