2010年01月26日(火)

Mon 100104 「隣りの店」で右往左往したおかげで、グリーフェンバイスルに舞い戻る

テーマ:ブログ
 さて、こうして、幸いにも、また偶然にも、目指していた有名店グリーフェンバイスルに舞い戻ることができた(おお、何と「一昨日の続き」です)。「隣りの店」が最悪だったからこその幸運である。お隣の店に、まさに感謝感謝、感謝大明神、感謝カミサマほとけさま、である。こういう寄り道をして、時計はすでに21時近く、さっきまで混雑していた店内にも少しばかり空きができて、そこにうまく潜り込むことができたのであった。
 直前に来店していた30歳代のロシア人カップルとともに狭い階段を上がって、店の一角、テーブルが3つ並んだ部屋に通される。この店はこういう小部屋の集合体で成立しているらしく、階段のあちこちから同じような小部屋に通じる廊下が伸びていた。テーブルの1つにはすでにドイツ人カップルが着席してフォークを動かしている。カニ蔵くんは、ロシア人カップルの隣り。ウェイターの対応は非常にテキパキしていて、「はい、すぐ帰ります」という今井くんの得意ワザが出る余地はない。

(グリーフェンバイスル、店内。写真右端は、隣りの小部屋。楽しそうなパーティーが最高潮だった)

 ただ、今井くんのテーブルの激しい傾斜はなかなか興味をそそる。ついさっきまで、隣りのレストランで70°と110°の平行四辺形のテーブルを前にして困惑していたのだが、今度のテーブルは今井くんから見て右から左に大きく傾いているのである。その角度、約15°程度。これがスキーやスノボのゲレンデだというなら、15°の傾斜で驚くようなことはない。そんなのは初心者コースであって、幼稚園に行く前から父親にスキーで鍛えられた今井くんなら、後ろ向きにだって滑走できる。普通のスキー場の上級者コースなら30°ぐらい、山形蔵王の「横倉の壁」なんか、40°とか45°とか、そういう数字が平気で出てきた上に縦長のコブがビッシリはりついて、初級者や中級者を寄せつけない凶悪な壁になって立ちふさがるのである。
 しかし、いま今井くんの前にあるのはゲレンデではなくてテーブルである。さすがにコブはないけれども、ここで飯を食べ、酒を飲まなければならないとしたら、これはなかなの上級者コースと言える。さっそく白ワインを1本「シャルドネください」とカッコよく注文してみたが、最初から「これは気をつけなくちゃ」と気合いが入るぐらい、グラスがキレイに傾斜してしまっている。

(グリーフェンバイスル。店を出る頃には、路駐のクルマに薄く雪が積もっていた)

 高校3年の時、何を血迷ったか一瞬「医学部に行きたいな」「医師になったらカッコいいな」と思いつき、おそらく悪魔の声にそそのかされて医系コースだったか理系コースだったかを選択して、1年間地獄の苦しみを味わった。数学Ⅲの微分と積分に四苦八苦し、というより手も脚も出ず、鼻の病気で記憶力が極端に低下して積分の公式さえマトモに覚えられない。5月半ばにはもう文系に戻り、文学部志望に変わった。そうなると化学と物理の定期テストが恐ろしくて恐ろしくてたまらず、いまだに1年に2度も3度もその悪夢にうなされる。

(ウィーン裏通りの「クライネス・カフェ」。「小さなカフェ」というネーミングのセンスはどうあれ、なかなかよさそうなカフェだった)

 だから、物理とか力学とか、そういうものには憧れと嫌悪とをほぼ同じだけ抱えているのだが、誠に残念なことに、ウィーンのあのレストランでは「物理や力学をマジメに勉強しなかった」ことを大いに後悔する羽目になった。
「15°の傾斜に置かれたワイングラスに白ワインを注ぐとする。白ワインを何cc注げば、ワイングラスは転倒するか、求めよ。なお、ワイングラスの形状は図の通りである」
こういう問題が出題されたら、いや出題されなくても、マジメな理系の学生はレストランのテーブルで瞬時に計算できるはずである。19歳のとき運転免許をとりにいった理系の友人が、
 「ハンドルの切り角は、微分で瞬時に求められる。文系のお前じゃ無理だろうが、優秀な理系人間は、ハンドルを切る瞬間、その微分の数式が鮮やかに目の前に展開するのだ」
とヌカしていた。そんな、ナイトライダーかマイノリティ・レポートみたいなことになるはずはないと思いつつ、大いに悔しかったものである。

(暖かそうなクライネス・カフェ)

 カニ蔵どんは、この世で1・2を競う超文系男であって、しかも根性なしで、受験勉強の物理でさえ途中で投げ出した軟弱小僧の成れの果てである。このテーブルの傾きで、そこに垂直に置かれたグラスの中に、液体をどこまで注いでいいか、全く見当がつかない。1杯目、まずは無事に通過。2杯目、これも無事に通過。そのあたりでちょっと手もとが曖昧になって、「手もとが曖昧になったな、気をつけなきゃな」と自分に言い聞かせたちょうどその時、注文した料理がきた。
 ウサギの肉をスペアリブ風に焼いた一皿だったが、「おお、おお、キレイに盛りつけたな」、そう思って気を抜いた瞬間、白ワインをタップリ注いだグラスは、まことに美しい弧を描いて、「倒れる」ということの本質を文系軟弱男に見せつけながら、思い知らせながら、ウサギの肉の皿の中にゆっくりと、本当にゆっくりと、その頭を突っ込んでいったのである。

1E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 1/4
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