2008年09月06日(土)

Thu 080904 ゲリラ豪雨&洪水 春日部女子高のディベート ヴェネツィア紀行10(ブラーノ

テーマ:アーカイブ
 午後1時から5時まで、東進・吉祥寺1号館で授業収録。早稲田大学の「過去問演習講座」収録は先週ですべて終了したから、今週からは「B組2008年版」の収録に戻って、今週と来週とで「冬期講習」5回分と「直前講習」5回分とを一気に収録してしまう予定である。まだ外は気温30℃、湿度が非常に高く、その蒸し暑さは、北国に生まれ北国に育ち、まだキチンと秋田弁だった恐ろしいナマハゲに追われながら成長したツキノワグマのような私には、ほとんど殺人的である。シェー、ダス。ホエホエ。

(写真上:上陸してからみたブラーノ島の塔。この胸のすくような傾き方は、どうだ。)

 しかも、この暑さの中で「冬期」の収録では、なかなか気分が出ない。というより、なんとなくシュールであって、冬の講座のはずなのに「ゲリラ豪雨」についての話を挿入してしまった。確かに今日も東京はゲリラ豪雨に襲われたのであり、カーッと夏の太陽が照っていたかと思うと、昼前には一天ニワカにかき曇り、豪雨。慌てて洗濯物を取り入れると、豪雨は15分でストップして、出かける頃は再び夏の太陽と茹で上がるような蒸し暑さ。ところが吉祥寺に到着すると、激しい雷鳴と豪雨。慌てて1号館に駆け込むと、雨は跡形もなし。これで授業中にゲリラ豪雨の話が出なかったら、聖人君子だろう。
 なお、その話とは、10年以上前の埼玉県春日部市でのことである。詳しくは「B組2008年版・冬期講習」を受講してほしい。というか、そんなバカ話を聞くために冬期講習にお金を払うようなことではいけないのかもしれないから、アラスジだけ記しておこう。ゲリラ豪雨で街中が洪水になったその朝(当時の埼玉県東部、昔は荒川本流が流れていた草加・越谷・春日部は洪水の名所で、1年に2度や3度の洪水は珍しくなかったのだ)、駿台・お茶の水で授業があったので、ワイシャツ・ネクタイ・ジャケットを身につけた私は、ふとズボンや靴をはいても意味がないことに気づく。どうせ洪水でズボンも靴も使い物にならなくなることが目に見えているからである。そこで私はワイシャツ・ネクタイ・ジャケットはそのままに、短パンとビーチサンダルをはき、片手にはアタッシュケース、もう片手にはズボンと靴と靴下を入れたビニール袋をぶら下げて洪水の街の中に歩き出したのであるが、その明らかに変態男の格好で駅前に着くと、駅前では洪水は収まっており、そこへ洪水の中から上陸していった私が、いかにゴジラのように威風堂々たるものであったか、その話である。
 この程度のバカバカしい話が、どれほど腹を抱えて笑える話になり、どれほど受験生の利益になる逸話になるか、その辺は私の話術の妙も含め、やはり是非とも「B組2008年版」の受講をオススメしたい。なんだ、結局オススメするのであるが、とにかく相変わらず絶好調なので、オススメできないような講座は一つも存在しない。こんな話をしながらも、2008年センター試験第6問や筑波大の長文問題を毎回1問キチンと解説し終わり、補充問題だってどんどん解説を進めているのだ。しかも、おお、何と分かりやすいのだろうか。こりゃ、まさに別世界である。さすが超人気カリスマうにゃうにゃベテラン講師である。がっほ、うにゃうにゃ、がっほ、がほい。

(写真上:ブラーノ島。この胸のすくような洗濯物の干し方は、どうだ)

 ついでだが、春日部の話になるなら、全国英語ディベートコンクールで2年連続優勝した春日部女子高校のことを紹介しておきたい。この高校は、何の変哲もないごく普通の県立高校である。いや、もしなにか「変哲」があるとすれば、この20~30年間の地盤沈下に「変哲」があった。20年30年前は、埼玉県東部では押しも押されもせぬ名門女子高校で、この地域の優秀な女子はほとんどが、躊躇なしにこの高校を第1志望にしたのである。中学校で1番とか2番とかで、男子を踏みつぶしながら成長してきた超優秀生は浦和一女高に進学したとしても、それ以外はみんな春日部女子高校へ。だから、かつては川越女子高や熊谷女子高とならぶ埼玉県の女子の名門として、地域の女子の憧れの的だったと言っていいだろう。
 地盤沈下が始まったのは20年ほど前。「女子校不人気」で、かつてのトップ校は一気に凋落していった。正直言ってその凋落ぶりは、端で見ていて悲しくなるほどであった。もともと浦和明の星女子高校に抜かれただけでも、過去を知る者にとっては衝撃だったが、やがて越谷北・越ケ谷・春日部東・春日部共栄・淑徳与野などと比較しても、人気の面で次々と勝てなくなり、中学生は「なんでカスジョ(春日部のカスと女子のジョを足し算)なんかに行くの?ダサクナイ?」と語り合い、卒業生は頭をかかえ「恥ずかしくて、もうカスジョ卒とは言えない」と叫んでいた。
 それが、完全復活とは言わなくても、復活の兆しが見えた。この英語ディベートコンクール優勝は、昨年もそうだったのだが、慶応藤沢(SFC)高校などを途中で破ってのことだけに、私は嬉しさに跳び上がりそうだった。慶応SFCとは、一昨日のブログの中で大学入試問題を写真で示したSFCの付属高校である。英語に関して特殊に恵まれた環境を作り、もともとある程度恵まれた環境で成長してきた(帰国子女が非常に多い)子供たちが、高校に入ってもネイティヴの友人に囲まれ、ネイティヴの教師に鍛えられて、英語をほとんど母国語以上に操れる子供たちなのだ。そういう対戦相手を、ほぼ純粋ジャパニーズの諸君が、ディベートで撃破する。おお。このごろ涙もろくなって、ちょっとしたことでも涙が止まらない傾向にある私としては(渋谷でハチ公を見ただけで、あるいは「火垂るの墓」アニメ版を見ただけで、あるいは「マリリンに逢いたい」「いつでも会える」「初恋のきた道」「ごんきつね」を見たり読んだりしただけで涙が止まらない。だから「最後の早慶戦」は絶対に見てはならない私としては)、思わずコブシを天に向かって突き上げ、号泣したり絶叫したりしたい気分だった。というか、告白すると、した。
 日本の真面目な高校生を、バカにするんじゃない。バカにしてはいけない。(と書きながら、もう涙が止まらないのであるが)埼玉県であろうと、地盤沈下とかいろいろ悪口を言われようと、こうしてしっかりキチンと努力を積み上げていけば、恵まれた環境で特別な教育を受けている人たちに、決してヒケをとることはないのだ。これからアメリカ・ワシントンに出かけて「世界ディベートコンクール」で世界中の高校生を相手に英語で戦ってくる春日部女子高校の生徒諸君の健闘を心からお祈りするとともに、日本中の「ごく普通の高校」で勉強している高校生諸君、特に「地盤沈下」とか悪口を言われている高校の生徒諸君も、これにどんどん続いてほしいと切望する。

 4月23日午後15時頃、ブラーノ島に到着。情報の通り、島は非常に地味で静かであり、土産物屋もそこに集まっている観光客も「本当にここはヴェネツィアなのか」と聞き直したくなるほどである。ずらりと並んだ民家はみなピンクやパープルやオリーブ色の明るいパステルカラーで、日本の女の子などが見たら「かわいい」「かわいい」「かわいくない?」の連発でうるさそうだが、幸い周囲に日本人の女の子は皆無であって、聞こえてくる音は洗濯物が午後の風にパタリパタリとはためく音と、岸壁にトロリトロリと柔らかく打ちつける波の音ばかりである。船の上から見ても異常に傾いていた塔は、上陸して島の上に立ってみても、やはり異常に傾いたままである。

 民家がみな「かわいい」パステルカラーなのは、この島が濃霧で有名で、朝まだ薄暗いうちに帰宅する漁師のダンナが、濃霧のせいで帰る(場合によっては、わざと間違えて帰る)家を間違わないようにするためだそうである。岸壁に小さな波が打ち寄せるのも、このラグーンの真ん中では強風が吹くからではなくて、ラグーンを船がたくさん走り回るせいにすぎない。洗濯物はどこの民家でも遠慮なく広げていて、夢のように大きなシーツやシャツが町中にいくらでもカーテンのように翻っている。おお、それにしても、塔は傾いている。

 この状態で「眠くなるな」というほうが無理である。土産物屋だって、客が入るから仕方がなく相手をするだけであって、白いレース飾りだって別に売りたくて並べているわけではない。飲食店もそれなりに並んでいるが、出来ればのんびり昼寝していたいのであって、無理して客に入ってもらってお金を稼ぎたいのではない。そういう時には観光客も頑張っていろいろ活動してはいけないのであり、店の人にうるさく質問したり、値切ったり、何が名物でオススメ料理は何かを尋ねたり、そういうのは相手に対して失礼になるだけでなく、自分自身もブラーノ島のいちばん楽しい静けさを、楽しみきれずに終わってしまうことになりかねない。だから、この塔も居眠りしているのである。確かに片目を閉じている。実際に見てみなければ、この居眠りの危うさは分からないが、明らかに大事件の直前、大声を出して救助に駆けつけなければ、このまま崩壊する居眠りであることは間違いない。
 こういう島は、思わず居眠りしそうになりながら、その居眠りをこらえるか、こらえきれないか、その微妙な境目で「おっと、何とか無事だった」という感じでゆっくり歩き回るのがいいのだ。本当は、強い日差しの中を賢そうに首を振りながら歩いている柴犬と出会ったりすれば最高なのだが、ここはヴェネツィアであって瀬戸内海の島ではないから、「柴犬」を要求するのはぜいたくすぎるかもしれない。それなら、低い屋根の上で肉球をなめながら、よそ者の観光客を迷惑そうに見下ろしている、ちょっと汚れたシマ柄のオスネコでもいいのだが、ネコの機嫌がよくなかったのか、いくらでも島に住んでいそうなネコはこぞってどこか家の中で昼寝の最中のようであった。
 カナダからきたという55歳ぐらいのオバさんに遭遇。オバさんはこの傾いた塔を首を傾げて見上げながら、誰とでもいいからこの塔について語り合いたい様子。ダンナは飽きっぽいらしくて近くの土産物屋で、レース細工を張った扇子をいくつかいじくり回している。「塔と一緒に写真を撮ってほしい」というから応じたところ「塔と一緒に写真を撮ってあげよう」といわれてそれにも応じた。いかにも嬉しそうであり、いかにも楽しそうである。

 私としては、ボローニャの斜塔についても、ピサの斜塔についても、いろいろ思うところはある(ぜひ080809参照)。ここはヴェネツィアの鄙びた離れ島であるから、この塔がここまで異様に傾いているのはおそらく地盤沈下のせいであって、ボローニャやピサとは全く事情は違うのだろうが、それでもまるでウィンクでもしているかのようなこの島の塔の眠たげな表情が、オバさん同様大いに気に入った。
 しかも、ここまで危なくなっても、それでも壊してしまわないイタリア人の考え方も、やはり大好きなのである。それが「古いものは大切に」などという話なら、エコエコエコエコ言っている今の世界中にはありふれていて、イタリアに限ったことでない。人に見せたら笑われる、外国人に見せたら呆れられる、そういう滑稽なものまで含めて全体が自分である。だから取り繕いたくないし、情けないものを作ってしまった自分を見て、もし嫌いになるならむしろ嫌いになってもらいたい。情けない部分まで好きになってくれるのでなければ、好きになってもらいたくない。そういうことである。それと正反対の国も、我々のすぐそばにある。みっともない部分だけ破壊し、見せたくない部分は塀で覆い、外国からの客の目から隠して、「国家の威信」を見せつける。そういうスポーツの祭典を見せられたあとで、もう1度ピサ・ボローニャ・ブラーノ島の写真を眺めると、そういうイタリアがますます好きになってしまうのは、仕方がないことだろう。


1E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK, JANÁĈEK, and Brahms
2E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE
3E(Cd) Akiko Suwanai:SIBERIUS & WALTON/VIOLIN CONCERTOS
4E(Cd) Cecilia Bartoli:THE VIVALDI ALBUM
5E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 1/3
6E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 2/3
7E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 3/3
8E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DAS RHEINGOLD 1/2
9E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DAS RHEINGOLD 2/2
12D(DvMv) CASANOVA
total m45 y1132 d1132
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