2008年08月19日(火)

Sun 080817 佐賀・武雄講演会 特急かもめ・ハウステンボス・みどり号 ボローニャ発

テーマ:アーカイブ
 佐賀県の武雄温泉という人口4万人ほどの小さな街で講演会。講演会は7月中旬の福岡・神戸・京都・滋賀・姫路・千葉の6連発以来ほぼ1ヶ月ぶりである。「全国どこでも飛んでいく」姿勢はかわらないから、夜8時過ぎれば通あるクルマの数も減るこういう小規模な街の講演会もまた大いに楽しみである。
 博多から、JR九州の特急で1時間強。長崎行「かもめ」号、ハウステンボス行「ハウステンボス」号、佐世保行「みどり」号の3本のB特急を、つなぎ放題メッタヤタラに1本につないで走らせる超節約&超エコタイプの優等生的運転である。真夏のゲリラ豪雨の中、豪雨にも流されず、暴風雨にめげず、雷雨にも突風にも諦めることなく、長崎方面に向かい九州を西にひた走る。予備校生にもこのひたむきさを見習ってほしいものだが、彼らがこうまでひたむきであることはなかなか期待できない。雨が降れば「行きたくねえ」、雷が鳴れば「チョー、ムカつく」、風が吹けばはるか彼方に吹き飛ばされて、とにかく授業というものを拒絶し、反発し、スキあらば撤退しようとする。
 彼らだけではない。人たるもの、全てが「かもめ・ハウステンボス・みどり」号の生き方を見習うべきである。これだけつながれて、こんな豪雨にさらされても、文句一つ言わないで耐え、職務と任務を全うするのだ。特に尊敬すべきは「ハウステンボス行きのハウステンボス号」。ここまで何の工夫も感じられない冷淡なネーミングは、まさに予備校そのもの。「東大を目指す人の東大クラス」「早慶を目標にする早慶コース」などという名前を聞くと、ベテラン超人気予備校講師(ウニャニャ)の私などは「おお、実際に東大に行ける人はほとんどいないクラスだな」「おお、早稲田慶応に合格できるのはこのうち3割程度か」と直観するのであるが、この「ハウステンボス行ハウステンボス」だって、皆が皆、のんきに優雅にハウステンボスに遊びに行くわけではなくて、肥前山口・武雄・有田・伊万里、派手な遊びやレクリエーションにばかり夢中になっているわけではない、佐賀県のそういう地味な街で降りていく人が大半なのである。
 ついでに言えば「かもめ・ハウステンボス・みどり」の大合併ぶりも大いに示唆的である。予備校のテキストにも通じるし、メガバンクにも通じる。どこの予備校にもある「早慶上智英語」「東大京大クラス」「明治法政中央コース」は、まさにこの状態。早稲田の英語と慶応の英語と上智の英語は、その傾向も出題の仕方も大きく違っていて、とても1冊のテキストにまとめられるようなものではない。東大を目指す人と京大を目指す人をまとめて1クラスにしてしまう姿勢は、両校の校風の大きな違いを考えればほとんど馬鹿げていると言ってもいい。各科目の出題傾向だってあまりに違いすぎて、どうやってヒトカタマリで教育を進めるつもりなのか見当もつかない。しかしそういうテキストでもクラスでもコースでも、受験生としては我慢してひたすら前進するしかないのである。
 三菱東京UFJ銀行だの三井住友銀行だのというのも、かつての預金者がその銀行の行風を見極めて、好きな行風の銀行に口座を開いていたことを考えれば、その合併の仕方には預金者を無視した銀行側のエゴ、強いて言えば銀行文化を度外視したエゴしか見えない。25年まえに太陽神戸銀行の経営方針を信頼して口座を開き、コツコツ預金を大きくしていった真面目な預金者にとって、三井や住友の名前の中に太陽神戸の名前が埋没してしまったことには大きな違和感がある。バブルの時代に東京圏や関西圏で地上げの嵐を引き起こした財閥系の銀行の行風は、私は好きではない。それが「かもめ・ハウステンボス・みどり」みたいにズラズラつながって、一緒に走り始める。嫌いな銀行がいつの間にか一緒につながって走り始めても、預金者としては我慢する以外にないのである。
 東進に移籍して以来、東進の生徒の熱心さには常に驚嘆させられる。雨が降っても嵐が来てもほぼ例外なしに100%の生徒が出席する。これが東進の素晴らしい所。担任の指導が行き届いているし、何よりも生徒諸君一人一人のモチベーションが他の予備校と違うのである。私のような「ベテラン超人気カリスマ講師」(ウニャニャ)ばかりだということもあるだろうが、多くの生徒が既に何度も他の予備校や塾での挫折を重ねていて「こんどこそ挫折できない」「こんどこそ最後までやり遂げよう」と決意していることも大きい。だから、確かに今日も博多を出て二日市を過ぎる頃から一天俄かにかき曇り、怪しい生暖かい風とともに(もちろん車内は空調が入っていたが)、激しいゲリラ豪雨が襲ってきたけれども、相手が東進生なら「受講者は集まってくれるだろうか」という心配はほぼ皆無である。

 午後6時から武雄市文化会館で講演会。東進・武雄校を中心に出席者150名ほど。この街の規模を考えれば、この出席者数は素晴らしいと言える。あまり講演会を実施した経験が多くない校舎ではあったが、それでもさまざまな企画を立て、お盆の真っ最中という悪条件の中、熱心にたくさんの受講生を確保してくれた武雄校スタッフの皆さんに大いに感謝したい。1時間ほどの食事会に出席した後、最終の「かもめ・ハウステンボス・みどり」で博多の宿泊先「ホテル日航福岡」に帰る。福岡も午前中の豪雨のせいで駅前にも大きな水たまりが残っていた。

 4月21日、5泊したボローニャのHotel Europa(イタリア語だから、発音はエウローパ)をチェックアウトする日である。考えてみればボローニャ滞在中はヴェローナ・フェラーラ・ラヴェンナ・パルマ・シエナ・フィレンツェと小旅行ばかり繰り返していて、ボローニャ市内が少し手薄になったかもしれない。もちろん一昨日のサンルーカ参拝でポルティコだけは満喫した(というより4時間近く同じ色同じ材質のポルティコの下を歩いて正直飽き飽きしたのだ)けれども、最後にもう一度市内を歩いてボローニャの街の空気を確かめてくるのもいいだろう。

 そういう時には、早朝ウォーキングが一番である。朝6時には部屋を出て、人影も疎らなポルティコの街を一気に通り抜け、まずトッリ・ペンデンティへ。少し小雨が落ちてくる中、兄弟のように仲良く、兄弟のように仲の悪いアジネッリとガリゼンタの2人は、こうもまたお互いに完全にアンバランスに傾いて、お互いの傾き方をあしざまに罵りあっている。夜が明けたばかりの小雨の下でみると、1000年近く罵りあいを続けたこの兄弟の仲の良さがつらいほどよく分かる。

 私は30歳を過ぎるまで前歯の歯並びが悪くて、そのことで強いコンプレックスがあった。しかし、コンプレックスをもつことと、愛着をもつことは両立するのだ。予備校講師になり「全国同時生中継」の授業を毎週8コマ担当し、CSとはいえテレビにもたくさん出演するようになり、30歳代の後半になってコンプレックスの元だった前歯の歯並びはすべて綺麗に改めたけれど(それが視聴する人にとっての礼儀かと考えたのだ)、後になってから醜かった前歯の歯並びに本当に強い愛着を感じ、かけがえのない自分の歴史、小学校高学年から感じ続けた強いコンプレックスを含めた自分の成長の歴史の一部分を、すべて削り取ってしまったかのように感じたものだった。

 一昨日この兄弟を初めて見た時にも感じたことだが、イタリア人というのはコンプレックスまで含めた自らの歴史に、強い愛着を持つのでないのか。彼らが傾いた塔を破壊せず、壊れかけた建築物を懸命に保存するのは、「ものを大切にする」という道徳や倫理やエコ精神とは全く別物の考え方から来ているように感じる。コンプレックスに対する愛着、明らかな失敗や間違いまで含めた自分自身に対する愛着、街や地域や国の醜いものや欠陥や大失策まで包括してニヤニヤ笑いながら深く大きく愛するという愛し方、何かそういう極めて強靭な精神のあり方の現れではないか。

 最後に、一昨日入れなかったDuomoに入る。一昨日入場できなかったのはリュックを持っていたからだから、今日の早朝ウォーキングには何も持たずに出た。これほど朝早いというのに、一昨日と同じ人物が相変わらずリュックをチェックしている。この生真面目さは驚くべきである。とにかく「リュックだけはダメ」「リュック以外なら何でもOK」。そのいかにもお役所的なリュック検査もまた、これでボローニャも最終日だと思えば十分に楽しく滑稽である。12時、ホテルエウローパをチェックアウト。最後まで酸っぱい匂いに満たされたホテルだった。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 1/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 3/9
4E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 4/9
5E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 5/9
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