2008年07月22日(火)

Mon 080721 東進夏期合宿1日目 ローマ空港で

テーマ:河口湖夏合宿
 東進の夏合宿が今日から始まる。代ゼミから東進に移籍して4年目になるが、最初の年からこの合宿には参加していて、だからこれが4回目の夏期合宿である。生徒たちも全く同じだと思うが、合宿の初日でいつでも必ず泣きたくなるのである。

 生徒は「なぜこんなものに申し込みをしてしまったのか」という後悔でいっぱいになって出かけるのだし、出来るなら今からでも申し込みを取り消したいぐらいだろう。講師も同じこと。出来れば急病にかかって、病院に入院してヌクヌクしていたいと思ったりもする。

 しかし、毎年そうなのだが、そういうのは初日だけである。初日が過ぎれば、むしろ合宿にのめりこみ、生徒も非常に楽しそうに無我夢中で勉強を始めるし、最終日にはこのままここに残って勉強を続けたいと言い出す生徒も少なくない。
 
 講師も全く同じであって、2日目3日目と次第に盛り上がり、最終日は生徒が徹夜で勉強するのに付き合って、教室で一緒に徹夜したりする。去年も一昨年も、河口湖の旅館で朝まで付き合って、明け方の富士に向かって雄たけびをあげたりした。

 だから恒例ということもあって、今年も最初は「イヤイヤながら」という風情で出かける。電車だと大月での乗り換えが面倒だから、新宿西口から高速バスで河口湖まで一気に行くことにした。9時新宿バスターミナル。夏休みが始まり、3連休中ということもあって、バスターミナルは大混雑である。

 河口湖・山中湖・西湖、昔から大学生の夏合宿のメッカである場所に向かうバスの発着地だが、ターミナルを占拠しているのは中高年グループと大学生グループの2大派閥である。中間というものが見当たらない。家族連れやサラリーマンは全く見当たらない。確かに、家族で利用するには雰囲気がハードすぎるかもしれない。

 飲食店街が近いせいで、ターミナルにも夏の生ゴミの臭いが流れ込んでくる。ターミナルビル自体もおそらく昭和の中ごろに建てられたものであって、トイレも待合室も売店も、寅さんと学生運動と農村からの出稼ぎと、演歌と怨み節とムード歌謡と、そういう雰囲気が染み付いている。

 「楽しい旅行の予感」というソフトな空気はおよそ感じられないのだ。河口湖行きのバスも、満席。これ以上狭苦しい場所を思いつくのは困難である。アリタリアのエコノミーだって、
「飛行機に乗っている」
「これから外国で楽しく過ごす」
「ボク、エリートかも」
という楽しい気分にすがることが出来て、それを拠り所に狭苦しさからきもちだけでも解放されるのだが、河口湖行きのバスにそれを求めることはもともと無理なのだ。暗い旅、暗い予感、重苦しい後悔、つらい運命。私がどこまでも落ち込んでいくのも、不思議ではなかった。

 新宿発9時40分、河口湖11時半。途中の車内で、旅館や遊園地やレストランの案内が延々と放送されるのには呆れるほどだったが、まあ無事に河口湖に到着。タクシーに乗り換えて12時前に「ホテル美富士園」着。これからしばらくの間、この旅館で過ごすことになる。

 目の前は河口湖、晴れていればその向こうに富士山が大きく見えてくるのだが、今日は雲がかかって、その姿を見ることはできない。合宿初日はいつもそうなのだ。それが最終日の朝にはクッキリと姿を現す。その頃には、私も生徒たちもこの合宿から帰りたくないほどに気持ちが盛り上がっている。

 初日は授業が2つ。授業時間以外も、生徒たちは音読・個別学習・確認テストなど食事と睡眠と入浴以外の全ての時間を英語の勉強で費やすことになっている。「美富士園」だけで400名、その他の宿舎を合わせると7月21日から25日の第1期だけで1000名。しかもこれが繰り返し行われるのである。

 昔の軟弱な私なら、生徒としても講師としてもとても参加できないようなハードな合宿がスタートした。400名+東進スタッフ50名が一気に食事する会場も凄まじい。

 私はいつもハードな生活を心がけているので、昨年のボローニャ旅行もハードなスタートになった。ローマ周辺で激しい雷雨があって、そのせいでローマからの乗り継ぎの飛行機が大幅に遅れるというのである。

 もともとの予定からしてボローニャに着くのは真夜中だったのだが、この調子ではボローニャ到着は日付がかわった後、夜中というより「夜半」とか「明け方」とか、より切迫した雰囲気の時間帯になるかもしれない。

 ローマからナポリに乗り継ぐゲートと、ローマからボローニャに乗り継ぐゲートが隣り合っていて、いつまでも搭乗が始まらないせいでゲート付近の混雑度と緊張感がどんどん高まっていく。

 ミラノ・マルペンサ空港とローマ・フィウミチーノ空港とを比較すると、ミラノは落ち着いていて現代的であるが、ローマのほうは「まさにイメージ通り」「想像上のイタリアそのもの」といった混沌と混乱を感じる。

 インドから着いたばかりの人々が「観光ヴィザか就労ヴィザか」の問題でパスポートコントロールに大量に足止めされ、そのあおりでパスポートコントロールを抜けるのに1時間もかかったのも、ローマ。全く同じ状況でスーツケースがなくなりそうになったのも、ローマ。

 バーリからの飛行機が何かの理由で着陸できず上空で旋回を続けたせいで、カターニャ行乗り継ぎ便のゲートまで疾走させられたのも、ローマ。いつでも長い行列に並ばされ、しかし人々の行列は容易に崩れておだんご状に丸まり、混乱がどんどんひどくなっていくのも、ローマ。

 汗、溜め息、雑踏、駆け足、早口の呼び出し放送、叫び声、哄笑、あきらめ、そういう切迫した雰囲気が横溢しているのがローマの空港なのである。

 では、だから「ローマ空港が嫌い」かというと、そういう訳でもないのが厄介なところ。この喧騒の中にいると、「おお、またイタリアにやってきたのだ」という実感があり、その実感の中にはミラノの空港では感じられない親しみと充実感がある。さあ、着いた。周囲に気をつけろ、油断するな、と言いながらリュックを前向きにして胸に抱きかかえる緊張感は、むしろ楽しいものである。

 ゲート近くのベンチには、日本人の中高年集団が陣取っている。みんな大人しく座って、穏やかに微笑んでいる。胸には素直にワッペンをつけていて、小さなワッペンには「憧れの南イタリア周遊」と印刷されている。

 話を聞いてみると、この人たちはナポリ・ポンペイ・カプリ・アマルフィ・アルベロベッロを回るらしい。大人しく穏やかで素直で静かな集団は、このローマの空港の中でさえ、すでに明らかに異質である。

 喧騒と混乱にあふれかえった南イタリアの街々を、バスに乗って7日で一気に回るというのだ。そりゃたいへんだろう。彼らが激しい混沌のなかを無事に通り抜けて、何事もなく一週間後にここに戻ってくることを、祈らずにはいられなかった。

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