2009年09月15日(火)

Mon 090907 ブルックリン・ブリッジの夜景 キタノ「白梅」 (ニューヨーク滞在記21)

テーマ:アーカイブ
 夜にブルックリン・ブリッジを渡るのは(すみません、昨日の続きです)、ニューヨークを出る前々日ぐらいがいいと思う。夜の場合、出発点になるブルックリンのハイ・ストリート駅が余りに暗くて不気味かもしれないが、ちょっと酒でも飲んで勢いをつけていけば、不気味なのはむしろ自分のほうだと気づく。2007年12月25日、まず「WOLFGANG」のウンザリするほどデカいステーキを食べ、赤ワインを1本飲み、ついでに白ワインも1本空けて、たっぷりと気合いを入れた。
 WOLFGANGは有名店であるが、そのヤメてほしいほどデカいステーキは、「数日間発酵させて、チーズのようなコッテリした味わいをきわめた」というシロモノ。日本人にとっては(少なくとも今井君としては)「何だか臭いねえ。おかしいな、発酵してるみたいだ」という困ったヤツだが、それもそのはず、やっぱりチャンと発酵していたのである。

      (ブルックリン・ブリッジの夜景1)

 さらに困ったのが「ほんの付けあわせ」のつもりで注文した「オニオンリング」。メニューでも、どう見ても「付けあわせ」的な扱いだったから、ダマされて注文してしまった。ところが、である。あああ、あああ、何だかたいへんなものを右手に捧げて、アフリカ系のウェイターが近づいてくる。「まさか、あれじゃあるまいね」「あれじゃないことを祈る」という今井君の願いは空しく、ステーキの皿よりさらに大きく深みのある皿がドシンとテーブルに置かれ、その皿のすべてがオニオンリングである。

      (ブルックリン・ブリッジの夜景2)

 クリスマスディナーのために驚くほど着飾った周囲の客は、静かに顔を見合わせ、頬笑みあい、
「おお、あの日本人、やられたねえ」
「バカだねえ。あれ、注文しちゃったの?」
「タマネギか。ははん」
という視線を交わす。日本のグルメ番組で、ちょっとかじってみては「あまい!!」と絶叫するような、上品なタマネギとはわけが違う。大相撲の優勝力士に淡路島の農業協同組合が「タマネギ1年分を贈ります」というような(今のところそういう表彰はないが)、そういう分量である。しかも、すべてタップリコッテリの油で揚げた、コロモちゃんもコロモ君もイヤというほど絡まっている。コロモちゃんはカリカリ。しかしその中にブヨブヨのコロモ君がベトベトに粘り着いている。

      (ブルックリン・ブリッジの夜景3)

 アメリカを旅していれば、こういう常軌を逸した分量に毎日圧倒される。もちろん「だから、無理して食べずに、食べられなかったら遠慮なく残す」という選択は可能だし、「残す」などという行動は、難しいことではない。むかしむかしの学校給食なら、
「食べられないなら、食べ終わるまで頑張りなさい」
「夜まで教室残ってでも、絶対に食べてもらいます」
「1人でも残したら、クラス全体の連帯責任ですよ」
などという拷問だってあったが、まさかニューヨークのレストランで
「食べないなら、朝までここに残ってなさい」
「オニオンリングを1ワッカでも残したら、お客全体の連帯責任です」
「みんなに反省文を提出してもらいます」
などということになるわけはない(昔の学校給食では実際によくあった光景である)。しかし、毎日毎日こんな驚くべき分量をテーブルの上に並べられ、そのたびに量に圧倒され、半分近くを残していると、だんだんその量を見ること自体に嫌気がさしてくる。まあ、量に圧倒され、量を嫌悪するようになり、量への嫌悪が食品への嫌悪にかわり、やがて「レストランで食事をする」と考えただけでウンザリするようになるのだ。こういう症状は、ヨーロッパではあまり起こらないが、ニューヨークの日本人はよく陥るのではないだろうか。

      (ブルックリン・ブリッジの夜景4)

 そこで、KITANO New Yorkの地下「白梅」の登場である。量と油とにウンザリしたとき、逃げ込むべき場所は「白梅」。階段1つ降りれば、そこに突如として日本が現れる。しかもそれは、上品で上質な日本である。オニオンリングが1年分出てくることもなければ、フライドポテトがバケツ1杯出てくることもない。シーザーサラダが天井からシャワーのように降り注ぐこともないし、コーラやミルクがビール大ジョッキ3杯分、中で猫が溺れそうになるほど出てくることもない。量にウンザリしてニューヨークで溺れかけた瀕死の日本人なら、是非この島に助けを求めるべきである。

      (ブルックリン・ブリッジの夜景5)

 ま、いっか。ステーキは何とか平らげたものの、オニオンリングは3/10で降参。それでも赤ワイン1本に白ワイン1本ちゃんと飲みほした上で、胃袋をタポンタポン言わせながら地下鉄に揺られ、やがて寒風吹きすさぶ12月末のブルックリン・ブリッジに立った。風が冷たければ冷たいほど、河の向こうの夜景はその分だけ美しくなるようである。
 何がおかしかったのかよく記憶にないが、激しくゲハゲハ笑いながら、寒さのせいで涙が湧いてくるほど冷え込んだイーストリバーを横断した。要するに、お腹タプタプのワイン2本で、もうタップリ酔っ払っていたのだが、ヒトの気配のないこんな場所で、何とも不気味な日本人もいたものである。
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