初めての漁。~おかめの思い出②~ | るぅのおいしいうちごはん

初めての漁。~おかめの思い出②~


あたし「うええええええええええええええええ~」







PM 6:10  


開始すらしていない船で。


まさかの撃沈。






あたし「うう・・・ううう・・・うううううううー。」






気持ちが悪くて。


気持ちが悪くて。


気持ちが悪すぎて。


ごろっと横たわるも。


体の置き場がない。






あたし「ううううう・・・ううう・・・。泣」






涙も出てくる気持ちの悪さ。






あたし「ううー・・・泣。」






この感じ。


前にも体験したことがあるぞ。


何だったっけな。


何だったっけな。







あたし「うええええええええええええ~」







そうだ。


つわりだ。


つわりだ。


あの。


気持ちが悪すぎて。


座ることも立つこともままならず。


うっかり6キロも痩せたあの時の気持ち悪さによう似てる。






あたし「ううー・・・うううううー・・・・・。」







気持ち悪い。


気持ち悪い。


ただただ。


ひたすら気持ちが悪い。






さぶろー山「おかめー。アンカー落としたよー。これから安定するからねー。」






夢にまでみた。


アンカーを。


ようやくさしてくれたと言うけども。







あたし「うええええええええええええええええ~」







時すでに遅し。


もう体が持ちません。






さぶろー山「あーあーあーあー。横になって。横に。」






言われた通り。


体を横にしてみるけれど。







あたし「うええええええええ~」







やっぱりダメです。


気持ちが悪いんです。






さぶろー山「ちょっと寝てさ。休んだらおいでー。」






看病をしてくれるかと。


頼りにしていたさぶろー山は。


ヒラメが釣りたいがタメに。


あたしを捨てて船外へでた。






魚に負けたあたし。  おかめ<ヒラメ。








あたし「うう~・・・ううううう~・・・泣」






気持ち悪さと。


悔しさと。


切なさと。


トリプルショックで涙がでます。






ひな「ママー。大丈夫?」






あたし「う・・・う・・・う・・・・・」






「うん」と言いたい。


「大丈夫だよ」と言いたい。





しかし。


あたしの口からでるものは。







あたし「うええええええええええええ~」







言葉は出ません。


これしか出ません。






ひな「ひながそばにいてあげるねー。」






魚を選ばず母を選んだ優しい我が子。


どっかの誰かとは大違い。






ひな「じゃ、ひなもごろーんとして。ママの隣でDSでも・・・・・・う・・・・」






う・・・・・?







ひな「うええええええ~」







うっそー。


まじでー。






ひな「うええええええええええ~」







お前もかー。  ありえねー。







ひな「ううううう・・・泣。気持ち悪い・・・ううう・・・。泣」






まさかまさかの。


親子で船酔い とゆー、


思いもよらぬ、この事実を。


どう受け止め・・・。







あたし「うええええええええええええ~」







受け止めきれませーん。


















暗い船室。


わずが2~3畳の狭いごろり部屋。


2人並んでごろーん。ごろーん。






あたし「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」






ひな「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」






気持ち悪すぎて。


お互い話す元気もありません。













それから。


10分ほどの時間がたち。






あたし「う~ん・・・・・う~ん・・・・・・う・・・う~ん・・・・・・・・・・・・。」






相変わらず体の置き場がないあたし。


仰向けに寝てみれば。


うええええ。


うつぶせに寝てみれば。


やっぱり、やっぱり。


うええええ。






あたし「ううう・・・・・ん・・・・・おおおおお・・・・・ん。」






アンカーがささっても。


全く変わらない波の揺れ。(むしろひどくなってないか?)


右に揺れて。


左に揺れて。


前に揺れて。


後ろに揺れて。





ねぇ。


ホントにアンカーささってる?








あたし「うええええええええええ~」








ああもう。


アンカーが憎い。


船が憎い。


海が憎い。










あたし達は。


ごろり部屋とゆー、一室に転がっているのだけども。


そもそも。


このごろり部屋とゆーものは。


運転席の真下にある一室。


真下っつーことは。


最下層的な場所であるわけで。


つまりあたし達は。


船底にいるわけ。




いい?


船底ね。


船底。




船底ってゆーとね。






「ぶぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおーん」






と、鳴り響くエンジン音。


プラス振動。(プラス波の揺れ。)


それをだね。


直で。


超ダイレクトに感じ取れるわけでして。


それがね。






気が狂いそう。  あああああああああああああああああー。







ってゆーね。


こんなやかましいごろり部屋の中で。






ひな「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・zzzzzzzzz。」 






ひなは眠りにつきました。 子供ってすごい。







あたし「ううう・・・寝よう。寝よう。あたしも・・・ううううう・・・。」






寝れば楽。


確かにそのとーり。





寝たい。


寝たい。


どうしても。


寝たい。





が。


しかし。






弁当を作った後。


船酔い防止にのタメに寝ておかなくっちゃだな。るん♪


と。


超準備万端な体制で昼寝に臨んだあたし。


眠れない。


眠れない。


どんなにがんばっても眠れない。  裏目にデタネ。












こうして。


体制を変えながら。


自分と戦うこと30分。






あたし「あ・・・・これ・・・・・・・。」






ようやく、楽な体制が見つかった。






心臓を下にして、


手足を曲げて。


丸まる体制にして。


耳の下に両手を置くと。


少し・・・


ほんの気持ち程の少しだけ。


楽・・・かもしれない。 






あたし「うっ・・・・・うっ・・・・・・・・うええええええええ~






気を抜くと吐くけどね。






あたし「ううううう・・・泣。ううううううう・・・・・泣。」






吐いて。


泣いて。


吐いて。


泣いて。


吐いて。


泣いて。






ふと。


思った。







「そうだ。胎児だ!胎児になろう!」







手足を丸めたこの体制。


ゆら~んゆら~んと揺れる船。


これはまるで、


お腹の中にいる赤ちゃんと同じではないか。


誰もがみな、


こうして生まれる。


生まれる前は、


みなこの体制。






胎児だ。


胎児だ。



胎児の記憶を呼び覚ませ!






と。


胎児になりきったところで。







あたし「うええええええええええええ~」






この世に誕生して33年。


昨日のことも覚えていないあたしが。


33年も前のことを覚えてられるかバカヤロウ。






胎児作戦。


あえなく失敗。 ちーん。









胎児がダメなら・・・


何か他のもの・・・


他のもの・・・


他の・・・







「船底・・・そうだ。船底だ。船底になりきろう!」






胎児作戦が失敗したばかりだとゆーのに。


それでも考えてしまう。


アホかあたしは。


と、思いがちなこの行動。




だけどね。


だけれどもね。


それだけね。


辛いんですよ。  もーめちゃくちゃ辛い。






波の動きに身を任せ。


右に左に。


前に後ろに。


ゆらゆら。


ゆらゆら。




そう。


あたしは船底。


そう。


あたしは船底。




揺れて揺れて。


ゆっくり揺れて。


頭が揺れたら。







あたし「うええええええええええええええ~」







船底作戦大失敗。 ちーん。














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その③に続く・・・