苦しさから逃れたい。
私が生きていることを許してほしい。
そして、一人の人間として愛してほしい。
そういう思いだけが私の心の中にありました。
しかし、私は、一人の人間として愛される自信がありませんでした。
そして、誰にも愛されていないのだから、私一人がしんでも何の損失もない。
むしろ、私のようなだめな人間は死んだほうが世の中のためなのではないか。
そう思っていました。
苦しみから逃げるためには死ぬことがいちばんいい方法だと思ったけれど、死ぬ前に、すべての苦しみから逃れる方法をやってみよう。
私がまだやったことのない方法は何だろう?
私がいちばん最初に思い浮かんだのは神様に頼ることでした。
死ぬ前に、神様の教えを学んでみよう、それでもだめならそれから死ねばいい。
そう思って神様の家がある場所を探し始めました。
神社、お寺、教会。
その中で一番近くにあって、神様の教えを教えられそうな人がいるところが教会でした。
教会に通い始めたのは、もうひとつ理由があります。
それは、そのころシェイクスピアをやっていたことです。
シェイクスピアにはよく教会の場面が出てきます。
それにヒロインの中で、クリスチャンである人も多いのです。
シェイクスピアを演じるときに、信仰心をリアルに演じられるのは強みになると思ったのです。
そうして、私は教会に導かれたのでした。