なんとなくChristmas

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2005年、今年も世間は
クリスマスに浮かれていた。


ルーブル美術館やプラド美術館、ウフィッツィ美術館を見た後、世界のクリスマスや復活祭のニュースを見た後、
その都度、キリスト教への興味が湧き、聖書を読む日々が少しだけ続く。
しかし、
私には強力な眠り薬のように作用する。アブラハム、ダビデの子孫、イエスの系図はなかなか手強い。ルカの書まで辿り着いたことは未だかつて無い。黙示録まで読み切った人は本当に凄いと思う。

クリスマスが近付くと
『キリストの誕生日はほんとは5月辺りらしいで』とか
『クリスマスツリーの一番上の星は三博士が見たベツレヘムの星なんやで』と
ついついいつの間にか仕入れた無責任なうんちくを垂れてしまう。

あれ?今年は神戸のルミナリエやってたのかな?
ニュースで全然見なかった気がする。

キリスト教徒のお祭りみたいなものなんだろうけど
日本人の盛り上がりって世界から見てどんな風に映るんだろう?

そういえば、こんなこともあった。
荘厳なカソリック教会の中で、祭壇の前に並ぶイスのほぼ真ん中に座り、絢爛豪華な装飾に見とれていると、
徐々に周りのイスへ人が座り始めた。
閑古鳥が鳴いているショップに入ると後から後から続いて他の客を呼び込むことが多い私は、ここでも同じ心理作用が働いているのかなと思い、高い位置にあるステンドグラスへ目を移し、隅から隅まで絵本を見るように順番に見つめながらそのまま座っていた。
するとあっという間、周りに隙間無く座られてしまって、ちょっと様子が違うことにやっと気付くことになる。長椅子なので抜けられなくて内心オロオロしていると、とうとう始まってしまった。
敬虔なクリスチャンによる夕方のミサだ。
今日一日を反省し懺悔する信心深い人々の中に、困ったときの神頼み専門の腹黒い私が居る。
物凄く居心地が悪かった。
きっとキリストはお見通しに違いない。
異分子が混じることで、このミサは台無しにならないのか?と思い、
周りの人たちに申し訳なくなってきた。
すると、すぐ隣の人が席を立って行った。
あ、今がチャンス!と私も後に続こうとしたら、
その人はすぐ戻ってきた。
そして、私に聖書を持たせてくれた。

・・・・・・・。

物凄く困った。
聖書の表紙を見て呆然としていると、
その人は自分の聖書を自分の膝にそっとふせ、
私の手の中の聖書を取り、
なんと、今、神父さんが読まれていると思われるページを開けてまた手渡してくれるのだ。
困惑の極みだ。
開いてもらっても判らない。
フランス語だから。
コートを着たままでも寒い教会の中で脇の下にじわっと湿り気を感じる。
今日、どんな罪を犯したのか?
誰のことを思っているのか?
すすり泣く人が居た。
イスに座らず立ち膝になり、硬く組んだ手を額に押しつけ、目を伏せ、
一心に祈る人も居る。
広い広い教会の中でミサを受ける人達が座る長椅子が並んでいる空間は20%ほどで、天井の高さは20メートル以上もあるというのに、私は空気の重圧に耐えられなくなっていく。
真剣にミサを行う人たちを冒涜しているような罪の意識に押しつぶされそうになっていた。
すると今度は逆隣りに座っていた人が
尋常じゃない私の気を察してくれたのか、私の聖書をのぞき込んで
今、神父さんが読まれている箇所を指でなぞってくれた。

ちっがっ~~~う!そうじゃな~~~い!と思わず心の中で大きく突っ込みを入れてしまったが、
その後ページが変わるたび、
両隣の人が代わる代わる私の世話を焼いてくれる。

何が何だか判らないが、とても嬉しかった。
段々気持ちが和らいだ。
少し目が潤んでいたと思う。
気楽に過ごしていたつもりだったけれど、言葉が思うように通じない中で気持ちは荒んで来ていたのかもしれない。

両隣の人の行為にその都度蚊の鳴くような声でメルシーメルシーと言い続けた。
パリに居た3ヶ月はあっという間だったけれど、そのお祈りの時間はとてもとても長く永遠の時のような不思議な感覚として今なお残っている。
浄化されとても癒され有り難かった。
人間の心に真に作用するものは言葉や理屈ではないけれど、その事を悟らせる為の教えは必要なのかもしれない。
宗教に対する考え方は大きく変わった。

しかし、

未だに聖書は睡眠薬代わり。神社仏閣は主に観光目的。大晦日から残り戎までの期間だけいきなり信仰深くなる。捉え方を変えてもらっても自分の根本は変わらない。

2005年12月24日のChristmas Eve、
そんな私はミサに出掛けることもなく、
バスと電車を乗り継いで、主人と焼鳥屋に行った。
なんとなく鶏系のモノが食べたくなるクリスマス気分だったから。

《焼き鳥》
--壱番鶏--
ここの名物は“ばくだん”と呼ばれる縦15cm横7cmほどの小判型のつくねだ。
ニラがたっぷり入ったかなりのピリ辛。
ビールとの相性抜群。
単品と丼とチャーハンがある。
私は丼仕様のばくだんライスとスープで締めるのが定番。
最初にきも、ずり、こころ、かわを頼み、
その日のお薦めを頼み、刺身かたたきを頼み、
メニューを見て気になったものを頼み、
まだいけそうなら、せせりとなんこつを頼む。
そしてばくだんライスとスープで大満足。
ほんとここの名物“ばくだん”お薦めです。

そして帰りに近所の家の気合いが入ったハウスデコレートクリスマスイルミネーションを観に行った。
中から楽しそうな子供の声が聞こえた。

うちのクリスマスはファミリークリスマスと言うよりは
まんねりカップルのクリスマスだなーと思った。
今年は雑事に追われていたので
取り敢えずなんとなくなChristmasだった。
花キューピットでお花を贈ってくれた主人はどー思っているのかな?と今少し不安になっている。


*壱番鶏*
大阪市北区菅栄町10-13
06-6357-4354
 ばくだん 300円
 きも、ずり、こころ、かわ、せせり、なんこつ 各250円
 ばくだんライス 450円
 ばくだんチャーハン 580円
 スープ 10円
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