《Mint Parfait thins》
--Andes--
___28pieces___


私とミントとの出会いは、かなりの年数を遡る。

国道沿いにあるファミリーレストランの駐車場内の一角に、いつの間にか出来ていたアイスクリームショップ。車で通り掛かる時、そこへ乗り入れてくれるかどうか、いつも2km程前からドキドキ期待に胸を膨らませていた。

その日は子供にとってかなりの遠出で、疲れていたと思う。アイスクリームショップに近付きつつあることさえ気付いていなかった。車がどこかに入り、止まった。
あ!!!
期待して待ち構えている時と、予想もせずに思い掛けず訪れた幸運と、どちらがより胸躍るかなんて、説明はいらないだろう。いきなり途轍もなく元気になり、ショップへ駆け込んでいった。
ショーケースに並ぶ色とりどりのアイスクリーム。その日は結構混んでいて、順番を待つ間、じっくりと眺める時間をもらえた。いつもはベリーやチョコレート系のもの、そして子供のくせにラムレーズンを好んでチョイスしていた。好きなものに義理立てして浮気しない傾向が物心つく前から強かったという事もある。しかし、その日は違った。なぜか今まで食べたことの無いものが気になった。
あの、水色のは何だろう?点々と入っている茶色のはチョコレート?
次の瞬間、順番が回って来た。
つい、頼んでしまった。
サーバーでその綺麗な水色のアイスクリームをすくう手元に熱烈な視線が注がれる。コーンとショーケースの間を往復する動作を瞬きもせず見つめる視線が痛かったのか、店員さんはいつもより多くたっぷり載せてくれた。
手渡される鮮やかな水色のアイスクリーム。
やっぱりチョコチップみたい!水玉模様で可愛い!

期待に胸膨らませ一口!



『何これ!?
 まっず~い!』

店内に響き渡る。
冷ややかな空気。
突き刺さる冷たい視線。
母の冷や汗。
決してキンキンに冷えた冷房やアイスクリームの冷たさの所為ではない。
尋常じゃない様子にたじろいだ瞬間、母によって店外へ摘み出される。

『どれ!?』

私の手からコーンをもぎ取り母もひとなめ。

『わっ!これ!ハッカじゃないの!どーしてこんなの頼んだの!?』

あまりの剣幕に圧倒され言い訳も出来ずにねちねちと叱られる。
父と妹はさっさと車に戻って美味しそうにアイスクリームを食べている。
ジンジンと照りつける太陽の熱でコーンの縁から水色の汁がポタポタと落ち出した。
母の手を伝って焼けたアスファルトに落ちる。
一転して甘い至福の時は苦い思い出へと変わる。

私にとって、水色=ソーダ味だった。
意表をついたハッカ味。
今思えば、びっくりしただけだったと思う。
ボキャブラリーの少ない子供による言葉の選択ミスが引き起こした夏の一幕。

我が家ではミントのことをハッカと言っていた。
ドロップの缶かん(大阪ではなぜか缶を‘かんかん’と呼ぶ。親しみを込めたようなニュアンスなので好き。)をカンカラカンカラ揺すって揺すって探すくらいハッカ味が一番好きだったのに、
アイスクリームのチョコチップミントはその後二度とチョイスされることはなかった。

しかし、この、アンデスミントパフェはいつの間にか私のチョコレートローテーションに組み込まれている。外すなんて、有り得ない。
ミントチョコにミルクチョコが挟まれた薄いシート状のものが、緑色の紙に個別包装され28ピース入っている。ミルクチョコにミントチョコが挟まれた逆バージョンもあるが、断然こちらの方が美味しいと思う。
必ず止まらなくなる。
ミントの味が口の中に広がり、この爽快感がたまらなく美味しいので、ついついまた1枚また1枚と、気が付けば手元に包装紙がワサワサと山盛りになっている。食べ過ぎないようにと自分を戒める為に、直接ゴミ箱に入れず、手元に包装紙を置くようにしているのだけれど、それでも止まらない。エスプレッソが傍らにあればあっという間に10ピースは軽く無くなる。

昨晩、夜中に放送されていた紀行番組で、偶然手作りミントチョコの映像を見た。
生のミントの葉をミキサーし、たっぷりと練り混む映像に心を揺り動かされた。南仏のパティシエが作っていたのだから尚更だ。
だから今日は更に止まらない。
原材料を見てみたら、ミントオイルと書かれていたが、気にしない。
生じゃなくてもこれは美味しいから。
この淡いグリーンも合成着色料によるものだけれど、気にしない。
美味しいから。

ダイエットに危険だし、ポリフェノールもほとんど含まれていないだろうけど、ほんとにほんとにお薦めです。
ミントが好きな方は是非一度お試し下さい!
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