時差ボケだろうか。変な時間に目が覚めてしまう。しょうがないので、本を読んで、ブログを書いている。
今読んでいるのは、昼に古本屋で買ってきた石田衣良の小説だ。石田は、以前は全然知らなかったが、テレビで「下北サンデーズ」というドラマを見て以来、読むようになった。今日買ったこの本を含めれば、石田の作品はほとんど読んでいる。
「下北サンデーズ」は、下北沢の貧乏劇団のメンバーの話だ。
テレビのドラマは途中で打ち切られてしまったので、良くなかったが、この石田が書いた原作は良かった。
貧乏劇団に入った女の子が、どんどん認められていく話。この女の子は、劇団に最初に入ったころの心をずっと持って演劇を続けるが、この子の才能が認められて、どんどんメジャーになっていく。
それでも、メジャーになることで捨てなければならないことがある。その捨てなければならないことの中には、劇団の中で培った大切なものがいくつかある。
この少女は、最後、劇団を取るか、メジャーになっての新しい仕事をとるかの選択を迫られる。
小説のラストシーンは泣ける。
演劇や、絵画、音楽など、周囲と戦い、自分の大切なものを守りながら必死で生きているような人は、多分、このラストシーンで万歳をしながら号泣するだろう。
この小説を読んでいて、学生時代を思い出してしまった。
私が住んでいたアパートは「ミュージシャンズハウス」という名のボロアパートだった。防音設備があるわけではなく、壁が薄くて周囲の音が丸聞こえ。トイレは共用。風呂はない。電話も供用のピンク電話だった。
それでも、月に24000円という安さに惹かれて、ミュージシャンが多く住んでいた。
私の住んでいた棟には、ヘビメタ青年、ロック青年、某交響楽団の指揮者、音大生、ジャズミュージシャンなど、いろいろな人が住んでいた。みんな貧乏だったが、音楽が大好きな人ばかりだった。
私の部屋には練習用の電子ドラム(お茶の水で中古で買った)があり、それにヘッドホンをぶち込んで朝から晩まで叩いていた。ヘッドホンで聴いていたとはいえ、それでも大変な雑音が出る。よくもまあ、東京都内でそんな場所があったものだ。
ある日、ドラムの練習をしていたら、ドンドンとドアを叩く音がする。
「ついに、苦情が来たかな」と思い、恐る恐るドアを開けたら、隣の棟に住む音大の女性が立っていた。
「今叩いていたパターンの曲をやりたいんだけど、うちのバンドで叩かない?」と言われた時は、「このアパートは、ホント、変人の集まりだなあ」と思った。(もちろん、朝から晩までポコポコやっている私も変人の一人だ)
アパートの住人はいい人ばかりで、でも、貧乏で・・・・・。「下北サンデーズ」そのものだった。