飯塚病院血液内科のブログ

日々の活動を紹介していきます。だいたい金曜日更新。
ときどき火曜日に更新あります。


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こんにちは。血液内科スタッフKです。

今回は、特に九州で血液内科をしていると頻繁に遭遇する、「患者さんが抗HTLV-1抗体が陽性だったんですけど、どうしたらいいですか?」もしくは「末梢血目視を出したらATL様細胞が陽性だったんですが、どうしたらいいですか?」というコンサルトの時に、どのように対応しているかについてを書こうと思います。

コンサルトしたいけど、血液内科医が近くにいない!という先生のお役に立てれば幸いです。

これがなかなか奥が深いんですよ・・・

詳細は日本血液学会の造血器腫瘍診療ガイドライン(2013年度版)をご覧ください。ここに重要なことはほとんど書かれておりますが、実際覚えるのは大変ですよね。今回の記事では、血液内科医でない先生方が、初療の際に役立つ(と私が思う)実践的な対応にウェイトを置いて記載したいと思います。

血液内科医の視点では、「治療適応があるかどうか?」が、まずは最も重要な判断基準になります。治療適応のあるATLL(アグレッシブATLL)とは、急性型・リンパ腫型・予後不良因子を有する慢性型の3つです。これらが疑われる場合は血液内科にコンサルトが必要です。

リンパ腫型と予後不良因子を有する慢性型は、診断項目が多いので非専門の先生でも診断しやすいと思うのですが、急性型は診断項目が少ないのに病状が幅広く、他の病型と判断が付きにくい場合もあります。

①ATLLに伴う緊急症(高カルシウム血症、急性腎不全)
②リンパ節腫大・その他の病変(皮膚病変に注意してください)
③予後不良因子(高BUN血症、高LDH血症、低アルブミン血症。いずれも施設基準値を超える)

最低限、これらのサインを見逃さないようにしていただければと思います。

上記に該当しない、進行がゆっくりしたATLL(インドレントATLL)については、現状は経過観察していくことになりますが、長期予後はあまり良くないことも知られており、血液内科での経過観察が望ましいです。

ATLLの臨床病型に合致するものがなければ、HTLV-1キャリアの状態ということになります。キャリアの方が生涯でATLLをはじめとする関連疾患に罹患する可能性はそれほど高くはありません(ATLLに関しては全生涯で3~5%とされています)。過度に心配する必要はありませんが、ウィルスに感染していることが、身体だけでなく心理面や社会面においても負担になることもあると思います。また、将来感染者を減らしていくことは、社会全体の問題でもあります。

正しい理解のためにも、やはり一度は血液内科外来を受診することをおすすめします。最近では九州を中心に、一部の病院でHTLV-1キャリア外来をしているところもありますので、お近くにそのような病院があれば、受診してもいいかもしれませんね。

というわけで、状況により緊急性や必要性の濃淡はありますが、一度は血液内科を受診したほうがいいように思いますので、よろしくお願いいたします。
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