IIMA公式ブログ

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一般財団法人IMS国際医療支援機構



一般財団法人IMS国際医療支援機構の公式ブログです。
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 20171116日(木)~1121日(火)、 ベトナムホーチミン市にある国防省管轄175病院の看護教育を行いました。

 

【研修目標】

・症状アセスメントができ、統一した看護ケアができる

【研修テーマ】

・看護をするために必要なアセスメント

・カンファレンス

【研修内容】

・グループワーク形式での集合研修2日間

・病棟でのOJT

【研修日】

集合研修:111617

OJT:1118日、2021

講師】

北神洋子(IMSグループ本部事務局 看護局長/IIMA代表副理事)

冨久田文枝(IMS国際医療支援機構 看護師)

グェンティ・トゥイ(IIMS-VNM 看護師)

佐々木秋紅((IIMS-VNM 看護師)

【受講者】

175病院 病棟看護師約40

 

事前の看護部長や病院幹部からの聴取より、現在の問題として医師の指示通りにしか動けない、看護記録の記載はあるものの、患者の観察やアセスメントの記載がほとんどない、病棟で問題が生じても自分たちで問題解決ができない、という点があがりました。

そこで北神看護局長により、まず根本的な「看護とは何か」を具体的に考えられる内容で講義を進め、更に簡単な日常の事例からアセスメントについての理解を深め、その後は実際の患者の事例を用いてSOAPでの看護記録を行いました。研修はグループディスカッションに多くの時間を使い、専門職として自分たちに何が必要か考え、答えを導き出したことにより、看護師として常に問題意識を持ち、自分の判断で行動することがいかに大切かを学んで頂きました。         

実際、受講者たちの意欲は非常に高く、積極的にグループワークに取り組み、多くの質問があったことや、看護記録を継続するためにはどのように教育を進めていくべきか、など具体的な質問も多く寄せられ、モチベーションの高さを感じました。

集合研修翌日より、IIMAの冨久田看護師、IMSグループベトナム事務所のトゥイ看護師、佐々木看護師によるOJTを病棟で3日間行いました。研修生は、業務が忙しい状態でも非常に熱心に研修に取り組み、「SOAPで看護記録を記載することで、とても勉強になる。最初は時間が掛かっても続けていきたい。」など意欲的な発言も多く聞かれました。OJT研修最終日には、教育担当の副院長に実際に記載した看護記録を確認して頂きました。副院長より、「今までは何の記録か全く分からなかった。医者の言うことを聞くだけでは、ロボットと変わりない。この看護記録のように、患者の状態を把握し詳しく看護計画を立てて、患者の状態を自分たちの力で判断することが出来れば、必ず成果が出せる。」と評価し、今後も病院幹部としても今回の取り組みが継続していけるよう努力していく事を告げられました。

今回の研修では、受講者の意識が高まり病院幹部の理解もある事から、大きな動機付けが出来、一定の成果を上げることが出来ました。今後も継続でき、成果が出せる様期待していきたいです。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ミャンマー マンダレーにあるCity Hospitalよりセミナー開催の依頼があり、2017929日~30日にIMSグループ横浜旭中央総合病院院長の山中太郎先生に講演会と内視鏡セミナーを行っていただきました。山中太郎先生のプロフィールは下記をご参照ください。

https://www.ims-yokohama-asahi.jp/med-dept/naika/shokaki-naika.html

 

City Hospitalはマンダレーにある最大手の民間病院であり、定期的に若手医師・看護師を対象としてContinuous Medical Education」(CME)という勉強会を行っています。この勉強会にはシンガポールやオーストラリアなど海外の医師を招いており、一病院だけではなく、周辺のグループ病院からも多くの方が参加しています。今回はこの勉強会での講演と、シミュレーターを用いた消化器内科医向けの内視鏡技術のレクチャーを行いました。

 

講演会(CME)

日時:2017929日(金) 14001600

参加者:80名(医師、看護師、コメディカル)

講演テーマは「日本の医療の歴史」「抗生剤の使い方・多剤耐性菌について」「ウィルス性肝炎の治療と診断」という3つの内容を盛り込んだものとなりました。山中太郎先生の講演は通訳を交えず、全て英語で行っていただきましたが、熱のこもった口調で所々笑いを交えながら聴衆に語りかけるようで、最初から聴衆を引き込み、参加者は非常に興味深く聞いていました。会場は最初から最後まで非常に盛り上がっており、参加者は熱心に聞いていました。質疑応答でも医師からも看護師からも手が挙がっていましたが、現地病院の方によると非常にシャイなミャンマー人の性格からするとこのように手が上がるのは珍しいことのようでした。

 

内視鏡セミナー

日時:2017930日(土)10001230

参加者:10名(消化器内科専門医5名、若手医師5名)

マンダレーにはERCPができる医師が2名しかいないなど、内視鏡技術に関するレクチャーの要望があったため、日本から内視鏡トレーニング用の上部消化管モデルを持参し、意見交換とともに手技のセミナーを行いました。当初、専門医2名程度に対するレクチャーを予定していましたが、前日の講演会が好評だったこともあり、マンダレー総合病院の教授や准教授を含めた10名が参加することとなりました。

山中先生によると内視鏡はスライドなどで説明しても分からないので、とにかく実践しかないとのことでした。そのため、すぐにシミュレーターを使って実践し、山中先生が見本を見せて、その後各医師が実践をし、山中先生がアドバイスをするという形で行いました。

初めはぎこちない様子だったミャンマー人医師たちも山中先生がアドバイスをすると、ぐんぐん上達する医師もおり、これまでにしっかりとした教育を受ける機会が無かったことがよくわかりました。

ミャンマーでは医師が慢性的に不足しており、ミャンマー人医師は早朝から夜遅くまで、また土日も働いており、先輩医師が現場で十分に指導できる環境にはないとのことでした。

人口千人当たりの医師数は日本の5分の一、看護師数も日本の10分の一であり、現場での教育環境がほとんどない状態に等しい様子でした。

今回のセミナーが大きな刺激となったことは間違いございませんが、自分たちで成長できる環境を整えていくためには、今後もミャンマーでの医療支援を続けていきたいと考えております。

 

2017年9月22日 ベトナム ホーチミンにある国防省管轄175病院主催の学会にIMSグループイムス札幌消化器中央総合病院 院長の丹野誠志先生が招待され、講演を行いました。

丹野先生のプロフィールは下記をご参照ください。

http://www.ims.gr.jp/ims-sapporo/service/gastro.html#intro

 

175病院は約1200床の病院で、敷地面積21ヘクタールという広大な土地に複数の建物から成り立っているベトナムでも大規模かつ著名な病院です。

今回招待された学会は2年に一度開催される175病院主催の学会で、今回が21回目の開催となり、がんセンター設立5周年を記念していることもあるため、「癌治療」をテーマに掲げていました。演者はベトナム全土の医師だけでなく、シンガポール、韓国、日本から来ており、参加者は400~500名ほどでした。

丹野先生には「膵胆道癌における治療的内視鏡」というタイトルで発表していただきました。内視鏡治療の中でもさらに先進的な治療を行っている丹野先生の発表内容は、現地の医師たちにとっては大きな刺激になったようでした。発表後の質疑応答でも質問はありましたが、丹野先生が座席に戻ってからも質問があるほどでした。

ベトナムでは内視鏡検査は行っているものの、内視鏡治療はまだまだ十分に行えていない現状があります。今回のような学会をきっかけにベトナムの医師たちが先進的な治療や高い技術に接し、より高いレベルを目指すことができるよう支援していきたいと考えております。

 

 

 

2017月にパートナーシップ協定を結んだベトナム ハノイにあるホンゴック病院より消化器系疾患に関するセミナーの依頼があり、2017月にIMSグループ新松戸中央総合病院 院長の松尾亮太先生にセミナーを行っていただきました。また、セミナーとともにホンゴック病院が開催する患者相談会(セカンドオピニオン)への参加の依頼もありました。松尾亮太先生のプロフィールは下記をご参照ください。

http://www.ims.gr.jp/shinmatsudo/patient/department/geka.html

 

患者相談会は下記の方法で実施されました。

①消化器系疾患患者のセカンドオピニオン希望をホンゴック病院が募る。

②希望者よりホンゴック病院が診療情報(画像データ等を含む)を入手し、サマリーを作成。

③診療情報をもとにホンゴック病院の消化器科及び腫瘍科の医師と松尾院長が意見交換。

④患者にホンゴック病院医師及び松尾院長より見解を説明、相談に応じる。

77日、78日の二日間にわたって実施され、合計14名の希望者(患者及び家族)がホンゴック病院に来院しました。医師同士の意見交換では、日本とベトナムの医療レベルの差があることが顕著でしたが、ホンゴック病院の若い医師からは松尾先生から学ぼうとする姿勢が強く、これからの成長に期待が持てる様子がよく分かりました。

相談患者や家族は全員、松尾先生の話を真剣に聞いており、その言葉で安心をしている様子が分かりました。

ベトナムと日本では物価差もあることから、日本での治療を希望したくても多くの方が来日出来ない現状があります。今回のような医師同士の意見交換とともにセカンドオピニオンを行うことで、患者さんがより良い治療法を選択し、現地の医師も自信を持つことで、安心して治療を受けられるようにサポートすることも大切な医療支援であると実感しました。

 

セミナーは78日(土)に開催されました。ホンゴック病院の医師を中心に約30名の医師が集まり、テレビや新聞などのマスコミも来場していました。松尾先生には「日本における胃がん、大腸がんの腹腔鏡治療」と題し、動画を中心に技術的な話をしていただきました。講演中は、医師たちは食い入るように動画を見ており、松尾先生の言葉を聞いて必死にメモを取っていました。講演中に松尾先生の手術の際の出血量が1ml程度と聞いて、会場ではどよめきが起こるなど、松尾先生の技術の高さに驚きを隠せない様子がありました。講演後も4名の医師から質問がありましたが、いずれの質問も積極的に日本から学ぶ姿勢が強く感じられました。ベトナムでも腹腔鏡手術は行っているものの、指導できる医師が少ないのが現状です。実際に日本人医師がベトナムで医療行為を行うためにはライセンスが必要ですが、今回のようなセミナーを繰り返し行ったり、ディスカッションをするなど、医師同士の交流活動を行うことで現地医療にこれからも貢献することができればと考えております。

 

ホンゴック病院看護師研修最終講義実施

 

昨年から実施しているベトナム・ホンゴック病院での看護師研修「IMSアカデミー」が、6月の最終講義をもって終了致しました。

看護の質をあげるためのアプローチとして、アセスメント能力を身に着けるためにSOAPでの看護記録にフォーカスし、組織として実践するための仕組みづくりを具体的に提示しました。現地での集合研修・来日研修・定期的なフォローアップを行ったことで、意識が少しずつ変化し、自分たちの力で質の高い看護を提供していこうとする強い意欲が感じられました。

 

研修参加者からは以下のような感想を聞くことが出来ました。

SOAPで記録を書くためには患者からの多くの情報が必要である。そのために以前に比べ、たくさんベッドサイドに行く機会が増え、細かい症状まで観察するようになった。また、アセスメントするためには知識が必要であり、勉強しないといけない、という意識が看護師それぞれに付いた。

・内科病棟では、夜勤を外来看護師が担当することがある。以前までは、患者の情報が分からず困っていたが、看護記録をSOAPで書くことになってから、患者の状態がわかるようになった。

・記録によって、経過・症状・前回との比較ができるようになったことで、看護師の能力も上がっていると実感している。

・(看護記録の)内容が不十分な人も中にはいるが、内科病棟では現在全ての看護記録をSOAPに分けて書けるようになった。

・現在医師による勉強会を行っている。知識が増えれば、SOAPでの看護記録は皆書けるようになると感じる。

病棟看護師がSOAPで看護記録を記載するため、以前より患者のもとへ行って患者や家族の話をしっかり聞くようになった。コミュニケーションも増え、患者が看護師の名前を覚えるようになった。

 

以上の感想からも、研修の成果が病棟全体に浸透していることがわかりました。まだ不安な面もあるようでしたが、看護記録を継続していけるよう日本で作成した監査表を提供したことによって、SOAPそれぞれの記載内容を再確認でき、指導の統一が図れ、指導者の育成に役立てていけると感じました。実際、受講した4人の反応からも、不安は軽減できた様子で前向きな発言が聞かれ、今後も指導的役割を担う受講者4人が、自信を持って指導に取り組もうとする姿勢が感じられました。

今後は提供した看護・組織としての考え方が定着し、ホンゴック病院のみならずベトナムの医療の質の向上に繋がるよう、ベトナムでの活動をさらに発展させていきます。


 

 2017121日(土)

 

2017113日(金)~117日(火)、「IMSアカデミー」ベトナムホンゴック病院看護師研修第二弾を実施しました。全研修カリキュラムの内、今回はセカンドステップとして下記の通りIMSグループの病院で研修を実施しました。

 

【看護初級コース(フィジカルアセスメント編)】

研修目標

症状アセスメントができ、統一した看護ケアができる

研修テーマ

「看護をするために必要なフィジカルアセスメント」 「カンファレンス」

研修日

2017113日(金)~117日(火) 5日間

講師

北神洋子(IMSグループ本部事務局看護局長・IMS国際医療支援機構理事)

冨久田文枝(IMS国際医療支援機構 看護師)

IMSグループフィジカルアセスメントインストラクター9

高島平中央総合病院・明理会中央総合病院 看護部長・病棟看護師

受講者

ホンゴック病院看護師 4

 

【カリキュラム】

113日(金)

前回(11月)の振り返り、病院見学

114日(土)

フィジカルアセスメント研修(呼吸器・循環器)

115日(日)

フィジカルアセスメント研修(消化器)、看護記録・カンファレンス

116日(月)

病棟実習

117日(火)

病棟実習・研修のまとめ

 

 

今回、セカンドステップとして、113日~17日にシミュレーターを使ってのフィジカルアセスメント研修や、IMSグループの病院で病棟見学実習を行い、日本で実際にどのようにフィジカルアセスメントやカンファレンスが行われているか学んでいただきました。

ベトナムでは看護学校ではフィジカルアセスメントについて学ぶものの、病院では一般的に看護師が行うことは少ない状況があります。しかし、看護師として異常の早期発見するための観察の視点は重要であり、そのためにフィジカルアセスメントを行うことを、今回の研修を通して理解して頂きました。

また、フィジカルアセスメントからどう情報を共有するか、どうやって日々の看護記録やカンファレンスを通じて看護の統一を図っているのか、研修前は理解ができなかったものを、実際に日本の病院を見学することで学んで頂きました。

 

研修参加者からは以下のような感想を聞くことが出来ました。

・看護記録の記載内容について詳しく理解することができ、看護の統一を図るためにも、看護記録やカンファレンスが重要であることが良く分かった。

・そのためには、疾患の理解が必要で、看護師として大切なことであると分かった。

・日本の看護師が熱心に協力し合って患者をサポートしていることがわかった。

・少ない人数でもそういった働きができるのは、それぞれがプロフェッショナルとして働いており、Drからの信頼も得ていることを強く感じた。

 

研修最終日には、11月から1月までの研修を一区切りとして、カリキュラム責任者の北神理事より4名の受講者に研修修了証が授与されました。

今回の研修は、受講者自身のモチベーションにつながり、学んだことをホンゴック病院で活かすための自信に繋がったと思われます。

今後は、今回学んだことが実際にホンゴック病院で継続していくための仕組みができるよう、サポートしていく予定です。


 


 

11月17・18日のフォローアップとして、11月21日~11月24日にIIMA看護師の冨久田が滞在しました。学んだことをしっかりと実践できるように、OJTでアナムネーゼや看護記録・カンファレンスについて、病棟で実際に指導しました。 初めは、今まで全く行っていなかった事を始めるため、受講者の多くに戸惑いがある様子でした。しかしOJTを進めるにあたり、受講者自ら「看護記録を見直してほしい」「どういう内容を話合ったらよい?」など積極的な意見も聞かれ、二日間の研修によって看護について広い視野を持つことができ、アセスメントやカンファレンスが必要であることを感じ取っている様子でした。

研修のまとめでは、今回の研修とOJTを通して、「良い刺激になり勉強になった」「自信につながった」などの意見も聞かれ、受講者への新たな啓発につながったと思われます。そのため、現在の意欲を持ち続けていけるよう、また更に学びを深めていけるよう、今後も継続的にフォローしていく予定です。


2016年11月17日(木)から「IMSアカデミー」ベトナム ホンゴック病院看護師研修を開始いたしました。

全研修カリキュラムの内、今回はファーストステップとして下記の通りベトナムで実施してきました。

 

研修目標:「症状アセスメントができ、統一した看護ケアができる」

研修テーマ:「看護をするために必要なアセスメント」 「カンファレンス」

研修日:11月17日(木)~11月18日(金)

講師:北神洋子(IMSグループ本部事務局 看護局長)

受講者:ホンゴック病院 病棟看護師18名

 

これまで、看護記録の記載はあるものの、患者の観察やアセスメントの記載が不十分であったため、根拠に基づいたアセスメントをして、それをカンファレンスで共有して統一した看護ができるよう研修を行いました。

そして、SOAP形式の看護記録が書けることや看護計画を作成することを成果指標として定めました。

研修はグループワークで進められ、簡単な日常の事例からアセスメントについての理解を深め、その後は実際の患者の事例を用いてアセスメントの練習をしました。

受講者たちの意欲は非常に高く、積極的にグループワークに取り組み、多くの発言をしていました。

 

また、この研修のフォローアップとして、11月21日~11月24日にIIMA看護師の冨久田が滞在し、OJTでアナムネーゼや看護記録・カンファレンスについて指導をしています。

学んだことをしっかりと実践できるようにフォローを行っています。

 

1月にはセカンドステップとして、日本に来日していただき、フィジカルアセスメントの研修や実際の病棟でのカンファレンスについて学んでいただく予定です。

ベトナムの医療・看護の質を向上させて、現地の患者様のためになるようなトレーニングを今後も続けていきたいと思います。

 

ベトナムのB病院の病棟看護師に対し、看護師として高い専門性を発揮し、病院全体の看護の質を向上させるための研修を行います。具体的には、看護過程への理解を深め、疾患別のアセスメント・看護ケアが実践できるようになるための研修です。

20165月下旬にB病院の看護部長をはじめ、4名の方が来日し、板橋中央総合病院、イムス板橋リハビリテーション病院、アイムス赤羽を視察しました。IIMA理事とのディスカッションでは、日本とベトナムの看護の違いや課題が浮き彫りになってきました。そこで、7月上旬にはIIMA理事がベトナムB病院を訪問し、現地を視察した上で、看護師のアセスメント能力に課題があると判断したため、今回の研修のテーマとなりました。看護師が医師の言うとおりに動くだけではなく、専門的な知識を持った観察を通して、自ら判断して動けるようになることによって、看護・医療の質を上げるプロジェクトです。

 11月に日本から講師二人がベトナムを訪問して研修を行い、来年にはベトナムから数名の看護師が来日して、日本の看護過程の実践を学ぶ予定です。こちらも進捗次第、報告させていただきます。



 IIMAでは、インドネシアの病院グループに日本の病院が持つノウハウを移植し、現地の医療の質を向上させるプロジェクトを立ち上げています。インドネシアでは、人口に比して医療機関の数が少なく質が十分に担保されていません。しかし、2014年に国民皆保険制度が導入されて医療の需要は非常に高まっており、医療支出は年平均13.8%の成長率で拡大しています。

20167月にインドネシアのA病院グループより医師及び看護師8名が来日し、IMSアカデミー試行研修を受講しました。「消化器内科」、「整形外科」、「高齢者医療」、「看護」の4つのテーマに分かれ、IMSグループの9つの施設で学んでいただきました。消化器内科医は内視鏡治療、整形外科医は人工関節置換術について学ぶなど、具体的な手術や治療の現場からリハビリテーション、介護の場面まで見学・体験するとともに、各専門職とのディスカッションを通じて、日本の医療を学んでいただきました。各分野を通じて、総論としては、日本の高い医療技術、職員の医療サービスに対する意識の高さに感銘を受けたとのことでした。そして、①患者様第一・患者様中心の医療サービスの提供 ②職員の高い就業意識 ③顧客満足と職員満足の両立 ④チーム医療の推進 ⑤徹底した5S「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」について、更に学びたいとの意見をいただきました。

 8月には、IIMA理事がインドネシアを訪問し、A病院グループの中の一つの病院に対し、具体的に日本品質の医療が提供できるよう研修プログラムを作成することを話し合いました。テーマとしては、「透析医療」「消化器内科」「整形外科」「リハビリテーション」「検診」の5つを取り上げて、プログラム作成の協議をしております。本プロジェクトも着々と進行しておりますので、進捗次第、改めて報告させていただきます。