「何それ?」
「放課後に子供達が集まって
遊べるところなんだよ。
お前も秀樹もそこ行け」

「やだよそんなの。めんどくせー」

「おもしろいみてーだぞ?」

最近アカシ達や美咲達と知り合って
ヤンキーの世界に
足を踏み入れていた俺は、
子供が集まるって言葉に
抵抗感を感じていた。

親父からしたら
そういう世界の友達だけじゃなくて、
歳が近い普通の友達を
作って欲しかったのだろう。

「行きたくねー」

「まぁそう言うなって。
これそこのチラシだよ。
あれ、児童保育じゃなくて学童保育だったわ」

「どっちでもいいんだけど…俺、行かねー…」

「なんでだよ」

「絶対つまんねー」

「行ってみなきゃわからねーぞ?」

「分かるよ…」

「アカシ君に聞いてみろよ。絶対行けって言うからよ」

親父までアカシを
俺を動かすネタに使い始めた。

「はぁ…」

「明日学校終ったら迎えに行くからよ、
一緒にアカシ君のところ行くぞ」

「…」

今日学校を休ませてもらった親父の手前、
ここまで言われて断る事も出来ず、
俺は明日アカシの言葉を聞いて
考えてみようと思った。

俺はまたベッドに横になった。

美咲の事を思い出すが、
児童館がどういう所なのか
少し気になり始めていた。

翌日いつものように
ワン公が迎えにきた。

「達也ぁ、なんだか学校久しぶりな感じだな」

「…だな」

「何だよ何だよ、元気ねーぞ!?」

「今日から学童保育とか言うのに行かなくちゃなんねーかも」

「何だそれ?」

「わからねー…」

角を曲がれば
学校の前の道に出るという所で声を掛けられた。

「オイ、おめーが井口か?」

次回