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2017-01-26 12:46:47

Master理解へ 人間はまず 13路☓囲碁AI ぐらいからでどう?

テーマ:囲碁
年末年始に世界のトッププロを相手に60連勝(無敗)の Master (アルファ碁の進化版)。
 
その Master の手の中でプロ棋士を悩ませているのがこの星からの一間受けに対する上からのノゾキです。
 
謎の一手(Master-申真諝戦) 白石勇一六段のブログ
Master解説会のお知らせ 大橋拓文六段のブログ
 
 
 
そんなある日(?)三村智保九段のブログにこんな場面をみつけてしまいました。
 
 
 
黒は市販の「天頂の囲碁6」(Zen)です。
 
19路で Master が打った局面と比べると、下辺の白がある程度堅いとか、上辺の黒が模様化しやすいとか、13路ならではの「局面の狭さ」があるのですが、それは言い換えると、(19路の広い局面では Master の手がなかなか理解できない)人間にも局面を狭くしてもらえば理解しやすいということにもなるかもしれませんね?
 (もちろん、局面が全然違う。話が全く違う、という可能性はあります。)
 
特に興味深かったのは、手持ちの天頂の囲碁で再現実験を行ったときの結果です。
 
天頂の囲碁を「七段」の設定にしていたときには、上からのノゾキは候補手にあがってきませんでした。
 
ところが、「120秒」(私のPCでは「七段」より強い)の設定したところ、しばらく時間がたつとこのノゾキが最有力手として浮上してきたのです。
 
 
天頂の囲碁の開発チームの加藤さんによると
 
天頂6は policy network だけで value network は使っていませんし,19路の棋譜で学習したものを流用しています
 
ということです。
 
ということは、あのノゾキはもともと碁の手の形としては「ある手」なので19路ベースの policy network で候補手としてあがるのは当然だし、そこでモンテカルロの探索に時間をかけたときにプレイアウトの勝率の高い手として自然に浮上してきた、ということになりますね。
 
で、なにがいいたいかというと、
 
1) 13路なら、Master(アルファ碁)のようなものすごい資源を投入したシステムでない囲碁AIでも、モンテカルロ探索でなかなかのレベルの手を打ってくる(かもしれない)。
2) 13路のほうが囲碁AIが打ってきた手を人間が研究・理解しやすい。
 
Master の世界を理解する第一歩として、13路☓囲碁AI の研究はなかなか有効ではないでしょうか?
 
ということなのでした。
 
囲碁クエストで AyaZ と spaceman こと大橋拓文六段が繰り広げている死闘にもいろいろとヒントがあるかもしれません。
 
 
 
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2016-11-20 08:21:27

​DeepZenGo の死活誤認!?~囲碁電王戦第1局

テーマ:囲碁

昨日の囲碁電王戦第1局、アルバイトスタッフとして一力七段・万波三段の大盤解説の部屋で見守ってました。

まず驚いたのがスタッフや機材の数。大盤解説の部屋だけで10人ぐらいは詰めてました。それでも「今回は人数が少なかった」的なことも言われてましたので、テレビ業界とかからすれば、あのクォリティの番組を作るには最低限あれぐらい、という常識的なところなのかもしれません。

 

それと一力遼七段の解説。これはニコニコの中継をみていた皆さんも感じられたと思いますが、一瞬で手が見える様子がすごかったです。他のプロの人たちのNHK杯の解説などみてると、「えっと...」とか、手を読んだり確認するのに一呼吸というか、多少の間はあるわけですよ。ところが一力七段はどんな場面でも、その「間」がなく瞬時。みてて気持ちよかったですね。

 

さて、対局のほうですが、DeepZenGo のほうが自己評価で勝率70%ぐらいまでいきながら、上辺でまるまる2目損したり、右下に対して下辺からも右辺からも利かすことなく黒に打たれたりヨセの損を重ねて逆転負けをしたように見受けられるわけですが、その理由はもしかすると....右下の死活誤認では??

 

と思ったわけです。

 

実際、ディープラーニングとは直接関係ない囲碁についての作り込みの部分で DeepZenGo とかなり共通していると思われる 天頂の囲碁6で、↓の局面でまだ右下をセキであるかのような認識をしています。

 

 

ダメがつまってやっと白の取られを認識しました。

 

 

右下、白が取られていることがわかっていないのなら、なるほど、下辺右方のコスミ(13-18)が先手になるとはわからないわけです。(この碁の流れでいちばん疑問だったのは、「左上で店仕舞いにとりかかる人は、下辺右方のコスミ(13-18)をタイミングよく利かすもんじゃないの?」でした)

 

(↓白1に黒が手を抜くと白3以下、右下の白の復活を賭けたコウになる)

 

 

また、右下の取られがわかってなかったなら、形勢も大差でリードということになります。
モンテカルロ法ではその後のプレイアウトで勝率が高くなる着手を選ぶわけですから、リードしている範囲内で損な手を打っても勝率が変わらない状況であれば、損な手を平気で打ってしまうことも充分に起こりえます。上辺のまるまる2目損もそういう事情だった可能性もありますね。

 

数ヶ月前の↓を思い出してしまいましたが、果たして真相は??

Zen の死活誤認!?~13路盤プロ・アマトーナメント戦

 

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コンピュータ囲碁といえば、囲碁クエスト13路でスペースマンこと大橋拓文六段と、山下宏さん作のAI、AyaZ が死闘を繰り広げています。

こちらでその棋譜を公開していってますので、ぜひご覧ください。

 

13路棋譜といえば、13路盤プロ・アマトーナメント戦、全86局のプロの棋譜もこちらで公開していますのであわせてどうぞ。

 

 

 

 

2016-07-10 06:43:16

天下の「幽玄の間」もミスった囲碁の終局判定

テーマ:囲碁
月曜に囲碁クエスト開発者の棚瀬さんの講演「囲碁クエスト開発秘話」で、「終局を判定する明示的なアルゴリズムが存在しない」というお話を聞いたところだったのですが、昨日の13路盤プロ・アマトーナメントで「まさにこれ!」という実例が生じてしまいました。


村松竜一八段(黒) vs 鈴木歩七段 の終局図です。



ここで幽玄の間のシステムは「白18目半勝ち」と判定してしまいました。
左下の形を「セキ」と判断したもののようです。
(しばらくして、おそらく手動で「黒1目半勝ち」と修正されました。)


左下、実際にどうなっているかというと...

2

白1に打たれたとき、黒は2(あるいはその1路下)にほうりこむのが黒の唯一のシノギです。

3

黒4で1路右に打つとセキになってしまいますが、正しく読めれば、黒の攻め合い勝ち、左下は黒地であることがわかるわけです。


終局を正しく判定するのに手のヨミの力が必要、というところに囲碁の本質的な難しさがあって、プロの手合に使われて、あれだけの実績がある天下の「幽玄の間」においてさえ、きっちりできていなかったのでありました。


この対局を含む、13路盤プロ・アマトーナメントの1回戦、2回戦の全12局の棋譜をまとめておきましたので↓ご覧ください。(PCでもスマホでも棋譜再生ができます)


13路盤プロ・アマトーナメントの1回戦 棋譜リスト
13路盤プロ・アマトーナメントの2回戦 棋譜リスト

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