曳家岡本のブログ

東日本大地震以降、ご招聘いただきましたら全国で曳家・家の傾き(沈下修正工事)、家起こしなどをさせていただいている曳家職人・岡本直也の現場と時々(笑)子どもの悩みを書いているブログです。


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埼玉県飯能市上名栗にあります、元「名主様」の家の修復工事に携わらせていただいています。

坂の上には、蔵と立派な門がありまして、更にその奥の一段、上にお家が2棟あります。

さらにその奥には、敷地内に神社もあるという凄い広さです(汗)


今回はそのうちの主家の古民家再生です。



1階部分が31坪のお家なのですが、基礎の立ち上がりが低いのと、昭和になってからの改修工事が不適切だったために、湿気で土台や柱が腐っている箇所があるので、曳家による「上腰工法」で持ち揚げて、土台や柱の取り換え、根継ぎをします。






こちらのお仕事にお声かけ、いただきました飯能市の大工さん「作事庵 油布さん」は元々は、横浜に住んでいらしたのですが、関東の有名な木場である「西川材」の産地で木を選んで仕事したい。と「木」のために引っ越ししてきた伝統構法の大工さんです。


根継ぎをするにあたって、当方が

「(お寺とかと違って)4寸柱なんだから、断面折損率を考えれば、わざわざ金輪継ぎまでしなくても良いのでは無いでしょうか?」と云うと・・


「いや自分は金輪継ぎ以外したこと無いんですよ(笑)」との返答!!


さらには「岡本さん。仕口も丁寧に刻んでゆけば1棟で1カ月くらい長くかかってしまいますからね」とニコニコ話されます。






本気の大工さんには、こちらも本気で返してゆかないといけないです。

上の画像は、現状は不同沈下の症状もあるため、組んだH網の上で反力を獲って、不陸調整が出来るように添え柱の片側にジャッキをセットしているところです。




このように約50本の柱を全て、特注の金具で添え柱を取り付けて、持ち揚げます。

こうすることで、土台や根継ぎが簡単に行えます。


この現場は、古民家再生の教科書の1頁のような作業内容です。

お施主さまのご厚意で「うちの家が役に立つのならぜひ使ってください」と言っていただけてますので、古民家再生に興味があって、見学をご希望される方はどうぞご連絡ください。


8月10日前後にはきれいに持ち揚がっていると思います。

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埼玉県飯能市名栗で、古民家再生のお手伝いをさせていただいています。


現場は、名栗川沿いの側道から上がったところなんで、途中までは車が入るのですが、そこからは手運びです。


これが予想以上に辛いです。若い頃は、頭の中でジャッキー・チェンの「拳精」のテーマとかを流して「これは修行なんだ!」と思うようにしてちょっとは頑張れたんですが。

4時過ぎには、へたり込んでしまいました(汗)


今回の仕事は、珍しい「上腰工法」で施工させていただきます。

全ての柱を敷居より上で掴んで、それをH網に乗せて持ち揚げます。

こうすることで、大工さんは上部構造に気にすることなく、腐ったり、白蟻に喰われた土台を叩き落として入れ替えすることが出来ます。

今回はさらに、基礎天端より50cm余分に持ち揚げて、基礎も全面造り替えです。


現在は地元の大工・作事庵の油布さんが、壁を撤去して、柱を掴めるようスケルトン仕様にしださっています。

油布さんは、5年ほど前までは横浜に住んでいらしたのですが、西川材をいつでも選べるようにと飯能市に引っ越されたそうです。若いですが、ガチガチの伝統構法の大工さんです。


私たちは、大量の資材を使う現場ですので、今夜は倉庫のある市原に泊まって、明日はチャーターしてある7トンユニックでH網や枕木を運びます。


お盆前には、持ち揚がる予定です。


ps

もう東日本大震災で千葉県浦安市に招聘していただいてから6度目の夏になりました。

自分たちが未だに、関東でもお仕事いただけているご縁に感謝して、これからも丁寧な仕事をしないとな。としみじみします。

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2度目の熊本地震・沈下修正工事の現地調査から戻ってまいりました。


朝から両手に、レーザーポインターと荷物を持って、ウルトラ満員電車にすし詰めになって、空港に到着したら・・ちょっとほっとしたのもつかの間。

熊本空港が烈しい雷雨のため飛行機が飛ばないかも知れないので搭乗手続きは停止中。

出発30分前に、塔乗案内となるのですが・・「福岡空港へ降りる場合もあります」

そして、手荷物検査では何度もひっかかり・・原因は「安全靴」に挿入されている金属だったり・・

もう行くまでに相当疲れました。


で・・上益城郡の現場にお邪魔しました。

途中、益城町を通過したんですが、解体工事が始まった感がありました。

切ないよな・・


今回、拝見させていただいたお家は、沈下量は最大で65ミリとそれほど大きくは無かったんですが、水平(横)方向にホゾ、床が抜けていました。

これは柱や壁が斜めになっているわけですから、荷重の流れが直下しておりませんので、家の強度が劣化しているわけです。


曳家は、こうした「抜けたホゾ」「開いた土台」を引き締める専門職ですから。

この現場は自分たちには適している現場だな。と思いました。


お施主さんとは一つ違いで、親の悩みや、思ってもみなかった熊本地震での出費が必要になって、定年後の計画が変わってしまうことの心配などを、しみじみ拝聴いたしました。


自分も南海トラフ地震が来たら4mも浸水して、2mも地盤沈下するエリアに2010年に建て替えしたばかりですので・・明日は我が身です。


熊本県や九州各県には同業の曳家さんもいらっしゃいますので、自分は自分にご依頼いただいた方が出張費分も含めて「損をさせないよう」、いつも同様、丁寧な仕事をさせていただくのみです。


ps

帰りに空港までのバスの中から、再び崩落した熊本城を見ました。

「近世に修復された部分が崩落した」と報道されていますが、その工事に携わった方はまだご存命なのかな?どんな気分で聞いているんだろう?

悔しいだろうな・・などと考えながら、自分も出来るだけ「悔しくない」施工をさせていただかないとな。などと思いました。


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