大阪市住之江区にあった三井造船(本社・東京都中央区)の造船所で、下請け会社の作業員をしていた男性社員(当時63歳)の遺族が18日、同社が安全配慮を怠ったためアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんで死亡したとして、同社を相手取り約6370万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

 原告は、00年3月に肺がんで死亡した宮地秋広さんの長男、和順(かずより)さん(44)=堺市北区=ら遺族4人。

 訴状によると、宮地さんは1960~78年、三井造船大阪事業所(造船所)の下請け業者3社に所属し、溶接工として働いた。造船所では、溶接の火花が散って火災にならないよう石綿布を床に敷いたり、接合部の保温のために石綿布を巻くなどして使っており、「石綿を吸い込んだ可能性が高い」としている。

 遺族は08年3月、厚生労働省の発表で同事業所が石綿による労災認定事業所と知り、石綿健康被害救済法による特別遺族年金支給を請求。同年9月に支給決定を受けた。

 原告側は「遅くとも55年ごろには石綿の危険性は広く認識されていた」とし、「元請けの三井造船は下請け業者に対する安全配慮義務を負う。作業員が石綿を吸い込まないようにする措置を怠った」と主張している。【日野行介】

 三井造船広報室の話 訴状を受け取っていないのでコメントを差し控えたい。

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