都玉神社(福島県相馬市) | ゴシュインデイズ

都玉神社(福島県相馬市)

都玉神社(くにたまじんじゃ)。


ゴシュイン☆デイズ -まったり御朱印あつめの日々-


福島県相馬市に鎮座。

主祭神は相馬都胤命(そうまくにたねのみこと)。

合祀神は大貴己命(オオナムチノミコト)、相馬昌胤命(そうままさたねのみこと)。


正徳五年(1715年)、第五代藩主・相馬昌胤公の息子・都胤がわずか五歳という年齢で亡くなってしまう。

都胤公を寵愛していた昌胤公は嘆き悲しみ、現在の社殿のある場所の裏山に石室を築き、都胤をそこに埋葬する。

その後、享保三年(1718年)には神社を建立。

都胤の御魂を御祭神として祀ったのだという。

都胤(くにたね)公の御魂(みたま)を祀ったので、『 都玉(くにたま)神社 』と称するようになったのだとか。


さらに、昌胤公の死後、天保十三年(1842年)には昌胤公も合祀される形で都玉神社に祀られている。



第五代中村藩主・相馬昌胤公は19歳の若さで藩主となった。

文化や宗教に大変造詣が深く、相馬地方の文化発展に大いに寄与したのだという。

しかし、健康に恵まれず、わずか20年ほどで藩主の座を退く。

わずか5歳で亡くなった都玉神社の御祭神・相馬都胤は藩主の座を退き、隠居後にもうけた子供であったため、昌胤公の愛情はそれは深いものであったそうだ。


埋葬した山の前に建てられた神社ということで、奥津城(おくつき。神道のお墓のこと)としての意味合いも大きいのではないでしょうか。


ちなみにこちらの社殿。

相馬昌胤公が吉田神道を深く崇敬したということから、相馬地方には珍しい吉田神道造りの社殿なのだとか。




さてさてさて。

涼ヶ岡八幡神社を後にして、都玉神社へ。

相馬市でお参りした、相馬神社・相馬中村神社・涼ヶ岡八幡神社はいずれも相馬家とつながりの深い神社ですが、こちらも藩主とその子が祀られている神社ということで相馬市の歴史にとっては欠かせない神社です(`・ω・´)


……あ、「藩主とその子」と書きましたけど、鈴木その子じゃないですからね。

安心してください、そこまで色白ではありません。


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     【 一の鳥居 】

こちらは石造りの明神鳥居。

砂利の敷かれた参道にマッチした、素朴な風貌。

どこかのどかさを感じさせる様子で、おいらは好きです(´∀`)


ところで、こちらの神社は涼ヶ岡八幡神社からはホントにすぐ。

車だと5分も走っていないんじゃないかというくらいの距離。

ただですねえ、立地が立地なので分からずに通りすぎてしまう人も居るんじゃないかなあ (´・ω・`)


どんな立地なのかというと、


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     【 鳥居の内側から見た景色 】

そう、線路のすぐ隣なんです。

この砂利の参道も、田んぼの隣だったりして。

「そこに神社がある!」って注意して見て行かないと、曲がるべきところを通りすぎちゃいそう。



ところでこの線路、常磐線の線路なんですよね。

この常磐線。

東日本大震災のあと、相馬を走ってはいないんです。

南相馬市の鹿島駅から宮城県の亘理駅までの区間は、津波の被害があまりにも大きくて、線路や駅舎が流されてしまったところがあったり。


そして、南相馬市の鹿島駅からいわき市の久ノ浜駅までは東京電力福島第一原子力発電所の大人災のために、被害の調査すらも行えない状況が続いています。


今まで何本も何本も、行きかう列車をずっと見守ってきたこの鳥居は、誰も通ることのない線路をどのように見つめていたんでしょうね。


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     【 参道 】

落ち葉がきれいに掃き清められていて、気持ちのいい参道。

周囲の緑も多くて、すがすがしい。


参道正面奥の社殿が光に当たってぼやけたように見えるためか、参道途中の二の鳥居がくっきりと浮かび上がって見えて、まるで合成写真のよう。


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     【 手水舎 】

参道左手にある手水舎。

参道が曲がっているためか、線路からはだいぶ遠いようで、手水舎の奥は見渡す限りの木々。


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     【 二の鳥居 】

朱塗りの明神鳥居。

こちらはやや小ぶりで、身長サイズといった様子。

周りが木々に覆われているだけに朱塗りが鮮やかに映えるんだ、これが。


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参道の石段。

よく石段というと切り出した石をきれいに並べたものが多かったりするけれど、こちらの石段は自然な石をそのまま段に並べたような感じ。

風流で素敵ですな(`・ω・´)


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そして二の鳥居をくぐってからの参道は、同じように自然なままの石が並べて敷き詰められています。

こちらはちょっと足をとられて歩きづらかった (;´・ω・)

正面を見ながら歩くことはできなくて、足元を見ながら歩く感じで。

少し立ち止まっては社殿を見て、周囲を見て、とちょっとずつ近付く形でした。



さて、社殿の前には御祭神・相馬都胤命の父・昌胤公と、兄・尊胤が奉納したという石灯籠があるらしいとの事で石灯籠を散々撮影しているおいらは非常に楽しみにしていたんですが……


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Oh...


石の様子からみても、こちらの石灯籠がそれのようですな (´・ω・`)

地震の影響はやっぱり避けられないのかなあ……


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     【 社殿 】

さて、そしてこちらが都玉神社の社殿。

前述の通り、相馬地方には珍しい吉田神道造りの社殿で、拝殿と本殿が一体となった形のもの。

こちらは相馬市指定の有形文化財(建造物)になっています。


参道がけっこう長いためか社殿のあたりは静かで、神社の外とは別世界といった雰囲気。

周りの木々の風情が静寂をより大きくしているのかな。



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こちらは社殿を近くで撮影。

やはり相馬家ゆかりの神社ということで、御神紋は九曜紋のようですねえ。

扉なんかの木目も綺麗で素晴らしい。


ところで、拝殿と本殿が一体ということは、宮司さんはどこでお祈りするんでしょうかねえ。

本殿が一体ならば、入れないから社殿の前でするんでしょうか。

うーむ。このあたり、素人なので分かりません。


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     【 境内社・子安神社 】

こちらは都玉神社の社殿、右側に鎮座する子安神社。

御祭神は木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)。

都玉神社と同じく、享保三年の御創建らしい。



さて、無事参拝を済ませて社務所へ。

参道右手の、宮司さまの御自宅兼社務所へお伺いします。

チャイムを押すと、宮司さんが出てきて下さって対応頂けました。


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で、頂いた御朱印がこちら。

『 神爾 』の印だと、周りは雲の装飾になっている事が多いんですが、こちらは下半分が波の紋様。

港町・相馬らしい御朱印ですね(`・ω・´)


御朱印をお待ちしている間、宮司さまの奥様にお声かけ頂いたんですが……

非常に明るくて感じの良い方で。地震の被害が無かったか気遣って頂いたり、暑いからとドリンクを頂いてしまったり。

宮司さまもとても良い方で、明るく話しかけて下さいました。

相馬地方の神社の方々って、今までの経験だとすごく良い方が多い気がします。

これも、相馬の海や気候が生み出した恵みなのかもしれませんね。






さてさて、相馬家ゆかりの神社をお参りしたおいらですが、次はさらに南下。

一時期注目を浴びた、南相馬市へと向かいます。


…………一時期注目を浴びても、すぐに風化しちゃうのってこの国の悪い風潮だよね。

風評被害だけはずっと風化しないってのにね。






■ 都玉神社への地図



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◆ 神社の情報



都玉神社     くにたまじんじゃ


御祭神 : 相馬都胤命、相馬昌胤命、大己貴命

社格等 :

鎮座地 : 福島県相馬市坪田字高松19