福島稲荷神社(福島県福島市) | ゴシュインデイズ

福島稲荷神社(福島県福島市)

福島稲荷神社。

福島県福島市宮町に鎮座。

御祭神は豊受比売命(とようけひめのみこと)、大國主命(おおくにぬしのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)。

社格は明治二十八年に旧県社。


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   【 社号標の両脇には小さなキツネが。ちょっとかわいい。 】


社伝によると、第66代一条天皇の時代・永延元年(987年)に、陰陽師であり従四位下であった安倍晴明が詔(みことのり)によって奥州に下向する。

その際、この福島の土地は大変自然に恵まれ将来が有望な地相であると見定め、衣・食・住をつかさどる豊受比売命を伊勢神宮の外宮より勧請したのが始まりとのこと。

その後、兵火の被害に遭うなど社殿を焼失するも、江戸時代には板倉重憲、福島藩主・堀田正仲らがこれを復興。

福島藩の鎮守として代々の藩主の崇敬を集めたという。


現在の社殿は昭和62年から2年間の歳月をかけて改修したもの。

改修の際には明治神宮営繕課の技師の指導を受け工事を行ったらしい。



福島市の中心部に鎮座しているため、いろいろなパンフレットにその名前を見せる。

福島稲荷神社ということで福島を代表する稲荷神社なのだけど、意外なことに御祭神に宇迦之御魂命(ウカノミタマ)は祀られていない。

よくパンフレットでは、「伊勢神宮の外宮から勧請した豊受比売命を祀る稲荷神社は全国的にも珍しい」などの紹介をされているけども、私は相変わらずそのあたり詳しくないので珍しいのか珍しくないのか、分らないんだよなあ。

稲荷神社=ウカノミタマのイメージなので、意外という印象はあるのだけど。


ところで、この豊受比売命。

福島稲荷神社のように単体では祀られていないのかもしれないが、ウカノミタマと一緒に稲荷神社の御祭神になっていることはよくある。

保食神(ウケモチノカミ) も同じく一緒に祀られることが多い。

それというのも、「ウケ」という言葉は食物を意味し、同じく穀物の神であるウカノミタマと習合、同一視されるようになったため。

ちなみに、稲荷神社の神様がキツネだというのも後世に広まった誤解で、キツネはただの御使いなんだとか。

ただ、安倍晴明伝説による晴明の出自を考えるとこの辺りも面白い。


安倍保名という人物が、信太森(しのだのもり)に住んでいた白狐を狩人から助ける。

その後白狐は葛の葉(くずのは)という人間の女性に化けて現れ、二人は恋仲となり晴明が生まれる。

これが晴明の出自だ。このような出自であるので、人ならざる力である「式」を使うことができたというのだろう。


福島には信夫山(しのぶやま)という山があるが、これは信太森(しのだのもり)とちょっとだけ名前が似てるし、「キツネ=稲荷」というのも晴明伝説と符号する点もある。

ということは、社伝にある『晴明が勧請した』というのも、晴明伝説にこじつけて後世に創作されたものである可能性も否定はできない。

もちろん、晴明は伝説的な人物であるので、すべてが事実と考えるのは難しいし。



ただ、私はこうやっていろいろ想像するのは好きだけれども、基本的には社伝を信じるスタンスだ。

それぞれの神社にはそれぞれの物語がある。

悠久の長い時間、神様をお祀りしてきたお社は存在するだけで物語だ。

その物語がそう語るのならば、私はそれを飲み込んでお参りしたい。




話が逸れたので、いい加減境内の紹介を。


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  【 木製の明神鳥居 】


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   【 現在は色がはげているが、当初は極彩色だったようだ。 】



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   【 手水舎 】

鳥居をくぐってすぐの場所にある手水舎。

この日は蓋がかぶせられ、使えないようになっていた。

七五三の御祈祷をしていたので、子供たちが遊ばないようにという措置なんだろうか。

なんだか、屋根がすごく大きく見えるのは私だけですか。

バランスが。屋根がすごいビッグな印象。




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   【 拝殿前にある左右の狛犬 】


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七五三シーズン真っただ中で、狛犬も看板の支えに。

うーん。ちょっとかわいそうな感じも……

なんだか、看板が重くて歯を食いしばってるように見えなくもない。

きっとそれは私の誤解だろう。



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   【 拝殿 】

重厚感のある、黒を基調にした拝殿。

やはり改修してまだ20年ほどなので綺麗で立派だ。

注連縄も太くて風格がある。

社殿の周りの木々が青々と生い茂っているので、社殿の色との対比でより一層存在感を引き立てているように見える。



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ちなみにこれは以前参拝した時の様子。

このときは結婚式が行われていたようで、赤絨毯が敷かれていた。

この日は大安だったためか結婚式ラッシュだったそうで、多忙とのことで御朱印をいただけずに帰ったのです。



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   【 本殿 】

本殿の周りには高い壁と木々の枝があり、よく見えない。

でもそれでいいのです。大切だからこそ二重三重に守られていると思えば。




さて、そんなこんなで七五三の御祈祷をしていたので半ば諦めながらも社務所へ。

ところが前回の結婚式ラッシュの時と違ってちゃんと御朱印が頂けました。

それがこちら。



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これは……信夫総鎮守と日付は直筆だけど、神社のところはスタンプ……

初穂料はお気持ちでということなので、500円をお渡ししました。


この福島稲荷神社の社務所。

福島競馬場が近いためか、全国でも珍しいという『競馬勝ち守り』が販売されている。

三連単、馬単、単勝の三種類のサンプルが置いてあって、各500円。

競馬好きなお方はぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。






■福島稲荷神社への地図


   ※駐車場は社務所側から入ると境内に数台止める場所がある。




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