こんにちは。o(〃^▽^〃)o一葉です。
寒い…。関東地方めっちゃ寒い…。
冬は自家発電が必要だから困るわね~ ←意味不明
さてさて、終わっただろーそれ、に追加を重ねるのはリーちゃんの得意技です。
おまけ…は本当におまけです。それ以外でもそれ以上でもありまへん(笑)
でもおまけなのにちょっと長いでふ( ̄▽+ ̄*) にゃふーん
TOP SECRETを教えて?~1st.secret~ (ユ作)
TOP SECRETを教えて?~2nd.secret~ (セ作)
TOP SECRETを教えて?~3rd.secret~< 前編 ・後編 >(リ作)
蓮キョ愛捧げあい(応酬)まぁちゃんさまシリーズ
■ TOP SECRETを教えて? おまけ ■
大量に馬の骨を排除できると見据え、もくろみ通りの行動を起こして満足感と充足感を噛みしめた生放送での正体バラし。
しかし、京子は自分のお手つきです、と公言した事で彼女を誘う男が激増することになるとは夢にも思わず。
予定とはずいぶんと違う現実がやってきたことに落胆し、蓮が頭を抱えてから既に2週間が経過。
その間でも充分、煮え湯を飲まされていた蓮は、本日、突然もたらされた電話の内容にいてもたってもいられなくなり、意を決して口を開いた。
「 社さん。俺、この後少しだけ自由に動きたいんですけど… 」
「 ダメだ! 」
口火を切った途端、スパンと切れ味鋭いマネージャーの一喝。
顎を引きながらも蓮は更に伺いをこぼす。
「 え?どうしてです?この後、1時間ほど時間空きますよね? 」
しばし訪れる無言の時間。敏腕マネージャー社は両腕を組んで視界を閉ざし、今世紀最大級の難問にぶち当たった科学者の様に渋い表情を浮かべた。
「 昼食時間はフリータイムではないとキョーコちゃんから厳しく言い渡されている…。それというのもお前が昼飯もろくすっぽ口にしないで頻繁にキョーコちゃんに会いに行ったりするからだぞ? 」
「 ここ一週間は我慢していました! 」
そうなのである。
あの生放送の一件以来、急増した野郎どもの攻撃が心配すぎて、キョーコの仕事先が自分の現場と近ければなるべく顔を出し、遠ければ電話を掛けて牽制をする…という地味な努力を重ねていた。
それ自体は別に、自分がしたい事なのだからどうとでもない。
だが、一週間が過ぎた或る日、キョーコからついに雷が落ちたのである。
だが今日は引くわけにはいかなかった。
それが昨日なら話は違った…と思う。 ←そんな訳はない
けれど今日はどうしてもキョーコの元へ行きたい理由が出来たのだ。
「 社さん!!本当に、お願いします!20分、いえ、15分だけでいいんです!! 」
実は、先日久しく現場を同じくしたベテラン女優が、今日、キョーコと現場が一緒になるのだと話してくれていた。
彼女をよろしくお願いします、と礼儀正しく頭を下げたのが功を奏したのかその女優から、偶然キョーコが男に呼び出されたところを目撃した、と情報が飛び込んできたのだ。それもつい今し方の出来事…。
キョーコの気持ちを疑った事はないし、キョーコを信じていない訳でもない。
それでも、心配でつい足を向けたくなってしまうのは、本当は自分に自信がないせいなのだ。
綺麗で可憐な自分の彼女。
幼い頃から何も変わっていない、純真無垢で澄んだ心を持った大切な彼女。
誰もが心惹かれるのはムリもない事。それは自分が一番良く判っている。
本当は、ここ数日ずっと思っていた。
二人の関係を明かしたかったのも、世間に公表してキョーコとの仲が認められることで、ほんの少しでも自分に自信を持ちたかっただけなのかも知れないな…と。
そしてきっとそうなのだろうという確信が蓮にはあった。
まるで自分の弱気を見透かしたように、男たちは一斉に、それこそ彼女に飛びかからん勢いなのが如実に現実を物語っている。
手をすり合わせ、どうしても、と頭を下げる自分より背の高い男の懇願姿に、さすがに社も深く同情を込めたため息をついた。
妙に晴れ渡った空を見上げ、偶然にも近距離に居るキョーコの姿を思い浮かべる。
そして先ほど電話口で血相を変えた蓮のそれを、瞼の裏で思い返した。
何があったのかを口にするほど蓮が素直じゃない事など百も承知。もっとも聞かなくてもキョーコ絡みだという事は見当がつく。
社は体裁を整えるため、胡乱げなまなざしを眼鏡の奥にしたためた。
「 …時間、厳守だぞ? 」
「 有難うございます!!行ってきます! 」
「 はやっ!! 」
近い…とはいえ、隣の建物にいるのとは訳が違う。
一目散に駆け出した蓮の後姿を見送り、本当に15分で帰ってきたら大物だよお前…と社は普段と変わらない音声で独り言ちる。
同意を求めたくも周囲に気持ちを共有できる仲間はおらず、社は致し方なくキョーコからよろしくお願いします!と頭を下げられて預かった巾着袋に視線を落とすと、なぁ?と細く笑顔を浮かべた。
忍び足…というよりは探り足での探索。
転がり込んできた情報通り、キョーコは撮影スタジオの外。大道具を納めておくためだけに存在する非常に色気のない真っ白なコンクリート建造物の裏手に、どうにも蓮の記憶には全くない俳優風の男と二人でいた。
「 本当にすみません… 」
内容から、蓮とさほど変わらない時間のご到着だったことは直ぐに察しが付いた。
息を潜め
気配を殺し
蓮はそっと近づいて様子をうかがう。
キョーコの謝罪の言葉が聞こえた後、しばし無言の時間が続き、再びキョーコの声が蓮の耳に届いた。
「 本当にすみません。こんな私にお声掛け頂けるのは本当にありがたいと思っているのですが、私、敦賀さん以外の人とは考えられないんです。本当にごめんなさい 」
「 いや、でもさ?そうやって自分の視野を狭めるのって良くないと思わない?何も今すぐ付き合って!とかじゃなくて、男友達として付き合ってもらって、オレの事を徐々に判ってもらえたらって思うんだけど… 」
「 ですからそれが無理なんです! 」
あまりにハッキリと断言する声。キョーコは明瞭快活な声で言葉を続ける。
「 自分のプライベートな時間は自分の大切な人の為に…出来れば敦賀さんの為に使いたいんです。本当にすみません 」
勢いよく、いつもの調子でキョーコがぺこりと頭を下げたのが見えて。
その瞬間、蓮の心にふわりと温かい花が咲いた気がした。
自然と口元に笑みがこぼれて、嬉しくて視界が滲むのではないかと思った。
壁に押し当てていた背筋をピンと伸ばし、照れくささで一杯になって、同時にほんの少しの罪悪感を覚える。
『 心配ばかりしてないで、私を信じて下さい! 』
『 信じていない訳じゃないよ!ただ、何かあったらって思ったら… 』
『 大丈夫ですから!何か困ったことがあったら、ちゃんと一番に敦賀さんに連絡しますから 』
――――― だからちゃんとお昼は召し上がってくださいね?
私も、頑張りますから…。
耳元でキョーコの言葉がこだました。
自分に自信が無いとかほざきながら、本当は彼女を信じていなかったのかな…なんてまた反省の色を浮かべる。
離したくない大切な彼女。
誰にも渡したくない大切な自分の宝物。
今すぐ駆け寄って、彼女をきつく抱き締めたかったけど。
そっとその場から一歩を踏み出し、蓮は一度穏やかに瞼を閉じた。
キョーコに声を掛けることをやめ、そのまま社の元へと踵を返す。
壁の向こうで、キョーコがクスリ…と笑った事に、蓮が気付くことは出来なかった。
「 お?思ったよりも早かったな?それでも約束より遅れているけどな… 」
「 …すみません 」
「 いや。別に良いけどさ。じゃあ、蓮、これ… 」
ずいっと社から差し出された手作り風の巾着に視線を落とすと、蓮は素っ頓狂な顔で何ですか?と聞きながらそれを受け取った。
「 何って、キョーコちゃんから預かって来たんだよ。どうせお前、ロケ弁なんてほとんど口にしないだろ?だからって… 」
「 え?あ、有難うございます… 」
イスに腰を下ろし巾着のひもをほどくと、恐らくはキョーコが作ったのだろうおむすびが三つ。
「 ちなみに俺のも貰ってるから、お前、それ位は自分で食べろよ? 」
そう言って、社はロケ弁のおかずを少し失敬しよう、と蓋を開けてにまりと笑い、お茶を汲んでほら…と蓮に差し出した。それも素直に受け取って、蓮は再びおむすびへと視線を落とす。
「 ああ…すみません… 」
蓮の脳裏で再びキョーコの言葉が蘇った。
――――― だからちゃんとお昼は召し上がってくださいね?
私も、頑張りますから…。
幾度かそれを繰り返して、蓮は神妙に目を細める。
届ける気のない彼女への質問が、当たり前のようにふわりと湧き上がった。
…ねぇ?頑張るって、こういう事だったの?
君だって、決して自由な時間が多いわけではないのに。
俺てっきり、自分で何とかしてみせるからって、そういう意味だと思っていたのに…。
「 蓮?おにぎりの具、何だと思う? 」
楽しそうに、嬉しそうに言葉を弾ませた社に向けて、蓮は微笑ましげに笑顔をこぼした。
先ほど聞いたばかりの彼女の言葉がふと蘇って、キョーコを想う愛しさに拍車がかかる。
……自分のプライベートの時間は
敦賀さんのために使いたいんです…
嬉しすぎて、もうどうしようもない、と思った。
直接言葉で言われるより、何百倍も彼女の想いを感じる。
「 俺、判りますよ… 」
「 へ?お前、さすがだな… 」
こんな矮小な自分なのに。
彼女はいつも大きな気持ちをくれる。
愛しくて、可愛くて、誰よりも大切に守りたい人。
眩しくて、純粋で、何より気高く綺麗な俺の花 ――――――― …
君の事を、俺は誰よりも深く真剣に愛しているよ…
「 ええ…中身は、愛なんです 」
「 ………は? 」
嬉しそうにきっぱりと、満面の笑顔を浮かべながら蓮は間違いないです!と何度も首を縦に振った。
「 あれ?敦賀くん、お昼ロケ弁あるよ? 」
「 あ、有難うございます。でも俺、これで充分なんで… 」
「 手作りのおにぎり?珍しいね? 」
「 はい。彼女が、作ってくれたんです… 」
―――――― 以降…
キョーコ特製のお弁当を食べる蓮の姿がたびたび目撃されるようになり、二人を邪魔しようと躍起になる男が一人、また一人と脱落していった。
そして、蓮のキョーコに対する態度に余裕が生まれるのと時を同じく、徐々に二人の周辺が落ち着くようになるのに、そう大した時間はかからなかった。
E N D
…こう、ね。一見男がしっかりしているようで、実は女の子の方がしっかりしているんですよーっていうの。結構好きなのです♪
ちなみに、おまけで何を書きたかったのかっていうとね、ラストの方の蓮様のセリフです。
おむすびの中身は「愛」ですって言わせたかったの( ´艸`)
一葉はね、「おにぎり」より「おむすび」の方が好きです。人の心を結んでくれるから「おむすび」って言うんだよって、小さい頃に絵本でそう教わったような記憶があります。
そういう、おおらかな感性が欲しいですー。
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