おはようございま~すヾ(@^▽^@)ノ
きゃ~何だか久しく見ていなかったタイトルね♪…と誰もが思われたことでしょう…ええもう、どれだけ時間をかけているんでしょうか、と自分ツッコミ…。
ホント、まぁちゃんさま、ごめんなさい。(。-人-。) ←自分で募集しておいて…
でも、熟成♪熟成させました一葉!!そしてとんでもなく長くなりましたのことよ(爆)2分割させなきゃいけないほど!!!
ユーちゃんのように書くことが出来なくても!セーちゃんのように書くことが出来なくても!
リーちゃんはリーちゃんなりに、頑張りましたですっ★
楽しんで頂けたら幸いですо(ж>▽<)y ☆いえ、違うわ!!
楽しんでいただけますように~!!
TOP SECRETを教えて?~1st.secret~ (ユ作)
TOP SECRETを教えて?~2nd.secret~ (セ作)
蓮キョ愛捧げあい(応酬)まぁちゃんさまシリーズ
■ TOP SECRETを教えて? 3rd.secret◇前編 ■
はあ、疲れた…。
京子の楽屋ではなく、誰にも見つからない様にカインの楽屋に一人で足を踏み入れたキョーコの第一声は、実際には声に出さずの脳内での深い溜息。
2年以上も前の恥ずかしい初キスマーク体験談に、よもやこれほど翻弄されることになるなど露ほども思っていなかった…と肩で息を繰り返す。
先輩後輩として接していたあの時期。蓮が久遠であることも知らなかったあの頃。
カインとセツカとして、二人きりで過ごしたあの時間は濃密な秘密の時間でもあった。
不安定に揺れていたあの時の彼が脳裏に蘇るだけで自分の顔はいつでも神妙な面持ちにとって変わる。
キョーコは楽屋の鏡の前で自分の双眸を見つめた。自身を促す様にコクリ…と頷くと、自らの手で静かにセツカへと生まれ変わった。
ほどなく楽屋に響いたノックの音でセツカはヒョイと顔を上げる。
気怠そうに足を向けた扉の前で一度立ち尽くすと、開錠して扉を開け予想通り迎えにきてくれた愛しい人の登場に自然と笑顔を作った。
「 セツ…用意できたか? 」
「 もちろんよ 」
妖しげに口元を緩ませフフフ…と意味深に笑うセツカに目を細め、蓮は優しげな瞳でキョーコを見下ろす。
何度も。
何度も込み上げる多々なる想いを、胸の内で大切に噛みしめた。
愛しくて、可愛くて、誰よりも大切に守りたい人。
眩しくて、純粋で、何よりも気高く綺麗な俺の花 ――――― …
今日、本当の意味で俺は君を捕まえてみせるから…
蓮はキョーコに気付かれない様に思惑を握りしめた。
いつもの調子でセツカの腰を抱くとにっこりと笑い合ってから寄り添いあう。
そしてそのまま、二人はスタジオへと向かった。
「 よし、みんな!第二部ゲストはトラジックマーカーの皆様やでー!! 」
司会者の声に促され、近衛監督を筆頭として主演の村雨、ヒロイン役の愛華、そしてカイン…と彼にべったりとくっついて離れないセツカが登場し、スタジオ内は雷鳴のようなどよめきが広がり、また別の意味でざわめきが波のように広がった。
それもそのはずである。トラジックマーカーは公開されロングランヒットとなった2年前、日本国内のみならず海外でも高い評価を得た映画。
当然出演者の顔は一般人の知る所であるが、カインと雰囲気を同じくしたセツカを知るものは映画関係者のみである。
番組が用意した4人掛けのソファに先頭から順に腰を下ろすと、恐らくセツカの為に用意されたのであろう少し離れた所にある一人掛けのソファに蓮は腰を下ろした。そのまま当たり前のように自分の膝の上にセツカを座らせると、さすがに観客以外の人間からも微かな呟きの声が漏れる。
「 …え?あ、れ? 」
「 お…おう? 」
セツカがカインの通訳としてついて来る事を聞いていた司会の芸人達も、これにはさすがに唖然とした。
だが、気にしない方がいいです…と引きつった笑顔で言った村雨の言葉を受け止め、そうですか?と間を空けて呟くと、この状況は突っ込まなくてもいいのか?…と何度も仲間達と視線で会話をする。
しかしそれも、総合司会者があえて何事も無かったかのように手元のフリップに視線を落とした事でひとまずその場はよしとなった。
そして総司会者はコーナーのスタート音楽と共に一癖ある笑顔を浮かべて笑いを誘うべく口を開いた。
「 えーまず、会場の皆様のみならず、お茶の間の皆様も、いまテレビ画面のこちら側で何が起こっているのかを把握しかねている事と思われますが、カインさんの膝の上にいらっしゃいますのは、撮影の間中、カインさんの通訳としてご一緒していた雪花・ヒールさんです。えーまあ、敢えてそれ以上は突っ込まない方向で行きましょう。そのうち機会が見つかると思いますので… 」
ここから…
人知れずキョーコの受難は続き、蓮の策略は静かに進行していくことになる。
人目をはばかることなくセツカに変貌した自分の恋人を大切に抱きしめる蓮。
キョーコは恥ずかしさと照れくささから小さく抵抗を示しながらも、見た目は蓮の膝の上でおとなしく収まり続ける。
質問を振られるたびにキョーコは通訳としての役目を果たさねばならず、その都度、蓮は思惑を孕んだ回答をキョーコへと耳打ちした。そしてその度に、キョーコは何度も心の中で叫び声をあげる羽目になる。
「 まず、監督。撮影は予定通りに進んだんですか? 」
「 まあ、だいたいね。でも…最初の時もそうだったけど、今回の撮影もカイン君の都合があって、彼だけはひと月近く遅れてからの合流だったから撮影は根をつめたよね 」
にこやかに答えた監督の言葉を受け、司会者は話題の矛先をカインへと変更。
「 へえ?じゃあ、カインさん。殺人鬼を演じると言うのは大変だと思うのですが、役作りなどはどうしたのでしょうか? 」
無難で誰もが一度は投げたいだろう質問に、村雨は司会者ナイス!と心の中で拳を握りしめた。
質問を受けたカインはセツカの通訳を介し、回答するべく緩慢に動きを見せる。
ピンマイクに拾われないよう彼女の耳元に唇を近づけ、あくまでも小さい声で愛しい恋人に甘く囁いた。
――――― 君がやってくれっていうなら、俺はどんな役でもこなしてみせるよ…。
ひ ――――――― !!!!!
何を耳打ちしちゃってくれてるの、敦賀さんってば!!
心の中で絶叫を上げるが決して顔にも態度にも出さず。
アウトローな笑顔を乗せつつ背中でタラリと冷や汗を流す技(?)を人知れず体得したキョーコ。しかし、あくまでもセツカとして行動している彼女は見た目平然と口を開く。
「 …役作りなど他の役者とやっている事は大差無い。依頼があればどんな役でも完璧にこなす自信がある…って言ってるわ… 」
ちなみに。
蓮の方が噴き出しそうになり右手で静かに口元を覆うが、それに気付けるような余裕をキョーコはこれっぽっちも持ち合わせてなどいなかった。
セツカの回答を受け司会者兼芸人の面々は感心した風に溜息を吐き、総司会者はフリップの内容に沿って更に質問を続ける。
「 えーっと?どうやら噂によるとカイン・ヒールさんは遅刻魔だそうですが、真相はどうなんでしょう?村雨さん 」
「 ああ、それ、紛れも無い事実ですよ。前回の時より今回の方がいくらかマシでしたけどね!それでも1時間前後は平気で遅れて来て、なのに撮影はサクサク進むところがまた気に食わないっていうね… 」
仏頂面で答えた村雨の言葉に愛華があはは…と笑い声をあげ、続けて芸人がツッコミを入れ、会話はどんどんと弾んでいく。
「 そうよねー。村雨さんってば今回もちゃっかりカインさんと友情を構築していましたよね♪ 」
「 おや?意外にも村雨さんとカインさんは仲がいいんですか? 」
「 いやいや!!それ彼女の幻想です。愛華ちゃん、まだそんなこと思ってたの? 」
「 えー?幻想じゃないですよー!村雨さんとカインさんは案外、拳で語り合う仲なんですよー 」
「 まあ、殺人鬼っていうのは役の上でのことですからね。ちなみに撮影後にみなさんでどこかに行かれたりとか~? 」
んー…と考えた村雨が口を開くとまたそれに続くように愛華が言葉を続ける。
「 カイン以外とは行ったりしていましたね 」
「 そうなんです!映画は2作目ですけど新しいスタッフさんも役者さんもいらっしゃったので、親睦を深めるためと称した飲み会を何度かしたんですよー。カインさん抜きで!! 」
そこで司会者が再びカインへと向き直った。
「 え?カインさんは一度も行かれなかったんですか?よもやアルコール苦手だとか? 」
質問を受け、カインはまたニヤリと口元を歪ませた。
変わらず愛しい彼女の耳元に回答を囁きかける。
――――― 君と過ごせる貴重な時間を別の事に使うなんて有り得ないよね?君の肌、優しくてずっと触れていたかったよ…
鼓膜を震わす蓮の言葉でキョーコの心はもはや半泣き。
耳打ちされるセリフは恋人としての甘い言葉。しかし、現状、気を張って仕事をしている今の自分には平常心を保つことに精一杯過ぎて、蓮のセリフをどうカイン語に変換すべきかと脳内で思いきり救助を叫ぶ。
しかし、助けなど来ないのである。
キョーコは必死に思考をフル回転させた。
「 …なにしろつまみが口に合わないから、わざわざ付き合うに値しないって言ってるわ… 」
「 ああ、味覚、違いますよね。それありがちー 」
「 えー?でも日本人の血も入っているはずなのにぃー 」
「 あ、そうなんだ?カインさん、日本人の血も?全くそうは見えないけどねー 」
「 向こうは日本とは雰囲気ちゃうんやろなー 」
「 やっぱりアメリカみたいに人前でも平気でチューしたりとか?どうなん? 」
矢継ぎ早に飛び交う質問に瞬間、キョーコはぎくりと肩を強張らせた。
先ほど京子として受けた質問がすばやく脳裏を過ぎる。
本当に、今日は何て日だろう…とキョーコが脳内でブチブチと文句をかますと、タイミングを得た!とばかりに総司会者の男が愉快そうに口を開いた。
「 はい!ここでトップシークレットーぉ!!こちらは特殊メイク班からのタレコミですぅ。えーナニナニ?以前の撮影でカインさんが首筋に歯型ともキスマークとも取れるモノを付けてきたことがある!と断言なさっているのですが、これは本当の事なんでしょうか?カインさん!?どうなんです? 」
この問いかけに、近衛監督はアハハ…と乾いた笑いを漏らし、村雨は嫌な事を思い出したとばかりに苦虫を潰したような顔になり、愛華は余計な事を!と口を思いきり尖らせた。
その時、初めてカインが口を開いた。
セツカ以外の人間に視線を向けて、ゆったりと日本語を口に乗せる。
「 そうだな。事実だ… 」
突然飛び出した流暢な日本語。
誰もが一様に目を点にさせた。
「 なっ!!!!! 」
反射的に顔を上げて村雨が言葉を詰まらせると、それがスイッチになったかのようにザワリ…とスタジオ内がざわつき始める。
だが蓮は気にも留めずに膝上のセツカへと視線を投げた。
ニヤリ…と笑みを深め、頬杖を突きながら余裕の笑顔でセツカの髪を一度梳く。
「 なあ?セツ… 」
「 な…なにっ!?? 」
呼ばれてキョーコの心臓が早鐘を打った。ドクン、ドクン、とまるで体全体が心臓になったのではと思えるほど耳元で激しく鼓動が響く。
一体、この人はどうしたというのか。
困惑の海が脳裏に拡がる。しかしキョーコは蓮の言葉を待つことしか出来ない。
スタジオ内は少しのざわめきを育みつつ、突然降ってわいた興味深いスキャンダラス的質問内容から続く二人の動向に注意深く視線を注ぐ。
「 お前はさっきのゲストの話、聞いていたか? 」
「 え゛っ!? 」
キョーコの脳裏はもう気が気ではなく、身体が強張り手に汗を握っている。
愛しい彼女の心情を察しながらも、蓮は策略を実行すべく、数度瞬きをすると日本語で丁寧に言葉を紡いだ。
「 キス・マーク…お前も最初、下手だったよな? 」
目を細めて口元を妖艶に歪ませると、カインは左の首筋をトントン…と指で弾いた。
⇒リ作「TOP SECRETを教えて?3rd◇後編」 に続きます
前後編に分けるか3⇒4で続けるかで悩んだのですが、敢えて前後編にしました。
こちらのお話は後編で終了でーす♪(///∇//)わーい♪
あ、でもセーちゃんかユーちゃんが続けたいって言うなら3⇒4に変更してもいいけどぉ?
キョーコちゃんガンバレー(←頑張りようがないと思うけど・笑)
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