ぶえっくしゅ!!( >艸<)=3 うにょーん、な一葉でーす。
どうやら秋花粉症再来。
今年も結局付き合うのか…( ̄ー ̄;…とアレルギー性鼻炎薬を飲みましたよ一葉!!←いつもお世話になっている個人病院、混んでいるからイヤ~
風邪と花粉症を見分ける大きな差は思考の差でして、下書きに向き合って清書出来れば花粉症。出来なければ風邪です!( ̄◇ ̄ )きっぱり
はー良かったわ、花粉症で!! ←ある意味ラッキ♪
さて、予告通り本日でリーちゃんターン終了です!
試行錯誤の上、本日やはりというべきか、長いです。ヤッシー編より長くなりましたのです。よろー(^O^)ノ
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蓮キョ愛捧げあい(応酬)命がけシリーズ
■ 目の保養は命がけ 22 ■
目の前で何が起こったというのか。
キョーコは目を点にした。
両手で口元を隠す様に抑え、声を発することも忘れて二人をただ見守る。
理由は判らなかった。けれど視界に認められる社の背中が明らかに怒っていることだけはキョーコにも判る。
蓮の腹部を直撃した右拳が緩やかに開かれ
同時に社の口から言葉が滑り落ちた。
「 …念の為に言っておくけど、身体を鍛えているお前が力を込めた腹筋に突っ込めば、痛いのは俺の方だと思うだろ? 」
まるで種明かしをするようなセリフがぼんやりと耳を素通りする。
何度もプラプラと腕を揺するその仕草を、キョーコはただ呆然と見つめた。
「 蓮…俺はほんとに情けないよ… 」
名を呼ばれ、蓮は黙って社を見上げた。
あえて口をつぐんだまま、深くこぼされた社の溜息を受け止める。
「 どうしてお前の着替えが済んでいて、キョーコちゃんがいまだにバスタオルを肩に巻いているんだよ?お前、それでも男か? 」
あきれ返ったような台詞に、やっぱり怒られた…と蓮は思った。
不意に自分を小突いた一撃、理由は聞かずとも判っていた。
社からゆっくりと視線をはずし、さてどうしたものか…と頭の中で対応策を練ろうとした時、社の言葉で我に返ったのかキョーコが慌てて口を開いた。
「 社さん、違います!あの、私が先に敦賀さんに着替えを勧めたんです! 」
「 キョーコちゃん、いいの!! 」
即答した言葉がぴしゃりと響く。
キョーコの方へいったん振り向きすぐ蓮へと視線を戻すと、社はフン!と鼻息を荒く腕を組んで胸を張った。
――――――― 社は知らない。
このとき
蓮の一番の応援者として
キョーコの心に、一番響く言葉を口にした事実を…
「 蓮?俺はな、これでもお前を筋金入りのフェミニストだと思っていた。けどいまこの場を持ってこの考えを闇に葬り去る事にする。いいか?キョーコちゃんを本当に大切に思っているなら、せめて相応の事をしろよ!いつもどんだけお前がキョーコちゃんを気に掛けた所で、肝心の相手に通じなければそれは意味なんかないだろーが!フェミニストパワーを好きな子に使わないで、いつ使うって言うんだよ!! 」
まくし立てた社がはあ…と息を吐くと、楽屋には少しの沈黙の時間が流れた。
目を見開いたキョーコが、コクリ…とつばを飲み込む。
その瞬間でさえ、蓮はただそれを見つめた。
「 …――――――― え? 」
キョーコの心臓が、ドクン…と音を響かせた。
「 …いつ、も…? 」
いま聞いたばかりの社の言葉を、キョーコは懸命に反芻する。
「 私、を…? 」
――――――― それは、どれほど信頼を置ける言葉だっただろうか。
思いがけず耳を掠めた社の言葉
常に蓮と行動を共にしているこの人は
きっと誰よりも彼のことを良く知っているに違いない
何の思惑もなく
どんな計算も無く
思わず飛び出しただろうその言葉で
こんなにも自分を幸せにする事があるなど、きっと夢にも思った事はなかった…
「 敦賀…さん、が…? 」
胸が震えて、静かに涙が膨れ上がった。
徐々に霞んでいく視界の向こうで、お腹を抱えてうずくまっていたかけがえのない想い人が、自分に向けてクスリ…と幸せそうに微笑んだのが薄く見えた。
立ち上がりながら、蓮がゆっくりと言葉を刻む。
「 最上さん、信じてくれた? 」
その言葉に、心臓が止まってしまうのではないかと思った。
呼吸が苦しくて、涙がとめどなく溢れて
胸が静かに温度を上げて行くのを確かに感じていた。
一歩、また一歩と自分に近づく蓮を見上げ、こぼれ落ちる涙を拭いもしないでただひたすらに彼を見つめる。
「 俺は、君を好きだよ? 」
「 つるが…さ… 」
耳に届いた告白の言葉が
きらめきながら自分に降り注がれる。
それ以上の言葉なんて一つも出なくて、ただ幸せな輝きだけが幾重も自分の頬を滑り落ちて行った。
「 社さんの言う通りだよね。どれほど想っていても通じるとは限らない。行動に移してみたところで君に通じるとは思っていなかった 」
…だけど君は、感じてくれていたよね?
「 俺が、君を好きなんだって 」
腰を屈めながら、自分を見下ろす視線の優しさに釘付けになった。
静かに頬に触れて、溢れる涙を掬い上げる指先の熱さに息が弾む。
何度見ても見飽きる事のない蓮の顔が、満面の笑みを湛えて自分の頬に口づける。
キョーコはただそれを涙顔で受け止めた。
「 敦賀さん~~~~~~~~… 」
「 いいよ?嬉しくて流れる涙なら、いくら流したって大丈夫なんだから 」
自分の胸に縋って、キョーコの細められた瞳から零れ落ちる宝石を蓮は見つめた。
愛しくて、温かくて、ただ、嬉しかった。
「 …え、と…? 」
ボロボロと涙を流すキョーコ。
優しい笑顔を浮かべながら嬉しそうに頬を緩めて宥める蓮。
急遽楽屋に飛び出した二人の親密度満点な雰囲気に当てられ、社は頭にハテナマークをこれでもかと飛ばした。
やがて…
好きな子を甘やかす蓮の極上破顔な笑顔を眺めてようやく思考が追いつくと、社の胸も熱を覚える。
もらい泣きを貰って、社は踵を返して二人に向き直った。
おい、やっとか…?という思いが浮かぶと、胸ポケットに常駐していた携帯電話が本当のタイムリミットを知らせるべくブルブルと震えだした事に気付く。
眉尻を下げ、社は複雑な心境で溜息を吐いた。
「 …キョーコちゃん、ごめんね?こいつ、もう次の仕事があるから連れて行かないといけないんだ 」
「 …はい、判って…います 」
「 今回のキョーコちゃんの撮影に関して、要求はもう既に出してあるけど、詰める所までの時間は無かったから申し訳ないけど椹主任に連絡させてもらった。もうすぐ来てくれるから。そうしたら病院にも連れて行ってくれるから、ちゃんと行くんだよ? 」
「 はい。ありがとうございます 」
「 いいんだよ。俺はね、蓮のマネージャーだから、蓮の味方でもあって、同時にキョーコちゃんの味方でもあるの 」
担当俳優の心のケアをするのはマネージャーとして当たり前の事。
自分の仕事が人に感謝されるべきものでは無いと判っている。
担当俳優の為に全力を尽くすことは当たり前の事であって、それが自分の仕事でもあり、自分はその仕事に誇りを持っているのだ。
涙を零すキョーコの顔を自分の胸で受け止めながら、蓮は満足そうにニッコリと笑った社に視線を投げた。
時々は口にしていた。
けれど常に思っていた事を言葉に変えて。
「 俺、本当に社さんには一生、頭があがらないんだろうなって思っています。いつも、真剣に感謝しています。社さん、ありがとうございます 」
キョーコの気持ちを動かしたのが実は自分だと知ったら、この先もきっとこの人に遊ばれるんだろうな、と蓮は思う。
なので、今日ここであったこの真実だけは、出来うる限り封印しておこう、と爽やかな笑顔の下で腹黒い誓いを立てた。
「 いいもんだな。そうやって、感謝の言葉を言われるのは… 」
誇らしげな笑顔で、社は感慨深く瞼を閉じた。
⇒リ作「目の保養は命がけ・23」 に続くのだ
キョコちゃんの撮影に関しての情報を拾い上げ。ついでにヤッシーの心のケアを一葉がしてみました(笑)
さて、今回は拍手におまけ話を注入しました。こちらも拾い上げネタです。同時に「話の回収も一葉で」というセーちゃんの言葉を受けて、回収してみました。
※おまけ話はシリーズ23話として表アップになりました。
新たなおまけ話を注入致しましたのです。
思わず長く続いた命がけシリーズでしたが、自分が考えた事すべて放り込んで拾い上げることが出来たことに満足しております。同時にそれを容認してくれた二人に感謝の言葉を。
あーりがとーぉぅ!!о(ж>▽<)y ☆
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