一迅社文庫アイリス編集部

一迅社文庫アイリスの最新情報&編集部近況…などをお知らせしたいな、

という編集部ブログ。


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こんにちは!!

アイリスNEO創刊第1弾の発売日がいよいよ迫って参りました!!
ということで、予告通りアイリスNEOでも試し読みを実施いたします!(≧▽≦)!

試し読み第1弾は……
アイリス恋愛ファンタジー大賞・大賞受賞作
『四竜帝(しりゅうてい)の大陸』
四竜帝
著:林ちい 絵:Izumi

★STORY★
パジャマ姿でくつろいでいた【りこ】が冷蔵庫を開けた、次の瞬間――なぜかキラキラ王子が目の前に!? 見回せば、なぜか中世風の舞踏会場には、ドレス姿のコスプレ集団?
意味不明な状況に陥った彼女は、どうやら言語も通じない異世界に召喚されてしまったようで……。って、何でなの(涙目)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 泣いても叫んでも、この状況は変わらない。家からここへ来てしまったということは、逆に、家に帰れる可能性があるってことだと思う……明日になったらイケメン王子様が魔法とかでぱぱぱーっと、私を家の冷蔵庫の前に送ってくれる可能性だってゼロじゃない。……そう、そうよ! 希望は持とう、うん。

『……きっと、なにかの手違いなのよ。女子高生のはずが私になっちゃって……二十四にもなると美形王子様と恋愛できるかもしれないファンタジーの世界より、普通顔の一般人がいる現実世界の方がずっと価値があるのよね……帰れるとしたら、日曜までに帰れ……え?』

 あ、あれ、なに!? 薔薇の上を白い何かが飛んで……なんだろう? 夜だから大型の蛾? でも、蛾にしては大き過ぎるわよね? もしかして、蝙蝠の一種? 小型犬位ありそうだけど……危ない生物だったら、どうし……。

『え? ちょっと、あれってまさかっ……』

 私は急いでガゼボから出て、白い影が良く見える位置に移動した。

『あ、あれって……りゅ、竜!?』

 はっきり見たい、確認したい! あの飛んでる生き物……私には竜に見えるんですけど!? 胴長のアジアっぽい竜じゃなくて、西洋の竜に近い……やっぱりここって、異世界なの!? 過去のヨーロッパだったら、竜がいるなんて有り得ないもの! もっと近くで見たいし、可能なら触ってみたいかもっ。あれって野生なのかな? それとも、ここで放し飼いにされてるペット竜!?

『あ、やだ、興奮してきちゃった!』

 私はお気に入りのトカゲさんの写真を手帳に挟んで持ち歩いてるくらい鱗系爬虫類が大好きなの。あの竜が鱗系爬虫類ならぜひぜひ捕獲、じゃなくて間近で観察したい!

『あ! ス、スマホは!?』

 パジャマのポケットを探ったけれど、スマホは無かった。やだ、キッチンテーブルの上に置いてきちゃった! あぁ、竜の写真が撮れないなんて、異世界に来た意味が無いわよ、なんて失態!

『と、取り敢えずもっと近くに行っ……ッ!?』

 足を踏み出すと同時に、驚くべき事がおこった。一瞬のうちに、竜が目の前に居た。月明かりの下でもはっきりと分かる、真珠色の鱗。長い尾を持ち、胴長の小型犬のような大きさの身体からは翼が生え、それを優雅に動かして私の顔の前に浮いていた。

『本物のりゅ、竜っ……』

 アーモンド形の大きな瞳は黄金色で、真ん中に黒く細い瞳孔が……なんて綺麗な竜なの!? 大好きなアルマジロトカゲとヒョウモントカゲモドキを、確実に超えてきたわよ!

 =人間。お前、臭い。
『え……え? く、臭い!? お風呂は入ってきたのに!? ……って、誰!? 何処でしゃべってるの!? 私、今は竜さんを観察するので忙しいから後にしてくださっ……ん? に、日本語!?』

 日本語よね!? 内容はともかく、確かに日本語だった!

 =騒がしい女だ。お前の前に居るのは我だけなのだから、我が話しかけたに決まっておろう?
『えええええ~! ど、どうしよう!? 日本語が喋れる竜さんなんて、すごい! 嬉しい!!』

 私は喜びのあまり、目の前の白いオチビ竜を両手で掴み引き寄せ、抱きしめた。

 =ッ!? …………あ、あまりにも予想外過ぎて、避ける気も起きなかったのだ。このような突拍子もないことをするとは、お前は我を恐れぬのか!?
『え? うん、怖くないよ? だって、貴方はすごく可愛いもの!』
 =か、可愛い!? 我が!?
『うん、とっても可愛い!』
 =……我が可愛い、か。面白い人間だ。

 可愛いだけじゃなく、この竜さんは私と意思の疎通ができる。嬉しい、本当に嬉しい!

『竜さんはどんな言葉も喋れる特殊能力があるのんでしょう? すごい能力ね! さすが、異世界!』
 =お前、阿呆だな? そのような都合の良い能力が存在するはずなかろう? 我のこれは念話だ。  
『え? 念話?』

 黄金の眼に私が映ってる……なんて綺麗な眼。あぁ、うっとりしちゃう……ううん、うっとりしてる場合じゃない!

『私には、母国語として聞こえてるのよ?』
 =“聞こえて”はないのだ。この姿の我は声を持たぬのだ。脳がそう感じるだけだ。

 そういえば、この超可愛いおちび竜さんの声質はわからない。念話って、テレパシーのようなものなのかも……え? じゃぁ、もしかして……。

『念話って、私の考えてる事がつつぬけになっちゃう能力なの!?』
 =できるがやらん。我はお前の思考など興味が無い。
『よ、良かった~』

 ほっとした。鱗好きの私の頭の中で、アルマジロトカゲとヒョウモントカゲモドキとこのオチビ竜竜さんを並べて愛でているのがばれなくて良かった。このおちび竜さんは口調からして、プライド高そうだしね。

 =……おい。いい加減、我を離さんか。我は仕事をしにきたのだぞ?

 し、仕事!? このおちび竜さんが働いてるなんて、さすが異世界! 

『お仕事、急ぎなの? 私、貴方ともっと話したいの……駄目?』
 =我ともっと“お話”したいと? この我と? 

 勢いに任せて勝手に抱っこしちゃったけど……せっかく出会えた意思疎通のできる存在だもの。離れたくない……っていか、逃がさないんだから!

『ね、お願い! ガゼボのベンチに座って話さない? あ! 枕に座っていいのよ? とってもふかふかなのよ?』

 そう言って誘うと、白いおちび竜さんは私を見上げていた顔をこてんと右に傾け。

 =……ふかふか? ふかふか……我は“ふかふか”の意味がよく分からんので、体験してやってもよい。

 と、言った。

『ッ!?』

 その姿のラブリーさに内心絶叫しつつ、私はいそいそとベンチへと移動して、おちび竜さんを枕の上に置いた。正直、離したくなかったけれど、枕にお座りする可愛らしい姿も見たいという気持ちも……スマホがないのが、心底悔やまれた。それほど、このおちび竜さんの座る姿は愛らしく、枕の上にちょこんと座り短い足をぷらぷらさせる姿は鼻血ものだった。

 =ふむ。これがふかふか、というものか。枕に座ったのは初めてなのだ。ふむ、気に入った。

『あ、あのね。もしも可能ならば私と一緒に居て欲しいのっ……一緒に居てください、お願いします! 私でできることならなんでもするからっ……ずっと一緒に居てください!』

 私は枕の上に座ったおちび竜さんの前に正座を、人生初の土下座をした。だって、独りは嫌。こんな訳の分からない状況に独りなんて、嫌よ! すごく怖いし、とても寂しい……帰る方法が分かるまで、このオチビ竜さんと一緒に居させて欲しい!
 初めての土下座だったので、気負いすぎてごつんと額上部をぶつけてしまった私は、すぐに頭を上げて……おちび竜さんの可愛らしい動作に悩殺された。枕の上に仁王立ちし、ぽっこりしたお腹を突き出して、小さなお手々は腰に……とっても、可愛い!

 =ほう……ずっと一緒に、か………面白い、受けて立とうではないかっ!
『じゃ、じゃあ、一緒に居てくれるの?』
 =我の名を呼ぶのだ! それができたなら、ずっと一緒に居てやる。

 黄金の眼をくりんと回しながら、おちび竜さんは言った。え? 名前? そういえば、この子の名前って……。

『まだ、名前を教えてもらってないから呼べないよ?』
 =無いのだから、教えられん。
『貴方、名前が無いの?』
 =正確には、無い。

 ん? なんか微妙な言い回しだけど……これって、役得よね!? こんな可愛い竜に私の考えた名前をつけれて、そのうえ一緒にいられるなんて! 

『わ、私がつけていいのね!? えーっと、ちょっと待ってね、素敵な名前を考え……』
 =無理ならよいのだ。我は今迄もそうだったのだから。
『え? もう、ハクちゃんはせっかちね! ちょっとぐらい、考えてるふりをさせてよ』

 私の言葉を聞いた“ハク”ちゃんは、アーモンド形の大きな瞳をこれでもかというくらい開いて、置物のように動きを止めた。

 =………………も……もう一度、言ってくれ。

 実を言うと、このおちび竜さんの身体に触れた瞬間に、私は勝手に心の中で名前を付けていた。白い竜だから“ハク”なんて、ネーミングセンスがゼロっぽいけれど、これしか浮かんでこなかった。

『あなたはハクで、私は鳥居りこ。これからよろしくお願いします!』

 私はハクちゃんの前に跪いた姿勢のまま、もう一度頭を下げた。今度は土下座ではなく、よろしくの意味を込めて軽く、頭を下げた。

 =……我はハク? ハク、か!? そうか、そうだったのか! なんと異界におったとは、見つからんはずだ!
『え? 異界? それって異世界のこと? 私が異世界人って分かってたの!?』
 =異界臭いと言っただろうが? ……しばし待て。

 えぇ~! ハクちゃんは異界臭いなんて言ってない、臭いって言っただけだったわよ!? だいたい、異界臭いって何? 私、どんな臭いしてるわけ!? こっちの世界では、私って異臭女なの!? 
 異界臭い発言にショックを受け、自分で自分の腕の匂いを嗅いで確認している私の前で、ハクちゃんは小さな手を合せてお祈りでもするかのように眼を伏せた。その動作があんまり可愛くて、凝視してしまった。ハクちゃんがそっとその手を開くと、指の隙間から淡い光が……。

『わ~、綺麗。真珠みたい』

 直径は二センチ位かな? きらきらしてる球体……淡く発光してて、すごく綺麗。

 =生体鉱物などと一緒にするな。これは竜珠だ。
『竜珠? なに、それ……うきゃっ!?』

 私の口にハクちゃんの手が!? きゃあああ、いきなりグーでお手々を突っ込むなんて、信じられない!

~~~~~~~~(続きは本編へ)~~~~~~~~
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