Utadaの全米iTunes報道について。 | アイス ラヴさん。の甘く危険な映画日記。
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Utadaのセカンド・アルバム『This Is The One/ディス・イズ・ザ・ワン』が、25日に全米配信されて、iTunes総合アルバム・チャートで18位、POPアルバム・チャートでは2位を記録した…と報じられました。

どうせ日本での売り上げを伸ばすための話題づくりだろう…と思いながら、実際にアメリカ版iTunesを調べてみたら、かなり健闘していて、しかも一押しアーティスト扱いになってたので驚きました。

日本ではCDだと洋楽アーティスト扱いにも関わらず税込3000円。日本版iTunesだと2000円もするこのアルバムが、アメリカでは何とたったの$7.99。CDの約1/4の激安価格で購入出来るのです!しかも日本版には無かった「Come Back To Me」PVとデジタル・ブックレット付き。かなりお買い得。曲順も「Come~」を1曲目に変更してます。

他の作品と比べても、最低価格に設定。デラックス・エディションを除けば、1位の『Twilight 』サントラ盤と、19位のKelly Clarkson『All I Ever Wanted』通常盤が、最も高くて$11.99。他はLady GaGaやU2にADELE等、$9.99が一般的。

一番驚いたのは、「Come Back To Me」のPVが、MUSIC VIDEO OF THE WEEK(今週の無料ビデオ)に選ばれているのです。日本版では400円で購入出来るPVがタダ…。ここまで来たら、もう出血大サービスですよ。監督はBeyoncéやRihannaのPVを撮っている売れっ子、Anthony Mandler。妙にアジア娘っぽさを強調してます。こうなったら、アメリカのクレジット・カードが欲しい(こら!)。

ヒットに向けて、かなり力入ってるな、という印象を受けましたね。これなら普通のアメリカ人にも興味を持ってもらえそうです。

ちなみに他の日本人アーティストの販売事情を調べたら、面白い発見がありました。

Ayumi HamasakiやNamie AmuroにAi OtsukaにBoaは、ほとんどのシングル・アルバムが購入可能なのに、過去に全米デビューした事もあるKumi Kodaは、Boaとの懐かしのデュエット「The Meaning of Peace」一曲のみ。EXILEも「The Next Door」一曲のみ…かと思ったら、「Kiss You All Over」という曲がどっさり。そんな曲あったっけ?と思ってたら、それは’70年代に活躍したアメリカのバンド、Exileの曲だったのです。avexとrhythm zoneでは、方向性が似てるようで微妙に違うみたいですね。

Ayakaは『First Message』だけが2007年7月4日に発売済み。Mongol800、THE BLUE HEARTSに、GacktやMiyavi等、“お化粧系”も人気ですね。日本では販売不可能なソニー系のL'Arc~en~Cielも発売中でした。

みんな日本人が知らない間に、ちゃっかり全米デビューしていました。現地に住んでる日本人や、J-POPマニアにはたまらないでしょう。CDだと売れなきゃ在庫を抱えるリスクもあるのに、配信だとその心配もなく流通出来るのが利点ですね。

今やアメリカでの音楽ソフト売り上げの最大シェアはiTunes。タワー・レコードを2回も倒産させるほどの勢いです。ビルボード・チャートはiTunesの売り上げもカウントされるので、Utadaのアルバム・チャート初登場順位にどこまで反映されるのか、少し気になります。Dir en greyの新作『Uroboros』が114位だったので、何とか100以内に入ってもらいたいのですが、果たして…?

オリコン・チャートでは発売日が土曜日だった事もあり初登場3位でしたが、現在1位を独走中の日本版iTunesの売り上げをカウントすれば、もっと順位を上げられたかも。順位を上げるために“配信しない”…なんて考えてるアーティストも居ますが、その前に“レンタルさせない”と考えるアーティストがなぜ居ないんだろう?(笑)。

日本で今どんな音楽がヒットしてるのか?それを調べるには、CD販売枚数だけではなく、ダウンロード販売やレンタル回数にも注目しないと、何も見えて来ないでしょう。
http://www.myspace.com/thisisutada