高山侑子最新作『花のあすか組 NEO!』ネタバレなし。 | アイス ラヴさん。の甘く危険な映画日記。
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昨年、花王ビオレ「さらさらパウダーシート」のCMを観て以来、私が注目し続けている若手女優、高山侑子の最新映画が完成しました。

初主演映画『空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-』は、人命救助よりも緊急着陸の方を重要視した自衛隊全面協力映画でしたが、作品の混乱を彼女の爽やかな笑顔のみで救ってくれたのが素晴らしかったですね。

今回はシリーズ累計1135万部を突破した、これまでにも何度か映画化やドラマ化されて来た、高口里純原作『花のあすか組』の最新映像化作品なのです。

高山さんは、あの爽やかな笑顔を封印して、主人公・九楽あすかの一匹狼でクールな役柄を、瑞々しく演じていました。オールバックで日本刀振りかざしてる所なんか、カッコ良過ぎて本人と気付くのに、だいぶ時間が掛かるほどの別人ぶりでした。
http://www.stardust.co.jp/section3/profile/takayamayuko.html

【あらすじ】

現在、女子高生達の間では、携帯サイトで簡単に手に入る、ピンク色の飴玉(観た印象では赤い飴)が大流行。その飴玉は、一度舐めたら止まらない美味しさだけど、中毒になると自殺を引き起こしてしまう危険な飴だったのです!そこで、九楽あすか(高山)が仲間達と捜査を開始。すると、彼女の因縁の宿敵・紅塾がどうやら絡んでいたのです。問いつめて、戦闘開始。しかし、どうやらおかしい…。あすかの仲間が裏切ったのか?怪しい…という話です。

なんだか低予算ビデオ作品を映画館で観た気分。どうしても安っぽさや演技の未熟さが気になり、指摘し出したら止まりません。原作よりも、出演者のファンだけが楽しめれば良い、みたいなスケールの小ささも感じられました。

ですが、BS-iやTBSで深夜にやってる、『ケータイ刑事』シリーズや『東京少女』シリーズにハマった事のある人には、たまらないでしょう。だって、この作品の最大の見どころは、これからブレイクしそうな若手女優達がワンサカ出て来て大活躍する所なんです!思わず主役が霞んでしまいそうな(笑)逸材だらけ。数年後に伝説のお宝作品になりそうな予感さえしましたね~。

まずは、あすかと共に捜査しながら、紅塾にハメラレて半殺しの目に遭う、ミコ役の佐野光来。テレビ東京系「おはスタ」出身で、「Hana*chu→」のモデルで、ミス・セブンティーンでクラリオン・ガールでもある、華麗な経歴に驚き。私は今回初めて彼女を知ったんですが、なんで今までブレイクしてないんだろう?とにかく華のある美少女でしたね。やや赤い髪の毛と、口元のホクロが印象的でカワユイ。顔中血だらけでくたばってる仰向け姿も美し過ぎる。若槻千夏の事務所の後輩だけに、頑張ってもらいたいですね。
http://ameblo.jp/sanomiku/

それから、あすかに協力する姫役の倉内沙莉。これまた美少女。どこまでも透明感溢れる清楚な佇まいで、妙な存在感ありましたね。ロング・ヘアで白い肌、そして両目が離れてるのが特徴的。蜷川実花が写真集撮ってて、その関係で『さくらん』にも出てたらしい。京都の小さな事務所所属らしいけど、なんとかチャンスをつかんでほしい大型新人ですね。
http://blog.oricon.co.jp/sari/

そして一番凄かったのは、福永マリカ。夏帆主演『東京少女』で、佐野和真の妹役だったんですが、出て来た瞬間から印象度強かったですね。明治時代のオキャンな妹という役柄を、あの蒲鉾の断面みたいな大きな瞳と、ふっくらした顔立ちで好演。私にとって堀北真希以来の衝撃でした。しかも、今回は彼女が出演してるの知らないで観てたので、見つけた瞬間驚いちゃいましたよ。今作では、あすかを見事に裏切る女子高生役を可愛くも憎たらしく熱演。不適な笑いを浮かべる太々しさが良かったし、嘘泣きも号泣もお上手。北乃きいに危機感を与えそうなほどの将来性を感じました。

実は6年前に、Snappeasというユニットのライブを「お台場冒険王」で観た事あるんです。TUBEの「あー夏休み」をカバーしていたのですが、そのメンバーに、彼女が同じ事務所の夏帆や小出早織らと共に参加していたのを後で知って、驚いた事もあります。当時は弱冠11歳!丹羽多聞アンドリウの粋な計らいで、16歳で日本芸能界史上最年少脚本家デビューも飾った才女。今後が楽しみな17歳。期待大です。
http://star-studio.jp/marika/

ピンク色の飴を危険だと知りながら売って、大儲けして、あすかに怒られて友達になる、ノノカ役の河合優も良かったですね。気弱そうなおっとり娘をしっかりと熱演。公式ホームページ見たら、全然気弱そうじゃ無いので驚きました。あすかに罰として左の手のひらをナイフで切られ、それがキッカケで、お互いの友情が芽生えていく所なんか奇妙。私は吹き出しそうになりましたが、そこも真剣な顔して演じてました。本仮屋ユイカ・タイプですね。
http://www.cast-may.com/newface/kawai.html

そんな訳で、最初は高山さん目当てだったのに、終わってみたら他の娘達に何度も心奪われてしまうほどの面白さがありました。まるで三池崇史監督作品みたいに脇役達が主役を食って目立ちまくり…。このままだと事務所の先輩で、未だに伸び悩んでいる奥田恵梨華の後継者にならなければ良いのだが…。

その他の共演者では、紅塾の紅あおい役を佐藤寛子が怪演。左頬の傷跡もリアルで痛々しいトラウマ女役がハマってました。でも、長澤奈央でも良さそうな役ですけどね。あすかをナンパする石田卓也、露天商の寺門ジモンも好サポート。あおいを仕切る総長・照英は、凄みは無いけどモデルみたいに凛々しく、カッコいいのです。

2009年4月下旬、渋谷シアターTSUTAYAにてロードショーです。
http://www.asuka-kenzan.com/