カレル博士の警告と処方(4)

 「機械発明の数を増やしても、何ら益することはない。恐らく物理学、天文学、化学の発見も意味を持たないであろう。

 実のところ純粋科学は、我われに何の害ももたらさない。しかし、無生物の領域での魅惑的な成功が我われの心を支配し、我われがそのとりこになるとき、科学は危険になる。人間は今こそ、自分自身と、道徳的、知性的な欠陥に注意を向けるべきである。

 我われの弱さのゆえに、最善の利益のために活用できないのであれば、享楽、ぜいたく、美貌、規模が豊かに広がり、文明の精密さが高まったとしても、何の役に立つのであろうか。混乱をもたらし、偉大な民族の最も気高い要素を失わせる生活の様式は、骨を折って実践する価値がない」(五〇、五一ページ)。