リベート 賄賂 を 要求し 私腹を肥やす 日本人
中国で見た、聞いた
日本人が知らない日本人社員の堕落ぶり
http://diamond.jp/articles/-/16055

5、6年前、中国に進出した顧問先企業の業務で、中国に進出した日系企業と1年ほど付き合った。それまでの日系企業との付き合い方といえば、私は取材者で、日系企業の方が被取材者という構図が多かった。しかし、下請け会社の幹部として仕事の発注先である日系企業を見ると、あ然とするような光景が見えてきた。
崩れた日本人社員への神話
日本本社の資材調達担当の幹部が、下請けの会社の中国人幹部社員と結託して密かにトンネル会社を作り、私腹を肥やす光景があれば、中国ビジネスの現場にいる日本人幹部が赤裸々にリベートを求めるケースもあった。年末になると、資材調達担当幹部が口実を作って上海に出張する。本当の目的は、そのトンネル会社の年末決算に立ち会い、黒い配当金を懐に入れることだ。もちろん、会社には一切内緒である。
それまで、日本人社員はモラルが高い、愛社精神が強い、と私は信じていた。だが、中国のビジネス現場で以上のような光景をたくさん見ているうちに、このような神話はもう信じなくなった。こうした問題を起こした会社がどこも日本を代表するような会社であることを、私は特に問題にしていた。
後に、日本のメディアに次のように書いた。
「人間は錆びないステンレスではない。環境によっては、身から錆(さび)が出るのにそれほど時間はかからない。重要なのが教育、監督、そして奨励、懲罰だ。中国のビジネス現場での教育というと、往々にして中国人社員に対する教育を指すが、実はそれに負けないほど重要なのが日本人幹部と日本人社員への教育だ。そして制度的な保障システム作りだ。どんなに能力があっても、3年も経てば、日本人の資材担当者を資材担当から離れるよう人事異動させる」。
なぜ彼らは日系企業を去ったか
2月に入ってから1週間近く上海に滞在した。上海にある合弁会社の董事会に出る以外は、特にしなければならない仕事はなかった。そのため、その時間を利用して、これまで日系企業で働いていたが、その会社を去った数人の中国人を訪ねた。みなそれぞれの会社内で重要なポジションにいて、地位も高かった。しかも、決断を下す直前まで日系企業を辞める考えをもっていなかったのも、共通している。
しかし、最終的に日系企業を去る選択肢をとった理由の一つは、上海に派遣されてきた日本人幹部の無責任さといい加減さに、匙を投げたからだという。
毎日のように遅刻してくる。会社に出たら、まずコーヒーを飲みながら、日本語が話せる秘書と雑談する。親しい女性の人事考課にはAをやたらに付けるのに対して、夜遅くまで残業する女性社員には、逆になかなか公正な評価を与えない。スナックで知り合った風俗の女性を平気で社員の会合に連れてきたりする。リベートはもらうし、私利を貪るための会社も密かに作っている。土日にゴルフをするとプレー代が高いので、その出費をケチるため、日本人幹部数人が平日に何らかの口実を作って会社を休んでしまう。
本社の社長やその他の幹部が視察に来ると、中国人社員との接触がブロックされてしまう。本社の幹部らも現地の中国人社員に、会社のことを尋ねない。現地の問題点を社長に直訴しようと思っても、その機会はない。
毎日のようにこうした光景を見せつけられると、日系企業を去るといった意思をもっていなかった彼らも、こんな会社で働き続ける意味は果たしてあるのか、と考えてしまう。さらに、日系企業の古い体質も彼らを絶望させた。
日本への帰化を求められて
「いずれわが社の最年少取締役になるだろう」と、社長から言われた化粧品会社のAさんは、他の重役に日本への帰化を求められた。「グローバルの時代になった今、なぜ帰化を強要されるのか」と反論したが、会社から信頼されていないのを感じ、はじめて会社を去ろうと思った。
下着会社のBさんも同じように日本への帰化を求められた。日本人の妻をもつ彼も抵抗した。世界でビジネスをする会社なのに、なぜそこまで幹部社員の国籍にこだわるのか、と会社の器の狭さに絶望感を覚えた。
Aさんは中国に進出して以来、ずっと赤字事業だった化粧品事業を自らの手で黒字事業にした。累積赤字も一掃した。だから、社長が彼を会社の最年少取締役にしようとまで考えていたのだ。しかし、Aさんが去った後、黒字になった化粧品事情は、ほどなくしてまた赤字状態に陥ってしまった。
Bさんの場合も同様だった。Bさんが去った後、その穴を埋めるために、本社が4人を中国に派遣した。その4人の年間コストだけでも1億円になる。Bさんの手で黒字に転換できた事業も、棘(いばら)の道を歩むことになった。
Bさんは「私が勤めていたその下着会社は立派な社是を掲げ、経営の基本理念としている。しかし、会社を辞めた時、外国人の社員を信頼していないのがその会社の致命傷だ、と一番強く感じたのだ」という。
「中国市場は変化が速く、競争が厳しいところだ。海外に展開する日系企業はもっと器を大きくしないと世界には勝てない。もっとスピード感を出して、グローバルな企業になってほしい」
別れ際に、エレベーターまで見送ってくれたAさんからも、Bさんからも日系企業に対する同じようなアドバイスを預かった。
正直、あまり信じたくない話
日本人でありながら、悪い中国の風習を身につける日本人
現地の中国人からも、見捨てられてしまう日は、近いのか?
IbD 事業開発研究所 島田浩司
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