kosei sasaki official blog

無重力のレシピ/ex.LEGOMAKER


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当時、僕の小学校では縄跳びを奨励していました。

運動会、文化祭、合唱コンクール、縄跳び大会と。恒例の学校行事に比肩するほど、縄跳びがピックアップされていました。

縄跳び大会に向けて縄跳びカードなるスコアカードが配られます。

最初はリスカードからスタートし、ウサギカード、カンガルーカード、チャンピオンカードと段々ランクが上がっていきます。
大体の上級生はカンガルーカードで止まってしまい、チャンピオンカードまで到達するのは学年に1、2人だったと記憶しています。

僕も2つ下の弟も、放課後は躍起になって練習しました。しかし、僕がやっとの思いでカンガルーカードに辿り着く頃、彼はチャンピオンカード保持者になっていました。

あいつにできるのになんで僕にはできないんだ。
嫉妬のような、劣等感のような、当てはまる言葉のない感情を覚えたのを記憶しています。

縄跳びだけじゃありません。
ボーリング、ドッジボール、野球、、、、
幾つかの競技において、彼は僕を縄跳びの縄みたいにヒョイっと飛び越えて行きました。

僕はこの頃から何に関しても負けず嫌いでしたので、家族が寝静まった後に自宅近くの公園で1人必死に特訓することで、どんな難題に対しても諦ず挑戦していく粘り強さを身に付け、「やっぱり兄貴にはかなわないよ〜」と兄の威厳を保つなんてことは一切なく彼が得意なスポーツはすんなり諦めました。

戦わなければ、負けやしない。
と、小学生にしては大人びているような、捉えようによっては子供じみているような、決断を下すのでした。

そうして迎えた縄跳び大会。
クラス対抗縄跳びリレー等々の演目が終わり、
最後に模範生徒として、弟が全校生徒の前で三重跳びを披露します。

「1、2、3、、あ、、」

全校生徒が一緒に回数を数えます。
しかし、緊張しているのか、彼は練習より上手く翔べませんでした。

「1、2、3、、あ、、」

「1、2、あ、、」

雲行きが怪しくなる会場に、弟は今にも雨が降り出しそうな表情を見せました。

「あいつヘタクソじゃね?」

全校生徒の群衆の中、弟には聞こえない小さな声が僕に聞こえてきました。

違うんだよ。
跳べるんだよ、あいつは。

家族よりも先生よりも誰よりも、
僕は彼が練習しているを知っていました。

頑張れ。

「1、2、3、4、、、、」

結果。彼は小学4年生にして6年生の記録を上回る記録を叩き出したのでした。

翌日、下駄箱の集合階段前に縄跳び大会の諸々の記録と、6年生の名前の上に位置する弟の名前が張り出されていました。

その記録の張り紙の前にたまる生徒を脇目に、僕は知らんぷりで教室へ向かいます。

僕はまた、小学生にしては大人びているような、捉えようによっては子供じみているような、そんな感情を覚えたのでした。
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