銀色に輝くビルの先端部に長い飛行機雲が交差して行った。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに開業した「ブルジュ・ハリファ」(160階、828メートル)。総工費15億ドルを掛けた世界一の超高層ビルだ。ビルはどこまで高くできるのか?【ドバイ鵜塚健、遠藤拓】

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 124階のビルの展望デッキ(442メートル)の人気もうなぎ登りで、週末のチケットは2、3日前には売り切れる。14人乗りのエレベーター2基が、30分ごとに入場制限して運行。平日は約700人、週末は約800人しか運べないのだ。急きょ登場した待ち時間なしの「優待券」は400ディルハム(約1万円)もする。

 貴重なチケット(大人100ディルハム)を手に17日午前、デッキへ。入り口から、揺れや衝撃を全く感じさせない高速エレベーターに乗ってちょうど60秒後、扉の向こうから光があふれてきた。

 デッキの周囲は360度のガラス張りで、一部は床が板張りの屋外テラス。頭上の雲には手が届きそうだ。下をのぞいてもあまりに高すぎて、恐怖感より浮遊感を感じた。

 エジプトへの新婚旅行の途中で寄った会社員の山口卓也さん(34)=東京都品川区=は「近代的なビルと未開発の砂漠地帯の両方が見られて面白い」と笑顔を見せた。米コネティカット州から来た大学教授、マイク・トンプソンさん(54)は「ここは視界が開けて最高」と満足げだった。

 田舎の港町が急速に発展したドバイ。中心部の高層ビル街から少し視線を離すと、砂漠が広がる。昨秋、日本にも深刻な影響を与えたドバイ金融市場が入るビル群は、上から見ればなんだかおもちゃの積み木のように見えてくる。

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 超高層ビルはどこまで高くできるのか。「1000メートル、2000メートルも可能」と準大手ゼネコン「熊谷組」の担当者。ブルジュ・ハリファ登場までは世界一だった台湾の「台北101」(508メートル)の建設に当たった。

 日本一の横浜ランドマークタワー(296メートル)を建設した「大成建設」。設計本部理事副本部長の細澤治さん(58)は「1マイル(約1600メートル)はいける」と話す。細澤さんによると、下の階ほど重量を支える強度が、上の階は強風の影響があるため窓ガラスなどの厚みが必要になる。

 「千メートルビルを建てる」の著者の尾島俊雄・早稲田大名誉教授(都市環境学)は、ビル底面の短い辺の長さとビルの高さとの比に着目する。「日本の高層建築は1対3~5が多いが、今は1対10で1000メートルのビルを造れる」。1対5.5のブルジュ・ハリファより1対7の台北101の方が構造的に難易度が高いという。

 日本は技術力はあるが世界一には及ばない。航空法で、空港から一定の範囲内では、滑走路の決められた地点の高さから295メートルを超える建物は建てられないためだ。「多くの大都市は空港に近く、300メートル級が限界。田舎に1000メートルのビルがあってもマーケットは成り立たない」(尾島さん)

 中東では他にも1000メートルのビル構想が持ち上がる。尾島さんは言う。「人口が過密で都市スケールが大きいアジアやけた違いのオイルマネーを持つ中東では、『挑戦』は続くでしょう」

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