「どうしたん?」
僕「これ、Uのホストマザーが持たせてくれたんやて。」
N「もしかして、これがUの今日の昼メシ?」
すでにNも笑っている。
U「うん・・・」
僕らが笑い転げてるのを見てUも笑い出した。
U「これ、どうしよ?」
僕「これって鍋で煮なアカンの知ってる?」
U「うん。」
僕「カップ麺でさえお湯がいるのに。袋麺渡された時に言えよ。」
U「オーストラリアのラーメンは、このまま食べられるんか?とかって思ったりしてしまって・・・。 」
三人で大爆笑。
うんうん、気持ちはわかる。
急に袋麺を出してきて今日のランチねって言われたから、咄嗟に有り得へんこと考えてしまったんやろな。
N「食べれんことはないんちゃう? そのまま食べられるラーメンってあるで。」
Uと僕「・・・」
僕の頭に浮かんだもの『ベビスターラーメン』
多分Uの頭の中も・・・。
N「そのラーメンも同じかもやで。ちょっと食ってみ。(いたってマジメ)」
僕「お前が言ってるのってベビースターラーメンやろ?」
N「そやっけ? 名前は覚えてへん。 でも食った記憶あるで。それも袋麺やったし。大丈夫食ってみ。」
僕「Nって、鍋でラーメン作ったことある?カップ麺ちゃうで。」
N「ない。カップ麺もない。」
僕「お前やったら、煮てない麺食っても大丈夫か知らんけど、オレとかUとか普通の人間はコワいしムリやで。 ベビースターラーメンはお菓子やで。 普通のラーメンとちゃうから。」
N「へー・・・。」
多分よく分かってない。
僕「ベビースターラーメンはパラパラやったやろ? 袋麺とかカップ麺は違うで。 麺全体が固まってるねん。 作ったことないから知らんやろうけど。」
N「へーえ・・・。どんな風に固まってるんやろ。それ開けてみようや。」
僕「開けずにお母さんに返した方がいいんちゃう。」
U「なんて言って返すん?」
N「そんなもん、ベビースターラーメンと思って受け取ったけど、違ったから食べられませんでした。って言えばいいやん。」
なんか、ちゃう。
ちゃうけど、面倒いし黙っとこ。
U「Hはどう思う?」
僕「オレやったら、これは鍋で煮て作らないとダメだったので、って言う。」
N「返して、ついでに作ってホストファミリーと食べたら? 1人2~3口分はあるんちゃう? 」
僕「うん、そうしいや。仲良くなるチャンスやで。」
N「作り方わかるか?」
作れんくせに偉そうに言うN。
U「わかる。」
Uはその日のランチはオレンジ1個のみ。
初めて僕ら空腹組の仲間になった。
帰宅後Uは、お母さんに説明して返した。
作ることはしなかったそう。
Uが言うには
『言おうと何度も思ったけど、返したときはお母さんがひたすら謝ってきて、口を挟めなかった。 あとで言おうと思ったけど、オヤツ出してくれたり夕食の時間になったりでタイミング外してしまった。』
とのこと。
Uの性格から言えば、そうなるのもわかる。
シャワー時間を守れないのはUの責任だから注意されても自業自得だが、タイミング外してしまいやすい性格は可哀想やなと思う。
Uはその後、ずっとサンドイッチを作って貰っていた。
袋麺を持たすと言うことは、ホストファミリーは袋のラーメンを作ったことがないってこと。
あのラーメンはその後、どうなったんやろ。
作って食べたかな?
続く