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テーマ:

コーチの中には「スイングはコンパクトに」「テイクバックはコンパクトに」とかいう者がいます。果たしてそうなのでしょうか。実際のフォームを見て検証してみたいと思います。確かに状況によっては、コンパクトにしなければならないでしょうが、これからの検証はフルスイングする場合についてのみです。


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この画像は、スイングをわかりやすくするために、プレイヤーの位置がずらしてあります。これを見る限りにおいては、見た目のテイクバックは小さくなったように見えますが、スイングはコンパクトなどころか大きくなっているように思います。つまり、ラケットヘッドが動き始めてボールに当たるまでの時間が長いのです。特に両肩がよく回っていることに刮目してください。左から2番目の画像で、最初のテイクバックの時、左手をネットに平行方向にし、体全体を回しています。

次はフェデラのスイングを高速ビデをで撮影したものです。

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ラケットとラケットの時間的な間隔は0.008秒ですから、時間とともにラケットの移動距離、すなわちスピードの増していく様子がよくわかります。よく見るとボールに当たる前に最高速(加速度はゼロ)に達し、それからは減速しています。

思い出してください。高等学校iに習った物理の運動の第二法則を。

=m

大きな力を加えれば大きく加速します。加速度 a は力 F に比例するのです。手とラケットの質量がmで一定です。手の力が一定に加わったとすれば加速度も一定です。

ラケットが初速ゼロから等加速度運動をして、ラケットがボールに当たるまでの時間をとすれば、そのときのラケットの速さは

V=at

となります。だから、ラケットがボールに当たるまでの時間が長ければ、スイングスピードは増します。この時間がコンパクトなスイングをしていたのでは長くなりません。

かつて、ラケットはコートに水平にしてテイクバックしていましたが、今はラケットを立てた状態です。だから、みかけはコンパクトかもしれません。しかし、その表現をそのままスクール生に伝えると縮こまったスイングとなり、ラケットのスピードは増しません。

次はトップスピンについて考えてみます。

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ヘッドの幅の広いオーバーサイズ・ラケットの出現により、ラケットヘッドを傾けても、ヘッドの幅の狭い昔のラケットを垂直に保って打つ場合と同程度のストリング面の広さをボールに向けることが可能になりました。

そしてラケットヘッドを傾けることによって、垂直にして打つ場合よりも、4倍くらい強いトップスピンをかけることが容易になりました。その際、ラケットの握り方をウェスタングリップにしてボールの進路を横切るようにし、しかも手首をひねるようにすれば一層高速にスイングできることがわかりました。昔の木のラケットでは、ボールをフレームに当てずに、こするようなスイングをするのは容易ではなかったのです。

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(a)ウッド時代の押し出すようなスイング

(b)オーバーサイズラケットが現れてからのスイング

  (薄いグリップでラケットを下から上に上げるようなスイング)

   ボールが反時計回りに回転(トップスピンがかかった状態)

(c)ラケットヘッドを5°前に傾けたスイング

   ボールは時計回りに回転(バックスピンがかかった状態)

(d)現代のスイング

  (グリップを厚くし、ラケットを前に傾け、30°位の角度で斜め上に振り抜く)

   (b)の時に比べて4倍くらい強いトップスピン


衝突する前 左の実線 ボールの向き   右の実線 ラケットの動く向き

衝突した後  破線 ボールがラケットに当たる前の軌跡

         実線 ボールが飛んでいく向き


なお、右利きの人がバックハンドで打つとき、片手ではラケットを5°以上前に傾けるのは難しく、両手打ちで可能です。


前にブログでも述べていますが


スピンを強くするため通説では


・ストリング面のテンションを強くする(あるいは弱くする)
・ストリング面のパターン(本数)を高密度にする(あるいは低密度にする)
・細いストリングを使う
・滑りにくいストリングを使う
・天然ガットのような軟らかいストリングを使う
・ポリウレタンをコーティングしたストリングを使う

全て間違いで、


正解


スピンの強さは、ストリング面に平行なラケットヘッドの速度のみに依存する。つまり、ボールの進行方向を横切るラケット面の速さと向きによってのみスピンの強さが決められと言うことです。ストリングに依存すると考える人はボールとストリングがすべると思っているからだと思います。そのため摩擦力を上げるための通説を唱えているのです。レールの上の動輪が滑ると考えられていましたが、トレビシック が滑らないことを証明しました。  


最後にマグナス効果(回転しているボールに作用する力)について述べてみます。

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ベルヌーイの定理により

 流速が速くなると→圧力が下がります


 トップスピン
  ボールの上
   流速が遅い
   気圧が高い
  ボールの下
   流速が速い
   気圧が低い

 バックスピン
  ボールの上
   流速が速い
   気圧が低い
  ボールの下
   流速が遅い
   気圧が高い


以上の理由により、トップスピンの軌道は大きく曲がってコートに沈むように落ちます。そのため、強打してもコートに入りやすいトップスピンをトッププレイヤーが打つようになったのだと思います。ちなみに、フォーハンドストロークがゲーム中の75%を占めるそうです。


今まで述べた結論として、ウエスタングリップでトップスピンを打つためには、打点が今までよりも前になり、ラケットが動きだしてからボールに当たるまでの時間が長くなりました。だから、絶対にスイングはコンパクトになっていないと考えられます。  土井和士


追記

 テニスのレベルは最高で初中級くらいでした。こうした私がテニスの技術に興味を持つようになったのは「スイングはコンパクトに」」「テイクバックはコンパクトに」等の言葉でした。これらに疑問を持ち、いろいろと勉強しました。しかし、その言葉は上述のようにフルスイングする場合には科学的な根拠がありません。

思えば、スウェーデンテニス協会でエドバーグ選手などを育てたロスジョーンズ氏と3日間、行動を共にしたことがありました。その時、ロスジョーンズ氏は「これからは大きなスイングになって行くであろう。そうしないと速い球は打てない」と力説されていたことを思い出しました。

私たちはテニスコーチの今までの経験と勘、それにコーチの全盛時のプレイスタイルによるレッスンは改めようと考えています。


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