ライトノベル【Bom!No!!】 001:諦めることを諦めた(3)
「完全に頭きた。『諦めることを諦める』ことを諦めさせてやる!」
「ふふふ。受けて立とうじゃないの!」
あぁ、もう!
俺、馬鹿じゃねぇの?
己から勝負を仕掛けてしまうとは。
いや、待てよ。
こいつに完全なる敗北の二文字を刻めば、
圧倒的な力の差を見せつければ、
お帰りいただけるのではないだろうか。
そうさ、
きっと、そうさ!!
このゲームがラストになるよう、ズタボロに負かしてやる。
絶対泣かす。
本気出す。
『やめぬなら
泣かせてみせよう
大黒天(字余り)』
そんなことしたら、確実に、
火に油をそそぐこと間違いなしだが、
俺のモチベーションを維持するためには、
松岡修造並みのポジティブな精神が必要なのである。
こいつと競い合う。
特に、こいつの不得意なもので競い合うときには、
余計に、である。
「…ねぇ、無駄な妄想は終わった?準備いい?」
「お、おう。いつでもいいぞ。」
恐ろしや。
こいつ、読心術でも心得ているのか?
しかし、そんな能力、
このゲームには関係ない。
さっさと始めようではないか。
この終わり無きゲームを!!
そんなことを考えながら、コントローラを握る。
何故、ゲーム機の持ち主の俺が2Pで、こいつが1Pなのかはもう突っ込むまい。
微かな希望だが零ではない!!
本気の俺に、負かされて、
泣きながら帰路につくがよい!!
ハハハハハ。フハハハハハハハ!!!!
(4)へ続く → http://ameblo.jp/i-my-me-mamy/entry-10544515823.html