2007-10-26 23:35:30

東京国際映画祭レポ・その1「マッド探偵」

テーマ:海外映画・マ行

『マッド探偵』
Mad Detective/神探
(2007年・香港/89分)
「ヴェネチア国際映画祭コンペ出品作」
東京国際映画祭右矢印
(HP)
アジアの風・
アジア中東パノラマ 特別上映
10月24日(水)シアターコクーンにて
上映後、ジョニー・トー監督のティーチ・イン有り

マッド探偵  Mad Detective

[作品情報]

監督:ジョニー・トー/ワイ・カーファイ
エグゼクティブ・プロデューサー:チャールズ・ヒョン、
アドミラストラティブ・プロデューサー:ティファニー・チェン、
プロデューサー:ジョニー・トー/ワイ・カーファイ、
脚本:ワイ・カーファイ/オー・キンイー、
編集:キャサリン・シー、音楽:グザヴィエ・ジャモー
<キャスト>
ラウ・チンワン:バン
アンディ・オン:ホー
ラム・カートン:チーワイ
ケリー・リン:メイ/監査役チャン


東京国際映画祭  kokusai
公式ガイドブック


「Story(公式サイトより)」
察から盗まれた銃による連続殺人事件が勃発。
捜査官のホーは人間の内面が透視できるバンに協力を依頼するが…。
香港アクションの巨匠ジョニー・トー(杜琪峰)が、
ワイ・カーファイ(韋家輝)と組んだサイコ・アクションの最新作。
「悲しいことに、“多くを見ること”の重荷が、
我らのヒーローに世界の孤独な道を歩ませる結末をもたらすのだ」

(ワイ・カーファイ/公式ブックより)

「初体験の作品にノックダウン」
恥ずかしながら、ジョニー・トー監督の作品を初めて鑑賞しました。
ストーリーはネタバレしたくないので、あまり詳しく書きませんが、
冒頭導入部で、主人公のバンが上官の送別式に
自分の右耳を切り落としてプレゼントするシーンがあり、
もうそこで、
これは只者では無いと感じさせられた作品です(笑
この「耳」のシーンがあったので、
もしかしたら、私の苦手系の描写が多い作品かと心配しましたが、
幸運にもそれは危惧に終わりました。
それよりもうっかり見逃すと、
私自身の理解力が追いついていかないこと、
作品に置き去りにされてしまうことに気付いてからは、
「今観たシーン」を咀嚼する間も無く、
とにかく次々と登場する人々や場面展開を追い続けるのに精一杯。
物語のラストシーンまで来た時に、
初めて監督の仕掛けた罠に思いっきり引っかかっている自分に
気がついたわけです。
何度も、あれ?あのシーンは?
あの人は?・・・
と自分なりに理解しようと、考える時間を持ちたいのに、
そこで立ち止まることを許されない快感というか、
とにかく最後の最後ストーリーの幕が引かれるまで、
見事に監督の思惑にリードされ続けることの心地良さを、
感じられた作品でした。

人には見えない<人の中に宿る別人格>が見える男。
彼は特異な才能を持つ男なのか、
それとも、それが見える男の精神が破綻しているだけなのか。
彼の目には、
時に、一人の男が何人もの男女を携えて歩いている姿が映り、
時に、大の男の姿が泣きべそをかいている少年の姿に重なって見える・・・。
人の心にはそれぞれ別の人格を持った鬼が住んでいる。

私にとっては、未体験ジャンルの作品。
とにかく物語の完結部分・オチが素晴らしくて、
思わずゾクっとさせられました。
同じジョニー・トー(杜琪峰)監督、そしてツイ・ハーク(徐克)監督、
リンゴ・ラム(林嶺東)監督の三人が参加した作品『鐡三角』 にも、
俄然興味が湧いてきましたが、
日本のスクリーンで観ることの出来る機会は、もう無いのでしょうか。

映画祭 画像・公式サイトより)
「上映後のティーチ・イン・レポ」
ここからは、監督との質疑応答を少しだけ記録してみますが、
例によって私の汚いメモ書きが頼りなので、
細かいニュアンスの違いなどに関してはご容赦ください。

Q第1質問者(男性)
監督の今までに無いタッチの作品で楽しんだ。
2点質問したい。
ひとつは、作品の整合性。
もう一点、監督の作品は約90分に納まっているものが多いが、
意識して90分に納まるよう製作しているのか。

メモジョニー・トー監督
作品の長さについては、大分前から考えなくなった。
90分に納めようとは意識していない。
登場人物の人格・姿が変っていくことに関してのつじつまは、観客の判断に任せる。

Q第2質問者(女性)
大変面白かった。自分の中で整理をつけるのに時間がかかりそう。
作品にしたら、2~3作分の労力がかかっているように感じる。
実際には完成までにどれくらいの時間を要したのか。
また、監督ご自身には何人の鬼が住んでいるか(笑

メモジョニー・トー監督
(指摘のように)実際、他の作品より時間もかかり大変だった。
一人の人間が持っているかもしれない多くの人格、
人間の中に住む可能性のある鬼は全て撮った。
殆どがボツになったが撮影中は映画と関係ない人格も撮っていった。
(ワイ・カーファイ監督と)二人で相談しながら、
その中からいらないものをカットしていったのだが、人格とは複雑なもの。
判断が正しかったかと言う迷いはいまだにあるので、
観客の皆さんの感想がとても気になる。
撮影後1年経つが、未だに引きずっている作品である。
私の心中の鬼は皆さんよりも多い。(笑

Q第3質問者(男性)
面白い作品で楽しんだ。
犯人に住む支配的な人格はかなり狡猾な性格の女の姿の鬼だったが、
この鬼は監督の女性観の現われか。

メモジョニー・トー監督
(ホー刑事は)当初は恐怖心を現す子どもの姿をした鬼を抱えていたのだが、
最後に女の鬼が現れ入れ替わったことで、彼の人間性も変ってしまう。
あの瞬間に恐ろしい悪魔の人格に心を変えてしまった。
(女性観については、触れられなかった。
後に時間が取れたら答えていただく・・・との司会者の言葉だったが
結局最後まで触れられず残念!!)
<追記>
salleanaさんのコメントによるご指摘で分かりましたが、最後に司会者が女性観についてちゃんと質問したされていたそうです。
私はすっかりこの(大事な)部分を聞き逃していましたが、監督の答えは「ノーコメント」だったそうです(笑

Q第4質問者(女性)
この作品を日本で観ることが出来て感動。何回も観たい作品。
演技力のある俳優を起用されているが、
二人への演技指導など撮影は大変だったか。

メモジョニー・トー監督
考えすぎると分からなくなるので、役者にはあまり考えるなと要求した。
自分たちも考えながら試しながらの撮影だったので、
次の日には前日と変わることもあったので。
例えば耳をプレゼントするシーンなど、
こんな警官がいたら社会はどうなるか、などと色々試しながら撮影した。

Q第5質問者(女性)
昨日の『鐡三角』 と両方とも楽しんだ。
今、撮影中のもの、あるいは企画中などの作品予定はあるのか?
(例えば)『PTU2』は?

メモジョニー・トー監督
『PTU2』は、監督は別の人。自分はプロデューサーを務める。
香港に帰ったら新作の脚本を完成して、
年末には撮影に入りたいのだが、まだ全てが確定していない。
今後新作の情報があったら、今述べた作品の事だと思って欲しい。

Q第6質問者(男性)
独創的で楽しい作品だった。
昨日の『鐡三角』 もこの『マッド探偵』も共同監督作品だが、
作品作りのプロセスと、共同監督という利点・難点を知りたい。

メモジョニー・トー監督
共同監督作品は、特殊な例。
『鐡三角』 は、3人の監督でゲーム感覚で撮った。
それぞれが3分の1を作って次の人にバトンを渡す形で撮影したので、
全てを撮り終わった後でないと、作品の結末がわからなかった。
今回は、ワイ・カーファイ監督と私の(二人の)間に
暗黙の了解・同じ考え方があり、一心同体で撮影した。
共同監督の経験は勉強になったし、刺激にもなったと思う。


カチンコティーチ・インでは、
監督の作品を愛するファンの方々の質問
及びジョニー・トー監督の名回答のおかげで、
より深く作品を理解することが出来ました。
そして、監督は『鐡三角』 の監督たちと「これからおいしい料理を食べに行く」
・・・とうれしそうに退出されたのですが、
私たちも次に鑑賞予定の『ガンジー、わが父』の時間まで
昼食を取りに出かけ、またシアターコクーンに戻る途中、
なんと、ジョニー・トー監督と路上でばったり!!
一緒に同行していただいていたhoppen さんが、
いち早く監督に気がついてくださったので、
salleana さんと私も監督からサインを頂くことができました!!
東京国際映画祭
持っていたチケットに慌てて書いていただいたサイン。
ボールペンで書いていただいたのでちょっと見難いですね。

監督の作品への賛辞や、美味しいお料理を召し上がったかと言う質問に、
優しい笑顔で答えてくださった監督ですが、
薄いブルーのスーツがとてもお似合いで
近くで拝見するとさらに魅力的な紳士でしたよ。 

サーチ東京国際映画祭公式サイト

サーチ「マッド探偵」ティーチイン・フォトレポート


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コメント

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5 ■hoppenさん。

お気に入りブログはアメブロしか登録できなかったので、こちらもブックマークに登録させていただきました!
よろしくお願いいたします!!

4 ■hoppenさん。

コメントとトラックバックありがとうございます!
香港映画は未開拓分野なので、楽しみです!!
ブックマークよろしくお願いいたします。こちらもお気に入りブログに登録させていただきますね。
出来ればこのブログの「読者になる」のコーナーにも登録していただけるとうれしいです!

3 ■ようこそ、ジョニトー・ワールドに!

詳しいルポ、ありがとうございます。
『マッド探偵』は、本当に面白かったですね。
かなり、完成度が高い映画でしたよね。
ジョニトー監督作品の中でも、『エレクション』などは、かなり、ノワール度がきついのですが、
『ブレイキング・ニュース』や『PTU』などは、アクションや複線をめぐらせたストーリー展開が面白いので、お勧めですよ~。

お願いが~。
こちらのブログ、私のところのブックマークに登録させていただいて、よろしいでしょうか?

2 ■salleanaさんへ。

おお!そうでしたか!
メモに書き忘れていた部分ですね~、あるいは聞き逃していました!
正しい情報をありがとうございます。
「マッド探偵」は、私にとっては新鮮で斬新な作品でした。映画祭でこの作品に出会えてよかったです。お誘いいただいてありがとうございました。

1 ■第3問

ハードな1日、お疲れさまでした!
個人的には『マッド探偵』が今回の映画祭で一番面白かったです。
女性観についてですが、最後の最後に司会者が質問しましたよ。答えは「ノーコメント(笑)」でした。

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