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手のひらの中のアジア
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August 31, 2008

★グルジア紛争③ ~葛藤~

テーマ:◆旅の断片 グルジア
グルジアでの毎日の朝食

いつもと変わらない目覚めだった。

宿のすぐ近くにある野菜市場へ向かう人、買い物を済ませて帰る人。通りを行き交う人々の声がいつもと同じように聞こえてくる。僕は頭の後ろで両腕を組みながら、その心地よい程度のざわめきを耳にしながら、しばらくの間ベッドの上でぼんやりとしていた。


「何も変わってないね」


「そうですね」


宿に泊まっている他の2人の話し声がすぐそばで聞こえた。


緊急の避難車がアルメニアに向けてトビリシの街を出発してから一夜が明けた。あれからロシア軍が夜のうちにトビリシの街を包囲した様子はない。かといってロシア軍とグルジア軍の武力衝突が終わりを告げたわけでもない。実際の状況は刻一刻と変化しているのだろうが、少なくとも僕らを取り巻くこの一帯の状況についていえば、確かに何も変わっていない。


朝8時。


僕らがそれぞれグルジア出国に向けて動き出そうとしていたところへ、電話が鳴った。


大使館からだった。


本日12日、外務省から正式に「退避勧告」が出ました。それに伴い、これからアゼルバイジャン行きの車を出すので乗車の上、すみやかにグルジアから退去してください、というような内容だった。


今さら退避勧告が出るそのタイミングといい、アゼルバイジャン行きの車が出ることになった経緯といい、どことなく歯痒い気持ちになりながら僕は話を聞いていた。いつその車は迎えにくるのかと1人が訊ねると、午後もしくは夕方になるかもしれないとの返事だった。


僕は腕組みしながら思わず唸ってしまった。


あれほど一刻を争っていた昨夜と比べてどこか悠長に聞こえるのは気のせいだろうか。それに夕方出発してアゼルバイジャンに行くくらいなら、もし僕が午前中のトルコ行きのバスに乗れば、場合によっては夕方には国境まで辿りつけてしまう。


昨夜もそうだったが、よけいな迷惑をかけないために素直に大使館の指示に従うべきだ、と思う自分がいる一方で、どうしてもそれに納得のいかない自分がいる。


ぎりぎりまで迷ったあげく、僕はやはり自己責任にて行動しようと決めた。僕はトルコを目指す。アゼルバイジャンには行かない。この日、実際にトルコ行きのバスが運行しているのを再確認した時点で、僕の決心は揺ぎないものになった。


大使館とのやりとりを残った旅行者2人に半ば任せるような形で、午前11時、僕は自転車と荷物をバスに全部積み込み、トルコを目指して出発した。


グルジア トビリシ ナリカラ城塞跡
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