灘高の名物国語教師、故・橋本武さんの著書です。
橋本武さんの本はほかにも数冊読んだが、
この本を読んでも心の琴線に触れるものがあったので、
メモを残しておきます。
「教師という職業の特性について、おぼろげながら見えてきたことがありました。それはつまり、教師の仕事というのは自分の人間性を生徒にぶつけることだということです。」
「教師が教師としての自分自身を磨いていけば、その姿は必ず子どもたちの胸に届く。生徒たちが喜んで勉強している様子から、そんなことを感じました。」
日本人だから、国語が全くできない生徒はあまりいないと思う。
だが、僕の専門の物理の場合、物理以前に数学ができなくて、全くできない生徒が多数いるというのが悲しい現実。
心が折れることの連続。
だが、橋本さんが毎日遅くまでガリ版を削っていたのに比べれば、まだ努力が足りないと思う。
明日からまたがんばろうという気になりました。
各章のまとめ。
第1章 「遊ぶ」ように「学ぶ」ポイント
①当たり前だと思われていることに疑問を抱いてみよう
②学びはときに意味がなくても面白ければいい
③もっと意識して横道にそれてみよう
④安心して何でも言えたり書けたりする環境を整える
⑤テストの点数より日々の積み重ねを大切に
⑥共同でものごとを達成する過程を味わい、絆を深める
⑦入試のためのテクニックと学びは別もの
⑧試験は水物、自分の思うがままにチャレンジしよう
⑨急場しのぎの暗記は仕方がないが、付け焼き刃の知識はすぐに忘れる
⑩すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる
第2章 「国語力」をとらえ直すポイント
①国語力はすべての学問の基礎
②国語力は生活全般において必要不可欠
③知識が増えていく面白さに気づこう
④わかりきった言葉も別の視点から考え直してみる
⑤読書を通じて自分では体験できない生き方をしてみよう
⑥解釈よりもまず読む、まず楽しもう
⑦わからなくてもいいから、とにかく多くの本を読んでみる
⑧国語力養成のカギは書くことにあり
⑨文章のウマいヘタを気にせず、できるだけ多くの文章を書く
⑩手書きにも盛んにチャレンジしよう
第3章 「教える」と「学ぶ」をつなげるポイント
①何も指示されなければ、自分で学習法を考えるしかない
②教える側の試行錯誤を隠さずに追体験させてみよう
③自然に面白がって楽しめれば、子どもたちは自然と学ぶようになる
④大人は子どもに対して自身の人間性、個性をぶつけてみるべし
⑤人生は自分の思うこと以上のことが起こると、体験を通して語ってみよう
⑥子どもたちの性格や思いは千差万別
⑦自分の意志で自らの道を切り開くように仕向ける
⑧大人は子どもたちがのびのびと生活ができる環境作りを
⑨自由と自分勝手は違うことをしっかり教えよう
⑩人に対する思いやりの気持ち、それがわかれば大人の証
第4章 日常生活にあふれる「横道」へのポイント
①苦手なものにこそ学びの楽しさがひそんでいる
②苦手の中身ときっちり向き合ってみよう
③笑われたっていいという気持ちで何にでもトライしてみる
④多感な若いときの刺激、体験した面白さは一生もの
⑤必要以上に目一杯学んだことは、あとで必ず役に立つ
⑥受験の詰め込みではなく教養の詰め込みを
⑦人生の豊かさのために趣味を増やしてみる
⑧横道にそれたあとに本筋に戻ると、本筋はより豊かになる
⑨横道経験と人生の対応力は比例する
⑩何に対しても疑問を抱いて自分なりに思考してみよう
第5章 人生をより深く楽しむ「学び」のポイント
①ときには、とにかくなりゆきに任せてみる
②人との出会いは奇跡であると同時に必然でもある
③頭と体、両方のバランスを整える
④自分にあった生活リズムを続けよう
⑤やりたいことが多すぎて困るぐらいが丁度いい
⑥世界中の人と今、同時に生をとものしている意味を考えてみる
⑦何歳になっても夢を抱き続けよう
⑧成功とは、自分がやりたいことをやりたいようにできること
⑨今日はこんなことができた、それだけで人生は十分
⑩学びの日々は今日も続く